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転職前に知っておきたい!薬剤師の退職金事情

転職先を決める際、気になるのが退職金制度の有無。一方で「退職金って必ずもらえるものじゃないの?」と思った薬剤師の方も多いのではないでしょうか。
実は、退職金は法律で決められた制度ではありません。退職金制度の有無も、退職金の算出方法も企業によってさまざまなのです。

転職先の条件として「退職金制度があること」を挙げる薬剤師の方もいらっしゃると思いますが、注意していただきたいのが、退職金制度の有無だけでなく、基本給や賞与を含めたトータルの収入金額で比較する、ということ。
そこで今回は、退職金の有無と給与の違いによってトータルの収入金額にどれくらい差が出るのかをシミュレーションしてみました。
退職金制度について知識を深め、転職先を選ぶ際の参考にしてください。

転職前に知っておこう!退職金とは?

退職金とは、退職の際に支払われるお金のことです。先述の通り、退職金は法定福利厚生ではないため、制度の有無も算出方法も企業によって異なります。
しかし多くの場合、退職金の支払額を決めるのは下記のポイントです。

① 退職理由

自己都合で退職する場合と、会社都合で退職する場合とでは、支給額が異なります。自己都合よりも会社都合で退職する場合の方が、退職金が多く支給される傾向にあります。

② 勤続年数

支給額を大きく左右するのが勤続年数です。一般的に勤務年数が短い人よりも、長い人の方が多くの退職金を支払われます。また、調剤薬局やドラッグストアによっては退職金の受取資格として「勤続○年以上」と一定期間の勤務年数を設定しているケースもあります。
退職金の算出例:「勤続年数×指定額」
ベースとなる金額が決まっており、勤続年数に比例して退職金額が多くなるタイプです。

③ 基本給や役職など

基本給や役職も年金額を決定する大きな要素。当然、基本給が高い、高い役職にある方が、退職金も多く支払われることになります。
その他、在職中の功績が顕著だった社員には退職金が加算されるケースもあるようです。

退職金の算出例:「勤続年数×退職前6ヶ月間の平均給与×支給率」
勤続年数に加え、平均給与と支給率(役職などをポイントとして算定)の掛け合わせで算出するタイプです。

退職金の有無で異なる?30代で調剤薬局に転職する薬剤師2人の収入金額を比較

では次に、退職金の有無と給与の違いでトータルの収入金額がどれくらい変わるか、シミュレーションしてみましょう。
下記の表は、30代で調剤薬局に転職する薬剤師Aさんと薬剤師Bさんをモデルに、勤続年数に応じて支払われる年収と退職金を合わせた収入金額を比較したものです。

薬剤師Aさん・・・退職金制度がある調剤薬局に勤務。月給35万円。
薬剤師Bさん・・・退職金制度がない調剤薬局に勤務。月給36万円。

薬剤師Aさんと、薬剤師Bさんの5年間の収入金額はどれくらいの差がでるのでしょうか。

  薬剤師Aさん 薬剤師Bさん
入職時の月収 ¥350,000 ¥360,000
退職金の有無
初年の年収 ¥5,600,000 ¥5,760,000
5年で退職 5年間の年収合計 ¥28,852,695 ¥29,677,057
退職金 ¥557,216  
年収合計+退職金合計 ¥29,409,911 ¥29,677,057

薬剤師Bさんが + 267,146円

10年で退職 10年間の年収合計 ¥59,935,241 ¥61,647,677
退職金 ¥2,000,932  
年収合計+退職金合計 ¥61,936,174 ¥61,647,677

薬剤師Aさんが + 288,497円

15年で退職 15年間の年収合計 ¥93,419,972 ¥96,089,114
退職金 ¥3,233,359  
年収合計+退職金合計 ¥96,653,330 ¥96,089,114

