福岡県で働く薬剤師の平均年収と現役コンサルタントに聞いた福岡求人の特徴
福岡県は九州地方で最大の人口を有しています。なかでも福岡市は、人口160万人を超える九州でも随一の大都市です。薬剤師の希望就職地域としても人気が高い福岡県ですが、働いている薬剤師の平均年収はどれくらいなのでしょうか。薬剤師専門の転職コンサルタントに聞いた、「福岡県のエリアごとの薬剤師求人の特徴」「福岡県で転職する際のポイント」について、コロナ禍による影響を踏まえてご紹介します。
福岡県の薬剤師の平均年収は530.5万円
福岡県の薬剤師の平均年収 | 530.5万円 |
都道府県別 平均年収順位 | 28位/47位中 |
全国の薬剤師の平均年収 | 561.7万円 |
参考:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」
※年収の算出方法は以下の通り
年収=きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額
福岡県で働く薬剤師の年収は530.5万円。薬剤師全体の平均年収に比べると約31万円も低いことがわかります。
福岡県の薬剤師の年収が全国平均よりも低い要因のひとつに「薬剤師の需給バランス」があります。人口10万人当たりの薬剤師数を見ると、全国平均190.1人に対して福岡県は205.7人。福岡県は全国で8番目に薬剤師が多い地域なのです。
【都道府県(従事地)別にみた薬局・医療施設に従事する人口10万人対薬剤師数】
参考:厚生労働省 平成30年(2018年)医師・歯科医師・薬剤師調査
薬剤師の平均年収は需要に対して薬剤師の数が少ない地域では高くなりやすく、需要に対して十分な薬剤師がいる地域では低くなりやすいです。福岡県は需要に対して薬剤師が集まりやすい地域であるため、年収が低くなりやすい傾向があります。
福岡県の薬剤師求人の特徴と転職のポイント
ここからは、福岡県の薬剤師転職に精通したコンサルタントに、福岡県の薬剤師求人の特徴や転職のポイントをうかがいます。
福岡県のエリアごとの求人特徴を教えてください
通常、福岡県は「福岡地域」「北九州市地域」「筑豊地域」「筑後地域」の4つに分けられます。
しかし、薬剤師求人の特徴別に分類するのであれば、「福岡市内」「北九州市内」「福岡地域・北九州地域の市外エリアと筑豊地域」「筑後地域」の4つに分けて考えるほうがより正確でしょう。福岡市・北九州市には薬剤師の数も薬局やドラッグストアの数も集中しており、市外とは求人の特徴が異なります。
なるほど。では、まず「福岡市内」の薬局の求人の特徴を教えてください。
「福岡市内」は県内で最も栄えており、薬剤師の人気が高いエリアです。また薬学部を有する九州大学・福岡大学・第一薬科大学があり新卒薬剤師が毎年多数就職するため、中途採用に困る薬局は少ないです。そのため、県内の他の地域に比べて年収はかなり低くなります。
また面薬局が比較的多く、仕事帰りの患者の来局を想定しているため、20時など比較的遅い時間まで営業している薬局が多いです。
北九州市内の薬局の求人の特徴を教えてください。
北九州市も福岡市に次いで薬剤師の人気が高いエリアです。しかし、福岡市ほど薬剤師が集まりやすくはないため、福岡市の求人に比べて薬局の平均年収は50万円程度高い印象があります。
北九州市は他のエリアに比べて在宅医療に力を入れている薬局が多いことも、福岡市より年収が高くなる一因と言えるでしょう。在宅医療は診療報酬改定でも評価されており売上の伸長につながりやすいため、業績が安定している薬局が多い印象です。
筑豊地域ならびに福岡市・北九州市の市外についてはいかがでしょうか。
これらの地域はいわゆる「郊外」にあたります。薬剤師の確保が難しく、高年収求人が出やすいエリアです。たとえば飯塚市など山間部の地域になると、福岡市内と比較して約100万円以上年収が高くなることも珍しくありません。
一方で、こうした薬剤師不足地域では「一人薬剤師」の薬局で働くケースも多いです。一人薬剤師は自身の責任や負担が重くなるため、安易に年収面だけを見て転職を決めずにどんな働き方になるのかシミュレーションすることが大切です。
筑後地域の求人はいかがでしょうか
筑後地域の西側は福岡市へのアクセスが良いため、薬剤師の確保にそれほど苦労はありません。東側は筑豊地域と同様に薬剤師の数も薬局の数も少ないですね。
おおむね福岡市内の薬局に比べて30~50万円年収が高くなります。他の地域と比べると、個人経営のクリニック門前薬局が多い印象がありますね。
ドラッグストアの求人についてはどうでしょうか
薬局の求人と同じように、福岡市内・北九州市内だと他のエリアに比べて年収が低くなる傾向がありますね。年収にすると20~30万円低くなる印象です。終業時間はエリアごとに大きな差はなく、20時~21時など遅い店舗が多いです。
福岡県のドラッグストアは、店舗面積が大きく食品や日用品の取り扱いも豊富な「メガドラッグストア」といわれる形態が主流です。「調剤併設店舗で調剤業務だけをする職場」「OTC販売業務に専念する職場」「レジ打ちや品出しといった資格外業務も担う職場」など、働き方は企業ごとに異なりますので、事前の情報収集が大切です。
福岡県での転職は雇用形態によって難易度が変わるのでしょうか
求人数という点では、基本的にはどの地域も「正社員薬剤師>パート薬剤師>派遣薬剤師」の順です。とはいえ、コロナの感染拡大の影響で雇用形態を問わず求人数が大きく減少しています。特に福岡市の求人は一時期ゼロ件近くにまで落ち込んだときもありました。
とはいえ、コロナ禍でもさまざまな理由で転職活動をされる方は多くいらっしゃいます。ご自身で検索して希望を満たす求人が見つからない場合でも、コンサルタントにご相談いただければ最適な求人をお探しいたしますので是非お気軽にお問い合わせください。
福岡県は九州地方の中で最も人口が集まる地域であり、県外からの転居を検討している薬剤師者も多いと思いますが、アドバイスはありますか?
福岡県は東京都や大阪府に比べて、公共交通機関の交通網が張り巡らされているわけではないため、福岡市や北九州市など都市部に住むとしても車移動が基本になります。運転免許証は生活していくうえで必須でしょう。面接時でも、運転免許証がない人は店舗異動しにくいという理由で敬遠されることがありますので注意してください。
最後に福岡県で薬剤師として働く魅力について教えてください。
福岡県は自然豊かな地域も発展した都市部もあり、自分のライフスタイルにあった環境を見つけやすい土地柄です。福岡市内に行けば、各種勉強会やセミナーなども頻繁に開催されており、積極的に自己研さんを積みたい薬剤師の期待にも十分応えられる環境でしょう。
福岡県の薬剤師求人の特徴まとめ
福岡県の薬剤師求人の特徴をまとめましょう。
- 平均年収は530.5万円
- 需要に対して十分な薬剤師がいるため、全国平均よりも年収が約31万円低い
- 薬剤師不足が深刻な山間部の薬局では、福岡市より100万円以上の高年収が叶うケースがある
- ドラッグストアは「メガドラッグストア」が主流
年収は低いものの生活しやすい都市部と、生活しにくいが高年収が狙える地方の両方がある福岡県。自身の希望条件に応じた職場を選ぶことが可能です。
福岡県での転職をお考えでしたら薬キャリエージェントのコンサルタントまでご相談ください。福岡県の求人情報に精通した、薬剤師専門のコンサルタントが求人探しから内定獲得まで一貫してご支援します。