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薬剤師の年収情報 総まとめ

薬剤師としてのキャリアやワークライフバランスを考えるうえで、「年収」は切っても切れないテーマ。薬剤師の年収に関する情報をまとめました。

薬剤師の平均年収、薬剤師業界の現状

まずは薬剤師の平均年収、薬剤師業界を取り巻く現状について見ていきましょう。

全職種の平均年収 薬剤師の平均年収 年収差
450.1万円 561.6万円 111.5万円

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば、2019年度の薬剤師の平均年収は561.6万円。全職種の平均年収は450.1万円ですので、薬剤師の年収は世間一般に比べて高いと言えるでしょう。

では薬剤師の平均年収はこの10年でどう変化しているでしょうか。

2010年 2019年 年収差
薬剤師の平均年収 518.1万円 561.6万円 +43.5万円

薬剤師の平均年収の推移としては、10年前の2010年518.1万円と比べると、43.5万円も年収は上がりました。10年前と比べると、薬局・ドラッグストアでは「対人業務」、病院では「チーム医療」など、薬剤師の果たすべき役割が増えていることが、年収増の一因と言えるでしょう。

続いて、多くの薬剤師の職場である、薬局・ドラッグストア・病院の数についての最新データです。

2010年 2019年 件数比較
薬局数 53,001件 59,613件 112.5%
ドラッグストア店舗数 16,259件 20,631件 126.9%
病院数 8,670件 8,300件 95.7%

*薬局数のみ2018年度のデータ
*薬局数は厚生労働省「平成30年度衛生行政報告例の概況」、ドラッグストア店舗数は日本チェーンドラッグストア協会「日本のドラッグストア実態調査 2019年版」、病院数は厚生労働省「令和元年医療施設動態調査・病院報告の概況」からそれぞれ引用

薬局数は5万9,613 店舗、ドラッグストアは2万631店舗、病院は8,300施設。薬局、ドラッグストアの店舗数は増加している一方、病院の数は減っていることがわかります。
次に、薬剤師の数について見てみましょう。2年に一度集計する「平成30年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によれば 薬剤師数は31万1,289 人。男性が12万545 人(総数の38.7%)、女性が19万744 人(同61.3%)と女性が多いのが特徴です。前回調査(平成28年)から9,966 人増加しました。
毎年薬剤師国家試験に約1万人が合格するため、薬剤師数は今後も増加していきます。

以上が、薬剤師業界の現状です。
薬剤師の役割が増えるなかで、10年前に比べて年収は上がっていますが、今後も薬剤師の年収が上がり続ける保障はありません。特に2020年は新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、経営が厳しくなる薬局・病院・ドラッグストアが増えるなど、薬剤師業界を取り巻く状況は大きく変わりました。薬剤師の平均年収がどのように変わっていくのか見通しは不透明と言えるでしょう。

他の医療従事者との年収比較

薬剤師業界を取り巻く現状を理解したところで、いよいよ年収を掘り下げていきましょう。 まずは、薬剤師と他の医療従事者、医師・歯科医師・看護師の4職種について平均年収や労働時間などを比較しました。

平均年収 年齢 月間労働時間 人口10万人あたり数
薬剤師 543.8万円 39歳 174時間 237.4人
医師 1232.7万円 42.1歳 177時間 251.7人
歯科医師 757.1万円 37.9歳 164時間 82.4人
看護師 478.3万円 39.3歳 167時間 905.5人

参考:厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」都道府県別第2表より算出

薬剤師の平均年収は543.8万円(平均年齢39.0歳)と今回の調査のなかで医師・歯科医師に次いで3番目の結果でした。医師は、チーム医療において薬剤師・看護師に指示を出す立場であり、高度な知識と技術、生命に対する責務を考えると、薬剤師よりも高年収であることは妥当でしょう。歯科医師は、病院よりも診療所に勤めるケースが圧倒的に多く、開業医が大半を占めています。年収を自分で決められる人が多いことは、高年収の一因と言えそうです。看護師は、主な就職先である病院において人数が多く管理者の割合が低いので、一人あたりの給与は低くなる傾向があります。

