北海道は一般的に「道央地域」「道北地域」「道東地域」「道南地域」の4つに分けられます。しかし、薬剤師求人の特徴を軸に考えるのであれば、「札幌市内」「旭川市内」「それ以外」の3つに分けて考えると良いでしょう。

札幌市内の人口は約196万人、北海道の約4割弱の人口が集中しています。札幌市は居住地としても薬剤師の人気が高いうえ、北海道には2020年時点で薬学部をもつ大学が3校ありますが、そのすべてが札幌市周辺に位置しています。
こうした要因から求人を出せば薬剤師が集まる地域であるため、道内の他の地域に比べて年収は低く、勤務薬剤師の年収は550万円に満たないケースがほとんどです。
一方で、人口の集中に比例して医療資源も集中しているため薬局数が多く、在宅医療・高度薬学管理・健康サポート機能など、自分が伸ばしたいスキルの経験が積める職場が見つかりやすいというメリットはあります。

旭川市は北海道第2の都市です。とはいえ、人口は約33万人と札幌市の6分の1程度。そのため、年収は札幌市と同じ条件でも50万円ほど高くなる傾向がありますね。
札幌市と比べると職場のバリエーションが豊富とは言えませんが、企業の勉強会やセミナーが一定数開催されており、自己研鑽の場には困らない地域と言えるでしょう。

まず年収面では、札幌市内の求人と比較すると同じポジションでも平均年収は100～200万円程度高くなります。根室市や稚内市などの求人では、勤務薬剤師で年収700万円を超えるような求人が出ることもありますね。もちろん、こうした高年収求人はいつでも出ているわけではないので、高年収をご希望でしたら予めコンサルタントまでご相談ください。
また、終業時間が18時台の店舗が多い点も特徴です。冬の寒さや降雪の厳しさはあるものの、転居が可能であれば、「高年収」と「ワークライフバランス」の両方を高い水準で叶えられる環境です。

薬局の求人と同じく札幌市・旭川市では年収は抑え気味、それ以外の地域だと100万円以上は年収が上がります。とはいえ、札幌市・旭川市以外は店舗数自体が少ないため、求人もなかなか出ない印象がありますね。
なお、北海道のドラッグストアは店舗数で言えばツルハホールディングス（ツルハ）が圧倒的で、県内に404店舗（2020年5月時点）を展開しています。サツドラホールディングス（サツドラ）も206店舗（2020年6月時点）を展開していますが、サツドラは新卒採用にウェイトを置いていているため、中途採用の求人数はツルハによりも少ないイメージです。
ツルハ・サツドラともに調剤併設に力を入れており、OTC医薬品・医療用医薬品のどちらの経験も積める環境があります。もちろん、この2社以外にも求人はありますので、コンサルタントまでお問い合わせください。

昨今はコロナの感染拡大の影響で雇用形態を問わず求人数は減少傾向にあります。特に札幌市の求人は大きく減少しました。また、求人が出たとしてもこれまでの水準よりも低い年収での募集になりました。一方で、札幌市・旭川市以外のエリアについては、もともとの求人数が少ないということはありますが、比較的影響は小さい印象です。
コロナ禍でもさまざまな理由で転職活動をされる方は多くいらっしゃいます。

北海道は東京都や大阪府に比べて、公共交通機関の交通網が張り巡らされているわけではないため、車移動が基本になります。札幌市内で生活を完結させるのであれば話は別ですが、基本的に運転免許証は生活していくうえで必要でしょう。
そのほか、札幌市内の職場・住宅地選びでは、地下鉄沿線の地域が人気で地上を走るJR沿線の地域は不人気という傾向があります。理由は単純で、降雪のためJRは遅延・運休が頻発するからです。降雪と無縁な地域で過ごしてきた方は意外と忘れがちな視点ですので、是非頭の片隅に入れておいてください。

北海道は札幌市内・旭川市内とその他の地域で待遇が大きく変わります。
近年、企業側に有利な「買い手市場化」が進んでいますが、北海道の場合は郊外に行けば高年収を叶えるチャンスがある地域と言えるでしょう。転居に抵抗がなく、高年収をご希望の方は一度ご検討いただけますと幸いです。もちろん、札幌市内・旭川市内で美味しい食事と雪国の風景を楽しみながら働きたいというご要望も承ります。
自身の理想とする薬剤師像・ライフスタイルに沿った最適な職場をご案内しますので、転職をご検討の方はお気軽にコンサルタントまでお問い合わせください。