薬剤師Aさんが + 564,217円

※諸条件※
薬剤師Aさん/薬剤師Bさん 共通
・昇給は毎年1.5%と想定
・ボーナスは各2ヶ月分×2回と想定
薬剤師Aさん 
・退職金は勤続年数×退職前6ヶ月の平均月収×支給率の方法で計算
・支給率は5年で30%,10年/15年で50%想定

[5年勤務した場合]

退職金がなく月収を多めに設定されている薬剤師Bさんの総額の方が薬剤師Aさんよりも267,146円上回っています。

[10年勤務した場合]

退職金のある薬剤師Aさんの総額が薬剤師Bさんを上回り、薬剤師Aさんの方が288,497円多く支給されます。

[15年勤務した場合]

薬剤師Aさんの総額は薬剤師Bさんよりも、564,217円も高くなります。

薬剤師Aさんと薬剤師Bさんとの比較から、退職金の有無によって同じ勤続年数でも総額が大きく変わってくることが分かりました。
一概に「退職金制度がある方がお得」と考えるのではなく、薬剤師としてのキャリアプランに則して、退職金のある職場or退職金のない職場を選択できると良いでしょう。薬剤師の転職先を考える際には、「長く働きたいなら⇒退職金のある職場」「3~5年で転職するなら⇒退職金のない職場」を選ぶのが賢い選択と言えそうです。

薬剤師にも確定拠出年金って必要?

「老後のことを考えると退職金だけでは不安…」という薬剤師さんに知ってもらいたいのが、福利厚生として導入している企業も多い確定拠出年金制度です。 確定拠出年金(「401K」)とは、公的な年金に上乗せでき、運用した資産を60歳以降に受け取れる制度のこと。確定拠出年金には、掛け金を企業が負担する「企業型」と、個人で拠出する「個人型」の2種類があり、運用次第で受け取れる金額は変わってきます。
確定拠出年金の魅力の一つが、税金対策の点です。掛け金が所得控除の対象となるだけでなく、運用して得た利益も非課税です。
転職する場合も、新しい就業先が確定拠出年金制度を取り入れていれば、これまでの掛け金を引き継ぐことができます。転職を考える際は、確定拠出年金制度の有無も確認しておきましょう。

薬剤師の転職先選びの一つの指標に!月収や年収だけじゃなく、退職金制度の有無もチェックしよう。

企業や個人によって支給の有無や金額が異なる退職金制度。一見、「退職金があった方が得られるお金が多い」と考えがちですが、薬剤師Aさん、薬剤師Bさんの事例をご紹介したとおり、トータルの金額で考えることが重要です。
例えば、「10年以上働きたい」「定年まで働きたい」という場合なら、月収が低めでも退職金制度のある調剤薬局やドラッグストアの方が、勤務年数トータルの収入金額は高くなるケースがあります。対して、「3年後には薬局を独立開業したい」「1年後にはUターンして地元のドラッグストアで働きたい」という場合には、退職金制度があっても支給対象者にならないケースもあるため、毎月の給与で比較するのがよいでしょう。

転職をしたいと考えたとき、つい月収や年収などに目が行きがちですが、退職金制度があるかどうかも企業選びの指標に加える事をオススメします。
しかし、トータルの収入金額を算出するのは手間がかかるもの。そんなときは、転職エージェントのコンサルタントに試算をお願いするのも一つの手。
転職はライフプランを検討するには絶好の機会です。長期的な視点で薬剤師としてのキャリアプランを立てましょう。

薬剤師の職場が見つかる職場ナビでは、転職エージェントへの転職相談や問い合わせにも対応しています。紹介する企業の退職金制度の有無や職場の環境についても、気軽にコンサルタントにお問い合わせください。


最後に、職場ナビに掲載している企業の中から、退職金制度のある企業を一部ご紹介します。

ウエルシア薬局株式会社
株式会社マツモトキヨシ
株式会社サンドラッグ
株式会社クスリのアオキ
株式会社富士薬品
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