1. 薬キャリ 職場ナビ
  2. 特集
  3. 【2021年版】ドラッグストア 売上高ランキング

【2021年版】ドラッグストア 売上高ランキング

【最新!2022年版】ドラッグストア 売上高ランキングはこちらから

「2025年10兆円産業化」を掲げ、市場拡大を続けているドラッグストア業界。2020年度は、新型コロナウイルスの感染拡大への対応に追われた1年といっても過言ではないでしょう。各社は顧客ニーズの変化をどのように捉え、どんな取り組みをしたのでしょうか。さっそく、ドラッグストア業界の売上高ランキングをチェックしてみましょう!

売上高ランキング上位10社中7社が増収

順位 企業名 売上高(百万円) 対前年度比 店舗数
1 ウエルシアホールディングス 949,652 109.4% 2,217
2 ツルハホールディングス 919,303 109.3% 2,420
3 コスモス薬品 726,424 106.1% 1,130
4 スギホールディングス 602,510 111.2% 1,391
5 マツモトキヨシホールディングス 527,698 92.9% 1,764
6 サンドラッグ 422,251 98.8% 903
7 ココカラファイン 363,007 90.6% 1,461
8 クリエイトSDホールディングス 331,914 105.0% 921
9 クスリのアオキホールディングス 305,880 101.9% 728
10 カワチ薬品 284,492 105.2% 346

※各社の売上高と店舗数は、下記のセグメントで集計
マツモトキヨシホールディングス…小売事業 サンドラッグ、クリエイトSDホールディングス…ドラッグストア事業 ココカラファイン…ドラッグストア・調剤事業 その他の企業は単一セグメントのためセグメント分けなし
※店舗数は国内のみを集計
※ランキングは有価証券報告書提出企業と売上高を公表している企業で作成

増収の要因はコロナ影響と、新規出店戦略

ドラッグストア売上高ランキング2020年度版の第1位は、昨年に引き続きウエルシアホールディングスでした。全体でみると、上位10社中7社が増収。コロナ影響による処方箋枚数減少を受け10社中7社が減収となった調剤薬局ランキングと比べ、大手ドラッグストア企業ではコロナ影響による売上増収が多数となりました。
増収の要因はのマスク・衛生用品の高い需要が継続していること、“巣ごもり需要”による食品部門の売上増加、そして、積極的な新規出店が挙げられます。前年度から売上が大きく伸びた企業を見ると、前年度比110%以上の成長を記録したスギホールディングスでは、自社最高である121店舗の出店(純増数は104店舗)。前年度比109%代のウエルシアホールディングスは91店舗、ツルハホールディングス270店舗の純増でした。コロナ禍でも積極的に拡大戦略をとることで好成長を続けていることがわかります。
ここからは、売上高ランキング上位5社の出店戦略と、コロナ禍の影響およびその対応について詳しく見てみましょう。また、実際に各企業で働く薬剤師が、自社をどのように評価しているのかがわかるクチコミもご紹介します。

ランキング1位 ウエルシアホールディングス

売上高9,496億5,200万円

ドラッグストアブランド/法人名:ウエルシア薬局 / シミズ薬品 丸大サクラヰ薬局 / 金光薬品 / クスリのマルエ

出店戦略の特徴:積極的な新規出店で業績好調

ウエルシアホールディングスは前年度に引き続き、出店戦略として「M&Aを含む新規出店の推進」「調剤併設店の増加」に取り組みました。

2020年6月には群馬県でドラッグストア58店舗を運営するクスリのマルエ(群馬県前橋市)を、2020年7月には四国地方で調剤薬局10店舗を運営するネオファルマー(愛媛県四国中央市)と3店舗を運営するサミット(愛媛県新居浜市)を買収。全体では新規出店と合わせて91店舗の純増となりました。

こうした新規出店の貢献もあり、処方箋受付枚数はコロナ禍の影響を受けながらも前年度比102.0%と微増しました。処方箋単価はコロナ禍の影響で長期処方化が進み前年度比109.9%であり、積極的な拡大戦略が売上高の向上に大きく寄与しました。

コロナ禍の影響と対応:マスク・消毒および食品需要は高い状態を維持

コロナ禍での感染防止意識の高まりから、マスクや消毒等関連商材の需要は前年度から継続して高い状態を維持しており、医薬品全体の売り上げは前年度比109.4%でした。また、内食需要の高まりにより食品の売り上げも好調に推移し、前年度比112.7%となっています。

薬剤師のクチコミ

仕事のやりがい・教育体制

ウェルシアは調剤併設型とOTCメインのドラッグストアに配属になります。調剤併設型ドラッグストアでは、薬剤師は調剤薬局と同様の業務を担当します。患者さんから調剤したお薬の効果で病状が改善したという話を聞くと、仕事にやりがいを感じます。