記事紹介

  • 薬剤師とその他医療従事者の年収比較
    厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」から、47都道府県別の薬剤師平均年収ランキングを作成しました。都道府県ごとの薬剤師の平均年収をチェックしてみましょう。

さまざまな角度から見る薬剤師の平均年収

次は、薬剤師のなかで色々な角度から平均年収を比較してみましょう。
まずは「年齢×性別」の観点から掘り下げていきます。

【年齢別 平均年収の推移】

薬剤師の平均年収
年齢 男性薬剤師 女性薬剤師
25~29歳 ¥4,963,900 ¥4,641,300
30~34歳 ¥5,810,800 ¥5,076,800
35~39歳 ¥6,536,100 ¥5,423,200
40~44歳 ¥6,520,800 ¥5,786,700
45~49歳 ¥7,041,800 ¥6,014,800
50~54歳 ¥7,192,200 ¥6,709,400
55~59歳 ¥7,299,400 ¥6,191,400
60~64歳 ¥6,072,000 ¥5,241,200
65~69歳 ¥5,446,100 ¥6,004,400

薬剤師の年収は男女ともに、全業種の平均年収である450.1万円を20代後半の時点で超えています。また男性薬剤師の場合、管理薬剤師や薬局長、エリアマネジャーなどキャリアアップに比例して年収の上がり幅が大きいです。40代後半以降は、キャリアアップが頭打ちになる人が多く、年収はほぼ横ばいに。50代後半で平均年収はピークの729.9万円になります。その後は、定年を迎える60代への突入を期に平均年収は下降します。
女性薬剤師は男性薬剤師に比べると20代後半前半から40代後半までの年収の上がり方が緩やかです。これは、結婚や出産といったライフイベントによって一定の女性薬剤師が離職や休職、もしくは時短勤務などの切り替えによって年収が下がることが要因と考えられます。子どもの成長とともに家庭から薬剤師業務へと時間の使い方がシフトし始めるため、子育てが一段落する50代前半に平均年収670.9万円とピークを迎えます。
その後、定年の60代に向けて年収は下がっていきますが、65歳以上で平均年収が上がっていることから、定年を過ぎても精力的に働く女性薬剤師が多いと言えるかもしれません。

続いて、企業規模別の薬剤師の平均年収比較です。

企業規模 平均年収 平均年齢
全体 568.1万円 39.5歳
従業員数10~99人 623.3万円 43.7歳
100~999人 557.6万円 41.0歳
1000人以上 540.8万円 35.6歳

従業員数が1000人を超えるような大手企業のほうが高年収になると考えた人もいるかもしれませんが、実際は従業員数が少なく、規模が小さい企業のほうが年収は高い傾向があります。
その理由は、主となる採用方法の違い。全国にチェーン展開する大手企業は、薬剤師全体のなかでは年収の低い、新卒薬剤師を毎年大量に採用しますが、中小規模の企業では即戦力となる中途採用がメインで、新卒薬剤師を採用しない年もあります。 そのため、中小規模の企業のほうが平均年収・平均年齢ともにも高くなりやすいのです。

従業員数が1000人を超えるような大手企業のほうが高年収になると考えた人もいるかもしれませんが、実際は従業員数が少なく、規模が小さい企業のほうが年収は高い傾向があります。
その理由は、主となる採用方法の違い。全国にチェーン展開する大手企業は、薬剤師全体のなかでは年収の低い、新卒薬剤師を毎年大量に採用しますが、中小規模の企業では即戦力となる中途採用がメインで、新卒薬剤師を採用しない年もあります。
そのため、中小規模の企業のほうが平均年収・平均年齢ともにも高くなりやすいのです。

