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【最新!2022年版】調剤薬局 売上高ランキング

調剤薬局への転職を考える際、大手企業の売上ランキングは把握しておきたいところ。この記事では、2022年版の最新調剤薬局売上ランキングをお届けします。

新型コロナウイルスの感染流行の先行きは不透明であるものの、診療報酬改定がなく体制整備に集中できた2021年度。ニーズが高まるオンライン服薬指導をはじめ、各社が「Withコロナ」時代の薬局のあり方を模索し取り組んできました。2021年度に最も大きい売上高を記録したのはどの調剤薬局でしょうか。売上高ランキングの結果を見てみましょう。

【2022年版】調剤薬局売上高ランキング

順位 企業名 売上高(百万円) 対前年度比 店舗数
1 アインホールディングス 283,111 107.6% 1,099
2 日本調剤 265,624 108.8% 697
3 クオール 153,104 102.9% 834
4 メディカルシステムネットワーク 101,457 102.3% 425
5 東邦ホールディングス 91,801 100.8% 543
6 スズケン 88,821 98.6% 515
7 トーカイ 46,561 105.6% 145
8 ファーマライズホールディングス 42,038 98.8% 301
9 シップスヘルスケアホールディングス 28,930 106.9% 115
10 メディカル一光 22,731 103.1% 93

※各社の売上高と店舗数は、下記のセグメントで集計
アインホールディングス…ファーマシー事業  日本調剤、東邦ホールディングス、トーカイ、ファーマライズホールディングス、シップヘルスケアホールディングス、メディカル一光…調剤薬局事業  クオールホールディングス、スズケン…保険薬局事業  メディカルシステムネットワーク…地域薬局ネットワーク事業
※ランキングは有価証券報告書提出企業と売上高を公表している企業のみで作成

受診緩和による処方箋枚数の増加が業界全体の追い風に

10社中7社が減収となった前年度から一転、2021年度は10社中9社が増収となりました。増収の大きな要因は、新型コロナウイルスの感染流行の影響で外出自粛をしていた患者の受診行動が緩和されたことです。受診の緩和により長期処方は減少して処方箋単価は下がったものの、それを上回る勢いで処方箋受付枚数が回復し、各社で増収しました。
受診緩和が進んでいるものの、引き続き「オンライン服薬指導」など非対面でのサービス提供体制のニーズは高い状態が続いています。大手企業には今後も、オンラインとオフラインのいずれも疎かにせず取り組んでいくことが求められそうです。では、ランキング上位5社の取り組みについて、「出店戦略」と「「Withコロナ」の対応」を詳しく見ていきましょう。また、実際に各企業で働く薬剤師が、自社をどのように評価しているのかがわかるクチコミもご紹介します。

ランキング1位 アインホールディングス
売上高2,831億1,100万円

薬局ブランド/法人名:アインファーマシーズ / あさひ調剤 / 葵調剤 / アインメディオ / コム・メディカル / メディオ薬局 / ダイチク / 西日本ファーマシー / アイン信州 / 株式会社ファーマシィ

出店戦略:大型薬局を積極的に出店

アインホールディングスは、大型薬局の積極的な出店と投資回収を重視したM&Aを実施。M&Aを含め49店舗を出店しました。受診緩和による処方箋枚数の回復と、新規出店店舗の売上が順調に推移したことから、売上高は前年度比7.6%増の2,831億1,100万円となりました。

withコロナの対応:公式アプリ「いつでもアイン薬局」の運用開始

アイン薬局公式アプリ「いつでもアイン薬局」の運用を開始しました。
アプリの主要機能として以下のサービスを提供しWithコロナ時代にマッチしたサービスを展開しています。

  • 処方箋をオンラインで送付
  • 薬剤師にビデオ通話やメッセージでの相談
  • オンライン服薬指導の予約から決済までがアプリで完結

アインファーマシーズへの薬剤師のクチコミ

評価制度

ボーナス前には前期、後期と目標をたてそれに向けてどの程度達成したのか自己評価と薬局長の面談で評価されます。それ以外にも悩み事などがあったり、人間関係など直接薬局長に伝えられないことは、都度エリア長に相談できました。昇給の対象者に選ばれると...