福利厚生・職場環境

調剤に必要なシステムが整備されていて快適にしごとがおこなえる環境。また、近隣の調剤薬局や病院施設とも良好な関係を築いており、地域の医療に貢献している風土がある。

仕事のやりがい・教育体制

調剤併設ドラッグで、在宅にも力を入れていっています。経験が浅くても、リーダー群のバックアップも強力にあり、意欲があれば、様々なことに取り組ませてもらえます。

ランキング2位 ツルハホールディングス

売上高9,193億300万円

ドラッグストアブランド/法人名:ツルハドラッグ / くすりの福太郎 / レデイ薬局 / ツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本 / 杏林堂薬局 /  ビーアンドディー / ドラッグイレブン

出店戦略の特徴:ドラッグイレブン買収により九州地方で約200店舗増

ツルハホールディングスは2020年5月、九州地方を中心に228店舗のドラッグストアを運営するドラッグストアイレブン(福岡県大野城市)を買収しました。大型買収で九州地方での存在感を増すとともに、関東地方や東北地方にも積極的に出店。店舗数は全体で270店舗の純増となりました。調剤併設店舗の積極的な新規出店が奏功し、処方箋受付枚数は前年度比104.8%、処方箋単価は前年度比103.7%を記録。売上の伸長に貢献しました。

コロナ禍の影響と対応:デジタル戦略の推進

ツルハホールディングスでは、コロナ禍でのECサイト利用の増加を受けてスマートフォンアプリを軸とした顧客接点の拡大に取り組みました。商品検索・在庫確認機能の追加や顧客向けの動画コンテンツ配信などアプリの機能強化を推進し、会員数は350万人を突破しました。

薬剤師のクチコミ

仕事のやりがい・教育体制

調剤薬局だけでなくドラッグストアを併設しているので一般用医薬品を始め様々な商品を取り扱うので幅広い知識が要求されまずが、お客さんのニーズにあった情報提供をすることや求めに対して提案していくなどやりがいのある職場です。

社風・組織

薬剤師は医薬品の在庫管理や患者からの薬の相談業務を担当していました。商品陳列などの売り上げアップを目的とした業務は薬剤師以外の職員(店長等)が担当されており、医薬品業務とそれ以外の業務の役割分担がきっちりされていました。

仕事のやりがい・教育体制

ドラッグストア併設の調剤薬局だったので、調剤業務だけでなくOTC販売、特に1類の販売に力を入れており、海外からのお客様相手に奮闘しました。

ランキング3位 コスモス薬品

売上高7,264億400万円

出店戦略の特徴:ドミナント戦略で積極的に新規出店

コスモス薬品は2020年度、関東地区に18店舗、中部地区に25店舗、関西地区に13店舗、中国地区に8店舗、四国地区に4店舗、九州地区に10店舗の合計78店舗を新たに開店しました。特に関東地方では2019年度の7店舗から25店舗へと店舗数が3倍以上となっています。創立地の九州地方だけでなく、各地方に張った根が広がりつつある状況です。

コロナ禍の影響と対応:ローコストオペレーションの推進

値札の張替えや陳列作業が発生するディスカウント戦略は行わず、いつでも安心の低価格で販売する「毎日安い(Everyday Low Price)」戦略がコスモス薬品の特徴です。コロナ禍で個人消費が低調に推移していることを受け、さらなる低価格を実現するためコスト削減を実施。発注・納品作業の簡素化や、物流の平準化に取り組み「ローコストオペレーション」を進めました。

ランキング4位 スギホールディングス

売上高6,025億1,000万円

ドラッグストアブランド/法人名:スギ薬局

出店戦略の特徴:過去最高の新規出店数で売上を伸長

2020年度のスギホールディングスは、自社における最高出店数を更新し121店舗を新規出店。関東地方34店舗、中部地方34店舗、北陸地方21店舗、関西地方32店舗と、各地域にバランスよく店舗を増やしました。閉店数は17店舗、差し引き104店舗の純増となりました。

こうした新規出店の貢献もあり、面分業の強みを生かすことで処方箋受付枚数は前年度比102.7%と微増しました。処方箋単価はコロナ禍の影響で長期処方化が進み前年度比111.7%であり、積極的な新規出店戦略が売上の伸長に大きく寄与しました。

コロナ禍の影響と対応:巣ごもり需要で顧客の来店頻度が増加

衛⽣意識の高まりや、巣ごもりの高まりにより顧客の来店頻度が前年度比109.1%と大きく増加しました。コロナ禍で衛生用品や食品の需要は高い状態を維持しており、調剤を除いた物販部門売上高は前年度比110.9%でした。