続いて、管理薬剤師と一般薬剤師の平均年収を比較してみましょう。

管理薬剤師の平均年収 一般薬剤師の平均年収 年収差
751.8万円 473.9万円 277.9万円

管理薬剤師と一般薬剤師では、なんと277.9万円もの年収差がありました。
また、管理薬剤師のなかでも、1店舗しかないいわゆる「パパママ薬局」と大手チェーンで年収に大きな差があります。

記事紹介

  • 徹底調査!薬剤師の平均年収比較
    年収はさまざまな要素の組み合わせで決まります。男女別、年齢別・企業規模別などさまざまな角度から薬剤師の平均年収をチェックしていきましょう。

都道府県別の薬剤師の平均年収

都道府県によっても薬剤師の年収には差があります。
というのも、薬剤師の年収は人材の需給バランスに大きく影響を受け、薬剤師が不足している地域では薬剤師の「売り手市場」になるため薬剤師の年収は上がりやすく、薬剤師が充足している地域ではその反対の状況になるからです。

順位 2020年版 2019年版 差額
1位 698.7万円
(静岡県)
623.6万円
(栃木県)
+75.1万円
全国平均 561.7万円 543.6万円 +18.1万円
47位 482.2万円
(長崎県)
415.5万円
(山口県)
+12.7万円

2019年度に最も高年収だった都道府県は静岡県の平均年収698.7万円。一方最下位は、428.2万円の長崎県でした。

順位 都道府県 平均年収
(万円)
年齢
(歳)
月間労働時間
(時間)
1 静岡 698.7 38.7 177
2 長野 689.5 43.1 183
3 高知 642.7 40.1 172
45 新潟 447.2 36.4 156
46 徳島 444.0 43.5 170
47 長崎 428.2 36.5 168

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主要都市の薬剤師の平均年収と求人の特徴

日本の主要都市である「東京都」「大阪府」「愛知県」「北海道」「福岡県」について、薬剤師の平均年収を比較してみましょう。

順位 都道府県 平均年収(万円)
1 愛知県 622.1万円
2 北海道 566.3万円
全国平均 561.7万円
3 大阪府 558.9万円
4 東京都 553.6万円
5 福岡県 530.5万円

結果は愛知県が622.1万円と最も高く、次いで北海道が566.3万円で2位でした。
最も多くの人口が集まる東京は第4位、主要都市の中でもっとも年収が低いのは福岡という結果になりました。薬剤師の年収は人材の需給バランスに大きく影響を受けます。そして、これは都道府県単位ではなく、県内で見ても同じことが言えるのです。
たとえば主要都市平均年収1位の愛知県の場合、居住区として人気で人口が多く、薬科大学があり薬剤師の数も多い名古屋市は年収が低いエリアです。一方で、名古屋市以外では薬剤師が不足しているエリアが多く、年収は高くなります。
つまり、「愛知県の平均年収は622万円」と言っても、県内のどのエリアに就職するかによって年収相場は大きく異なります。自身が希望するエリアの年収事情を事前に把握することが大切です。

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業種別の薬剤師の平均年収

薬剤師の年収は業種によっても異なります。ここでは、「調剤薬局」「ドラッグストア(調剤併設を含む)」「病院」「企業(製薬・医薬品卸・治験など)」の4業種について、「都市部エリア(5大都市を有する都道府県。北海道・東京・大阪・愛知・福岡)」と、「その他エリア」に分けて比較します。

業種 都市部エリア その他エリア
調剤薬局 年収507.1万円 年収522.1万円
ドラッグストア(調剤併設を含む) 年収542.2万円 年収556.3万円
病院 年収467.2万円 年収490.8万円
企業(製薬・医薬品卸・治験など) 年収504.8万円 年収532.0万円

業種別に見ると、平均年収が高いのは「ドラッグストア」に勤める薬剤師、低いのは「病院」に勤める薬剤師です。この業種ごとの年収差は、業務内容の他、薬剤師の年齢構成や事業の収益構造などの違いによって生まれます。