ランキング2位 日本調剤
売上高2,656億2,400万円

薬局ブランド:日本調剤

出店戦略:40店舗の新規出店が売上増に寄与

日本調剤は「バランスを重視した出店」を掲げて、「自力出店とM&A」「門前・敷地内薬局とハイブリッド型(医療モール)薬局」が偏らないような出店を継続しています。2021年度は自力出店34店舗、M&A6店舗の40店舗を新規出店し、売上増に貢献。売上高は2,656億2,400万円と前年度比108.8%を達成しました。

「Withコロナ」の対応:自社の電子お薬手帳を活用

日本調剤は、自社開発の電子お薬手帳アプリ「お薬手帳プラス」の機能を積極的にアップデートしています。処方箋送信機能を使った薬局の待ち時間の短縮や、薬局薬剤師への相談機能など、新型コロナウイルス感染症の影響下でも活用しやすいアプリ開発に積極的に取り組んでいます。

日本調剤への薬剤師のクチコミ

雰囲気、職場の風通し

管理職を目指す人が多い。店舗内で候補が複数人いると切磋琢磨し刺激しあっているので薬剤師として成長したい方はいいと思う。店舗内には複数人薬剤師がいるので、助け合うことができるので、休みや休憩がしっかりとれる。年齢層が幅広い...

ランキング3位 クオールホールディングス
売上高1,531億400万円

薬局ブランド/法人名:クオール薬局 / 共栄堂 / アルファーム / ニチホス / フクシメディカル / あいファーマシー / セラ・メディック / ファルマスター / 琉球クオール

出店戦略:地域密着した特色ある薬局のM&A

2021年度のクオールホールディングスは「地域密着型の薬局運営をする企業のM&A」が目立ちました。2021年7月に宮崎県、鹿児島県で8店舗を運営するケーアイ調剤薬局を買収、11月には秋田県で4店舗を運営する斉太薬局を買収するなど、M&Aを進めました。その結果、売上高は1,531億400万円(前年同期比2.9%増加)となりました。

「Withコロナ」の対応:LINEを利用し双方向のコミュニケーションを強化

LINEでの処方箋の写真送信による待ち時間短縮や、健康情報をサービス「クオールおくすり便」を開始し、どこからでも薬剤師と双方向のコミュニケーションができる体制整備を進めています。そのほか、店舗ではオゾン除菌・脱臭器『AIR BUSTER(エアバスター)』を設置するなど、感染症拡大防止に努めた薬局運営を行っています。

クオール薬局への薬剤師のクチコミ

スキルアップ/キャリア開発/教育体制

新入社員から管理職までそれぞれのステージに合わせた研修プログラムを構築しています。 一人ひとりのスキル向上と全体のレベルアップを図っています。学会発表や、入社5年目以上の社員が対象とした海外研修制度もあります。 また、多種多様な研修や勉強会を実施...

ランキング4位 メディカルシステムネットワーク
売上高1,014億5,700万円

薬局ブランド/法人名:なの花薬局(なの花北海道 / なの花東北 / なの花東日本 / なの花中部 / なの花西日本 / トータル・メディカルサービス / 永冨調剤薬局

事業戦略:店舗数は横ばい、処方箋受付枚数の減少が痛手に

2021年度のメディカルシステムネットワークは、医療モール型薬局を中心に3店舗を新規出店しました。また、メディカルシステムネットワークでは、地域の中堅チェーンや小規模の保険薬局に経営や教育・研修のノウハウを提供する経営支援ネットワークサービスを展開しており、加盟店の増加により売上を伸ばしています。加盟店の数は前年度から1,285件増え、7,401件となりました。

なの花薬局への薬剤師のクチコミ

仕事内容・やりがい

月一回の集合研修や学術大会への参加、教育体制はしっかりしています。勉強したい薬剤師にはやりがいはあります。仕事内容も積極的に在宅に取り組んでます。病院前、クリニック前、多様な経験を積むことができるのでやりがいがある会社と言えます。クリニックも...