薬剤師のクチコミ

企業分析

一部上場している企業なので、一般的に信頼される会社だと思われる。また、大きな負債もない会社で、これからどんどん店舗拡大しているので、従業員も新卒が多数毎年入社している企業としては将来性があると思われる。

仕事のやりがい・教育体制

薬剤師のスキルアップに関しては大変熱心な会社だと思います。かなり積極的に時間とお金をかけて実施していると思います。

社風・組織

薬剤師、店長、事務スタッフ、ビューティアドバイザー、栄養士、登録販売者、その他パートスタッフなどたくさんのメンバーで構成されています。

ランキング5位 マツモトキヨシホールディングス

売上高5,276億9,800万円

ドラッグストアブランド/法人名:マツモトキヨシ ( マツモトキヨシ東日本販売 / マツモトキヨシ甲信越販売 / マツモトキヨシ中四国販売 / マツモトキヨシ九州販売 / マツモトキヨシファーマシーズ / ぱぱす・ 示野薬局

出店戦略の特徴:和歌山県に出店により全都道府県を網羅

2020年度のマツモトキヨシホールディングスは、新規出店数は71店舗、閉店は24店舗であり、総店舗数は47店舗の純増でした。また、和歌山県に「薬マツモトキヨシキーノ和歌山店」をオープンしたことで、国内47都道府県の出店を達成しました。

しかしながら、強みであったインバウンド需要の取り込みがコロナ禍で低調のまま推移したことで、売上高は前年度比92.9%となりました。

コロナ禍の影響と対応:デジタル戦略の規模となる会員数の増加

マツモトキヨシホールディングスはコロナ禍でのECサイト利用の増加に伴い、デジタル化を推進。デジタル戦略の基盤として3076万人のポイントカード会員をデジタル会員に移行する取り組みを進めています。2021年3月時点でデジタル会員数は708万人と、前年度比で213万人の移行が進みました。

薬剤師のクチコミ

企業分析

開拓精神の強い社長さんの影響もあるか、全般的にあたらしいことをとりいれようとする雰囲気が管理職のひとにもあり、守りに入らない、フロンティアスピリッツ、攻撃の姿勢が…

仕事のやりがい・教育体制

病院研修・在宅医療研修・店舗勉強会など数多くのコンテンツを通して薬剤師としてスキルアップができるところが強みです。管理薬剤師・薬局長などそれぞれのライフプランに合わせたキャリアアップもバックアップしてくれます。

福利厚生・職場環境

店長以下 皆さん、やる気があふれています。朝から、晩まで、笑顔と大きな声で挨拶が交わされています。お客様にもすこぶる親切です。

売上6位以降の企業の薬剤師クチコミ

6位サンドラッグ

7位ココカラファイン

8位クリエイトエスディー

9位クスリのアオキ

10位カワチ薬品

今後のドラッグストア業界-マツキヨココカラ&カンパニーの動向に注目

外国人観光客のインバウンド需要の獲得に強みをもっていたマツモトキヨシホールディングスは、コロナ禍による外国人観光客減の影響が大きく、今年度の売上高ランキングでスギホールディングスの後塵を拝し5位となりました。

しかし、マツモトキヨシホールディングスとココカラファインは経営統合し、2021年10月より共同持ち株会社「マツキヨココカラ&カンパニー」が発足します。両社の売上高の合計は今年度1位のウエルシアホールディングスを上回ります。新たな1兆円規模の大企業の誕生が業界にどのような影響を与えるのか、動向から目が離せません。

大手ドラッグストア店舗数増加、総企業数は減少傾向が続く

2020年度のドラッグストア業界市場

日本チェーンドラッグストア協会によると、2020年度の業界市場規模(総売上高)は約8兆363億円(対前年度比104.6%)、店舗数は前年度より681店舗増えて2万1,248店舗(対前年度比102.9%)。その一方、ドラッグストアを展開する総企業数は388社と前年度より13社減少しました。大手チェーンドラッグストアを展開する企業では新規出店に加えて、M&Aによる店舗数増加に取り組んでおり、ドラッグストア業界全体としては「店舗数増、企業数減」が進んでいます。

売上高ランキング上位10社の市場占有率は売上高ベースで67.6%、店舗数ベースで62.4%でした。売上高ベースでは前年度から約0.3ポイント低下とほぼ横ばい、店舗数ベースでは前年度比プラス3ポイントであり、大手チェーン企業によるドラッグストア業界の寡占化は進んでいるといえます。

上位10社の市場占有率(売上高)

ドラッグストア売上高上位10社、売上の市場占有率

上位10社の市場占有率(店舗数)

ドラッグストア売上高上位10社、店舗数の市場占有率

大手ドラッグストア企業の占有率は拡大傾向

前述のように、ドラッグストア業界では大手企業による新規出店やM&Aが積極的に行われています。そのため、「業界全体」「上位10社の合計」は年々増加している一方、買収される側である「上位10社以外の合計」は徐々に減少していることがわかります。