例えば、平均年収の高い「ドラッグストア」の業務内容は、処方せん調剤に加え、OTC医薬品の販売や日用雑貨の品出し、レジ打ちなど多岐にわたります。営業時間が長く、残業が発生しやすいのも特徴です。また、ドラッグストア業界は、新規出店のために薬剤師の人材確保が重要なため、高年収でも薬剤師を採用する傾向にあります。

平均年収が低い「病院」の業務内容は、院内外の調剤や病棟業務、DI業務…と幅広く、急性期病院であれば夜勤や当直も発生します。しかし、病院薬剤師の平均年収を押し下げている要因の一つは新卒薬剤師の比率です。
業界で働く薬剤師のうち、新卒薬剤師が占める割合は、調剤薬局2.0%に対して病院は3.2%。若い薬剤師の多さが平均年収に反映していると考えられます。(薬学教育協議会「平成30年度就職同行調査結果報告書」、厚生労働省「平成28年平成28年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況/厚生労働省」のデータをもとに算出)

また、上記の表ではいずれの業種でも「その他エリア」の年収が「都市部エリア」を上回っています。この理由は、薬剤師の需給バランスの差です。「都市部エリア」は薬剤師が多く人材が見つかりやすいため年収は上がりにくく、「その他エリア」に属する郊外は薬剤師が不足している地域が多いため、貴重な薬剤師を確保するために高年収になりやすいのです。

記事紹介

  • 業種別にみる薬剤師の平均年収
    同じ薬剤師でも業種や職場によって待遇が違うのは当然のこと。「調剤薬局」「病院」「ドラッグストア(調剤薬局併設を含む)」「企業」に勤める薬剤師の平均年収を独自に調査しました。<

調剤薬局・ドラッグストア薬剤師の年収分布

薬剤師の就職先として大きな割合を占める、調剤薬局とドラッグストアについてもう少し掘り下げてみましょう。
職場ナビでは、調剤薬局・ドラッグストアで働く薬剤師に向けて年収に関するアンケートを実施しました。その結果、調剤薬局薬剤師の平均年収は624万円、ドラッグストア薬剤師の平均年収は601万円と、調剤薬局薬剤師が23万円高い結果でした。
しかし、最も大きな割合を占める年収帯を調べると、調剤薬局では「551~600万円」、ドラッグストアでは「601~650万円」でした。つまり、調剤薬局は年収レンジが広く高年収の薬剤師も多いですが、低年収の薬剤師もいると言えます。それに比べて、ドラッグストア薬剤師は業界として「550~600万円」に年収相場が集中していると言えそうです。
なお、今回のアンケートでは個人薬局をはじめ管理薬剤師・薬局長などの管理職・社長が含まれています。そのため、経営者を兼ねる薬剤師が多い調剤薬局のほうが平均年収が高額に出ていることも推測されます。

【薬剤師 年収別分布】

薬剤師の平均年収

記事紹介

  • 調剤薬局薬剤師の業務内容と年収
    調剤薬局の業務内容や平均年収、やりがいなどについてご紹介します。調剤薬局に勤務する薬剤師は来局した患者の薬物治療や、在宅医療の対応として患者の自宅や介護施設へ訪問して在宅患者の薬物治療をサポートしています。
  • ドラッグストア薬剤師の業務内容と年収
    近年、薬剤師の就職先として存在感を増しているドラッグストア。調剤併設型の店舗が増えており、OTC医薬品と医療用医薬品の両方の経験を積める職場として関心が高まっています。ドラッグストアの業務内容や平均年収、やりがいなどについてご紹介します。

給与・年収の満足度が高い企業

次は企業別に薬剤師の年収をチェックしましょう。
薬剤師求人には、「年収」の項目はありますが、入社後の昇給制度などについては明記されていないケースが多々あります。そこで活用していただきたいのが「薬剤師のクチコミ」です。
職場ナビでは、全国の薬局、ドラッグストア、病院に勤務する薬剤師の職場に関するクチコミを紹介しています。
その中から「給料・年収」に関するクチコミで、薬剤師から高い評価を得ている薬局、ドラッグストア5社をピックアップしました。