ランキング5位 東邦ホールディングス
売上高918億100万円

薬局ブランド/法人名:ファーマみらい / スター・システム / セイコーメディカルブレーン株式会社 / 明徳ケアワーク / オージープラン / 青葉堂 / 社厚生 / ベガファーマ / セイコーメディカルブレーン /ファーマダイワ / ヴェルデ / ストレチア

事業戦略:顧客支援システムで収益性改善を図る

東邦ホールディングスでは、オンライン服薬指導の体制を強化するとともに、かかりつけ薬剤師の育成やOTC医薬品をはじめとする物販の拡充に積極的に取り組みました。また、調剤報酬改定への対応を進めるとともに、顧客支援システムの活用による在庫の適正化や店舗業務の標準化・効率化と、経費の全面的な見直しによる収益性の改善に取り組みました。この結果、売上高は918億100万円(前年度比0.8%増)となりました。

ファーマみらいへの薬剤師のクチコミ

休日・ワークライフバランス

早めに申請しておけば有給は間違いなく通ります。休みは前の職場と比較しても取りやすいです。急な休みの申請も通るので希望の休みは大体取れる状況です。休みが取りやすいので日々の仕事も頑張れます...

売上6位以降の企業の薬剤師クチコミ

2021年度の調剤薬局業界

調剤薬局業界上位10社 売上高の占有率は15%

厚生労働省の最新データでは、2021年度の調剤医療費は約7兆4,987億円、薬局数は6万951件です。これに対して、調剤薬局売上高ランキング上位10社の合計売上高は1兆1241億円、合計店舗数は4,767店舗でした。上位10社の市場に占める割合は売上高15.0%、店舗数7.8%です。前年度から売上高は1.1%のプラス、店舗数は0.1%のマイナスとなりました。ドラッグストア業界 に比べるとまだまだ中小企業の影響力がある業界と言えるでしょう。
近年は「薬局のDX化」の推進が注目されており、ICTへの投資が増大する傾向が見られます。こうしたハード面への投資をするためには一定の資金力が必要になるため、中小規模の薬局にとっては逆風の環境とも言えそうです。今後は大企業による寡占化が加速する可能性もあるでしょう。

【上位10社の市場占有率(売上高)】

調剤薬局売上高上位10社、売上の市場占有率

【上位10社の市場占有率(店舗数)】

調剤薬局売上高上位10社、店舗数の市場占有率

今後の調剤薬局業界

連携薬局の動向に注目

2021年8月に連携薬局の認定制度が始まりました。2022年8月時点で地域連携薬局は約2600件、専門医療機関連携薬局は約110件となっています。薬局数が6万件以上あることを踏まえると、まだまだ普及が進んでいるとは言えない状況です。特に専門医療機関連携薬局は、外来がん治療専門薬剤師の常駐など厳しい要件が定められておりなかなか数を伸ばしていません。大手チェーンの中には、同資格の育成プログラムを設けるなど積極的な資格支援に乗り出す企業も見られます。今後の動向に注目です。

今後求められる調剤薬局の薬剤師像

オンライン服薬指導や連携薬局など、新しい仕組みに適応できる薬剤師が評価される

大手を中心にオンライン服薬指導を導入する調剤薬局企業が増えており、対面だけでなく遠隔でも信頼関係を構築できるコミュニケーション能力をもった薬剤師が求められるようになるでしょう。また、専門医療機関連携薬局の認定取得に乗り出す企業が多く、がんに精通した薬剤師、なかでも専門医療機関連携薬局の要件になっている「外来がん治療専門薬剤師(BPACC)」をもっている薬剤師の市場価値は高まりそうです。

いまの職場に対する不安・不満や、キャリアプランに関するお悩みがある方は、お気軽に薬キャリエージェントのコンサルタントまでお問い合わせください。薬剤師専門の転職コンサルタントが、薬剤師一人ひとりのご経験・ご希望に沿った求人をご紹介します。

なお、薬キャリ職場ナビでは、勤務経験がある先生だからこそわかる、「給与・評価制度」や「仕事のやりがい・教育制度」「女性の活躍・働きやすさ」などのクチコミを募集しています。是非、クチコミをお寄せください。

<参考>
参考資料:アインホールディングス「2022年4月期決算短信」「2022年4月期決算説明会資料」、日本調剤「2022年3月期決算短信」、クオール「2022年3月期決算短信」、スズケン「2022年3月期決算短信」、東邦ホールディングス「2022年3月期決算短信」、トーカイ「2022年3月期決算短信」、メディカルシステムネットワーク「2022年3月期決算短信」、ファーマライズホールディングス「令和3年3月期決算短信」、シップヘルスケアホールディングス「2022年3月期決算短信」、メディカル一光「2022年2月期決算短信」
厚生労働省「令和2年度衛生行政報告例」「平成30年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」「調剤医療費(電算処理分)の動向の概要~令和2年度版~」

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