ランキング上位10社のドラッグストア業界の売上高に占める占有率は2016年度の63.3%から2020年度は67.6%へと増大しています。

【上位10社の市場占有率(売上高)に推移】

上位10社の市場占有率(売上高)の推移グラフ

上位10社のなかでも成長が著しいのは、ウエルシアホールディングスとツルハホールディングス、そしてコスモス薬品です。

ウエルシアホールディングスは主な買収先として2016年7月にクスリのマルエ、2017年9月に丸大サクラヰ薬局、2018年3月に一本堂、2019年6月にB.B.O.N(ビビオン)など、毎年M&Aを実施し拡大戦略をとっています。その結果として、2016年度に6,231億円だった売上高は2020年度には9,496億円と約152.4%の成長を記録しています。

同様にツルハホールディングスも、2017年9月の杏林堂グループ·ホールディングス、2018年5月のビー·アンド·ディーホールディングスをはじめ積極的なM&Aを推進し、その売上高を大きく伸ばしました。売上高は2016年度5,275億円から2020年度9,193億円と159.3%の成長です。

コスモス薬品は、先の2社とは異なり自力出店により業績を伸ばしている企業です。創業地である宮崎県から九州地方全域をドミナント化すべく出店を重ねたのち、2010年に関西地方、2015年に中部地方、2019年に関東地方へ進出。売上高は2016年度5,027億円から2020年度7,264億円と144.5%の成長を達成しています。

【上位10社売上高推移】

上位10社売上高推移グラフ

上位10社のなかでも大きく店舗数を伸ばしたのは、売上高でも好成長を記録したウエルシアホールディングス、ツルハホールディングス、コスモス薬品です。ウエルシアホールディングスは5年間の増加率は144.7%で2020年度の店舗数は2,217店舗、ツルハホールディングスは137.8%の増加率で2,420店舗、コスモス薬品は136.6%の増加率で1,130店舗となっています。

そのほか、5年間で最も店舗数の増加率が大きかったのは、クスリのアオキホールディングスです。2016年度の386店舗から2020年度は728店舗と、その増加率は驚異の188.6%。同社は食品や生活用品が充実している、いわゆる“メガドラッグストア”を運営しています。コロナ禍の巣ごもり需要を追い風に店舗数·売上高の増加を続けており、今後の動向にも注目です。

【上位10社店舗数推移】

上位10社店舗数推移グラフ

今後求められるドラッグストア薬剤師像

ドラッグストア業界が薬剤師に求める役割は、顧客の健康に関する悩みのカウンセリングし、OTC医薬品やサプリメントの提案、受診勧奨など最適なアドバイスをすることです。コロナ禍で感染や予防に対して不安を感じる人が増えており、薬剤師のカウンセリング業務にかかる期待は高まっています。

顧客の悩みに応えられる豊富な薬学知識と、コミュニケーション能力の両方を備えた薬剤師が求められていくでしょう。
いまの職場に対する不安・不満や、キャリアプランに関するお悩みがある方は、お気軽に薬キャリエージェントのコンサルタントまでお問い合わせください。薬剤師専門の転職コンサルタントが、薬剤師一人ひとりのご経験・ご希望に沿った求人をご紹介します。

なお、薬キャリ職場ナビでは、勤務経験がある先生だからこそわかる、「給与・評価制度」や「仕事のやりがい・教育制度」「女性の活躍・働きやすさ」などのクチコミを募集しています。是非、いまのお勤め先についてのクチコミをお寄せください。

<参考>
ウエルシアホールディングス「2021年2月期決算短信」「2021年2月期決算説明会資料」、ツルハホールディングス「2021年5月期決算短信」「2021年5月期決算説明会資料」、コスモス薬品「2021年5月期決算短信」「月次営業速報に関するお知らせ」、マツモトキヨシホールディングス「2021年3月期決算短信」、スギホールディングス株式会社「2021年2月期決算短信」、サンドラッグ「2021年3月期決算短信」、ココカラファイン「2021年3月期決算短信」、株式会社クリエイトSDホールディングス「2021年5月期決算短信」、株式会社カワチ薬品「2021年3月期決算短信」、クスリのアオキホールディングス「2021年5月期決算短信」
日本チェーンドラッグストア協会「2020年度版 日本のドラッグストア実態調査(速報版)」

【関連記事】


人気記事ランキング

ピックアップ記事

おすすめ記事

薬剤師 の求人をお探しならコンサルタントにご相談ください

求人をお探しならコンサルタントにご相談ください
薬学生のための就活情報サイト 薬キャリ1st powered by m3.com