ランキング 企業名 「給与が良い」
に当てはまる

1
ウエルシア 82.6%

2
くすりの福太郎 80.0%

3
カワチ薬品 62.5%
4 ユタカファーマシー 60.0%
4 トモズ 60.0%

ランキングトップ5に入った企業「ウエルシア」「くすりの福太郎」「カワチ薬品」「ユタカファーマシー」「トモズ」が、すべてドラッグストアという結果になりました。先にご紹介した「業種別にみる薬剤師の平均年収」で、ドラッグストアに勤める薬剤師の平均年収がもっとも高いというデータが出ていましたが、年収の高さは「給料・年収」の満足度に大きく貢献しているようです。

記事紹介

薬剤師の年収に対する満足度を左右する要因は?

給料・年収の満足度が高い企業のクチコミを紹介しましたが、薬剤師の年収に対する満足度を左右する原因はどこにあるのでしょうか。実際のクチコミから傾向を調べてみました。

クチコミ内容 年収に満足
待遇面では良い会社だと思う。やる気があれば、それを素直に評価し、待遇に反映してくれると思う。住居についても必要ならば準備はしてくれるし、転居に伴う費用も負担してくれたので不満は感じなかった。特別な手当てはないが、入社時にこちらの希望を聞いてくれ、自身のキャリア、スキルに応じた金額を提示してくれるので、不満はない。
クチコミ内容 年収に満足
成果に見合った給与をいただけており、満足している。評価制度がしっかりしているので、やりがいを感じる。支援や異動についてもきっちり評価していただき、賞与に反映していたので、満足です。地域手当や転勤に関する手当があることも魅力。役職についても、きっちり残業手当てもつくので、ブラックな印象はない。
扶養手当も子供の数に制限なく、人数分だけつくところが手厚い。
クチコミ内容 年収に不満
基本給は安く抑え、手当てを付与することで一見高く見えます。昇給は親会社の業績に左右されるので滞ることもしばしば。あまり期待しない方が良いかもしれません。評価によって昇給率が変化するそうですが、上司によって調整されます。薬局長が高く評価してもその上で調整されるのであまり意味があるとは思えません。昇給率は不明です。
クチコミ内容 年収に不満
年収は悪くないと思いまうすが、どれだけ残業せざるおえなくてもそれに対する評価は見ていないのでされず、個人のマンパワーに頼りすぎている所がありすぎるかと思います。
また、採用時に聞いていないことをやらされることが多く、社則の提出を求めても当時は存在せず、対応がかなり遅く、家庭を持つ女性にとっては正社員としてはかなり働きにくい職場だと感じました。
パートには、時給も良すぎるほど良く、時間的な融通もかなりきくため、とても働きやすいと思います。

クチコミを見ると「評価制度がクリアである」「努力や自己研さんを評価する仕組みがある」職場に勤めている薬剤師は年収に満足しており、「評価制度が不透明」「残業が多すぎる」職場に勤めている薬剤師は年収に対して不満を感じる人が多いようです。

薬剤師クチコミ

  • クチコミが多い企業一覧
    薬キャリ職場ナビでは、各法人へ実際に勤務経験のある薬剤師によるクチコミを掲載しています。

行政薬剤師の平均年収

薬局、ドラッグストア、病院について業務内容や年収について熱心に調べている人でも意外と知られていないのが、学校薬剤師や刑務所薬剤師などの行政薬剤師。行政薬剤師の年収は人事院が定める俸給表に準拠するため、民間の薬剤師の年収推移と大きく異なります。
また、ひとくちに行政薬剤師といっても活躍の場は多岐に渡っており、麻薬取締官、自衛隊薬剤師、刑務所薬剤師、学校薬剤師などさまざまな業種があります。職種によって業務内容も年収も大きく異なります。それぞれの職種の平均年収は次の通り。

職種 平均年収
麻薬取締官 673.2万円
自衛隊薬剤師(薬剤官) 398万円~826.9万円
刑務所薬剤師(法務技官) 609.3万円
学校薬剤師 7.1万円~23.9万円*

*麻薬取締官の平均年収は、行政職俸給表(一)の「平均給与月額」および「賞与(期末・勤勉手当)4.3ヶ月分」から算出
*自衛隊薬剤師の平均月収 / 年収は公表なし。上記表は薬学科幹部候補生の募集要項の俸給から、上限として二等佐の最高俸給に、賞与(期末・勤勉手当)4.3か月分を加味して算出
*刑務所薬剤師の平均年収は、公安職俸給表(一)、「平成29年賃金構造基本統計調査」および平成30年12月期のおける公務員の賞与(期末・勤勉手当)平均4.39カ月から算出
*学校薬剤師の平均年収は東京都新宿区の場合。地域によって異なる

記事紹介

退職金制度から考える生涯年収

これまでの「年収」とは少し違った切り口として、「生涯年収」の観点から薬剤師の退職金制度についてチェックしてみましょう。

退職金制度は法律上、会社に義務付けられている制度ではありません。ですから、制度の有無はもちろん、退職金の算出方法も企業によって異なります。

注意していただきたいのは、「退職金制度がある企業での総収入額」>「退職金制度がない企業での総収入額」とは限らないということ。退職金は、「退職理由」「勤続年数」「基本給や役職など」などによって算出されるケースが一般的で、特に「勤続年数」は退職金の支給率に大きく影響します。

分かりやすいように、薬剤師のAさんとBさんを例にして、ある企業での総収入額を比較してみましょう。

  薬剤師Aさん 薬剤師Bさん
入職時の月収 ¥350,000 ¥360,000
退職金の有無
初年の年収 ¥5,600,000 ¥5,760,000
5年で退職 5年間の年収合計 ¥28,852,695 ¥29,677,057
退職金 ¥557,216  
年収合計+退職金合計 ¥29,409,911 ¥29,677,057 薬剤師Bさんが + 267,146円
10年で退職 10年間の年収合計 ¥59,935,241 ¥61,647,677
退職金 ¥2,000,932  
年収合計+退職金合計 ¥61,936,174 ¥61,647,677 薬剤師Aさんが + 288,497円
15年で退職 15年間の年収合計 ¥93,419,972 ¥96,089,114
退職金 ¥3,233,359  
年収合計+退職金合計 ¥96,653,330 ¥96,089,114 薬剤師Aさんが + 564,217円

※諸条件※
薬剤師Aさん/薬剤師Bさん 共通
・昇給は毎年1.5%と想定
・ボーナスは各2ヶ月分×2回と想定
薬剤師Aさん 
・退職金は勤続年数×退職前6ヶ月の平均月収×支給率の方法で計算
・支給率は5年で30%,10年/15年で50%想定

上の図は
・薬剤師Aさん 退職金制度のある調剤薬局に入社。月給35万円
・薬剤師Bさん 退職金制度のない調剤薬局に入社。月給36万円
の勤続年数別の総収入額のシミュレーションです。

勤続10年以上で退職した場合は、「退職金制度はあるが月給は低い」薬剤師Aさんの総収入額の方が大きいですが、勤続5年で退職した場合は、「退職金制度はないが月給が高い」Bさんの方が総収入額は高くなります。
「退職金制度があると総支給額が増える」とは限りません。勤続年数が短いと、退職金制度の支給率が低かったり、そもそも対象にならなかったり、というケースもあるのです。
「転職前に知っておきたい!薬剤師の退職金事情」の記事で「退職金制度」について正しく理解し、生涯年収について考えてみましょう。

記事紹介

薬剤師の年収アップにつながるスキル・経験

これまで平均年収について見てきましたが、ここでは「年収アップ」につながるスキル・経験についてご紹介します。新型コロナウイルス感染拡大による影響で患者の受診控えが起こり、処方箋枚数の減少や外出自粛によって経営に打撃を受けた薬局やドラッグストアは少なくありません。
すでに「資格をもっていれば十分で、勤続年数が長くなれば高年収になる」という時代は過去のものであり、薬剤師が年収アップを叶えるためには、自身がそれ以上の収益を生む存在をめざす必要があります。
収益を生む薬剤師とはどんな薬剤師でしょうか。それは「管理職としてのスキル・経験がある」、そして「国が求める薬剤師像に沿ったスキル・経験がある」ことがポイントです。
具体的には、管理職のスキル・経験としては「管理薬剤師経験を積む」「新店立ち上げ経験」「薬局長(店長)、エリアマネジャーになる」などが評価されやすい傾向があります。
国が求める薬剤師像に沿ったスキル・経験としては、「かかりつけ薬剤師経験」「在宅医療経験」「専門・認定資格薬剤師資格の取得」が挙げられます。

記事紹介

  • 【2021年版】薬剤師の年収を上げる方法
    新型コロナウイルス感染拡大による影響で患者の受診控えが起こり、薬局やドラッグストアでは薬剤師の需要が減少。ひと昔前のように、薬剤師資格をもっていれば簡単に高年収が叶うという時代ではなくなりました。薬剤師の年収アップにつながりやすい スキル・経験についてご紹介します。

アメリカの薬剤師の年収は1000万円!?

年収 有資格者
日本の薬剤師日本の薬剤師 543.8万円 301,323人
アメリカの薬剤師日本の薬剤師 1,375.7万円 312,500人
アメリカのテクニシャン日本の薬剤師 351.8万円 402,500人

日本の薬剤師の平均年収は約544万円ですが、アメリカの薬剤師の平均年収はなんと約1,375万円。日本の薬剤師に比べて2.5倍もの年収を受け取っています。また、アメリカには薬剤師を補佐する「Pharmacy Technicians(テクニシャン)」という専門職がいますが、彼らの年収は日本の薬剤師よりも低い351.8万円でした。
なぜ日本の薬剤師とアメリカの薬剤師で、ここまで大きな年収差が生まれるのでしょうか。その背景には日本とアメリカの医療制度の違いがあります。国民皆保険の日本とは異なり、保険の種類によっては手厚い医療を受けられないアメリカでは、薬剤師は医師より身近な医療専門職として大きな貢献を果たしており、日本の薬剤師に比べて社会的地位が高い職種です。また、アメリカでは薬剤師が予防接種を実施できたり、医師から委任を受けて処方箋を書く「依存型処方権」を持っていたりと、日本の薬剤師に比べて大きな裁量が与えられています。

記事紹介

薬剤師の年収を多角的に把握し、年収アップに役立てよう

ここまで、「年齢×性別」「企業規模」「業種」など、さまざまな角度から薬剤師年収をご覧いただきました。
薬剤師の年収の傾向としては、

  • 薬剤師の需要が高い地域は年収が高い
  • 都市部よりも郊外の事業所の方が年収は高い
  • 病院よりもドラッグストアの方が年収は高い

などが上げられます。
キャリアプランを設計する際、どんな環境でどんな働き方をすると、どれくらいの年収を得られるのか、と大体のイメージを持っておくことはとても重要。「職場ナビ」の記事を参考に、薬剤師業界の傾向からご自身の適正年収や働き方を検討してみましょう。

さらに「職場ナビ」では、今後も薬剤師の年収に関する情報、各法人に関するクチコミを定期的に発信していきます。ぜひこまめにチェックしてみてください。

また、「自分が年収アップするには、どんな職場に転職するといいのかな」「長く働きたいから薬剤師から年収の評判がいい企業に転職したい」など、職場選びに関するご相談は、ぜひこちらからお問い合わせください。 ご希望の地域での年収相場や、各事業所の特徴など、薬剤師の人材紹介に特化したコンサルタントがお答えします。



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