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ドラッグストア 売上高ランキング(2017年版)

ドラッグストア業界トップは「ウエルシアホールディングス」

近年のドラッグストア業界の成長には目を見張るものがあります。現在、業界の市場規模は約6兆5,000億円(対前年度比105.6%)、店舗数は1万8,874店舗(同102.1%)にまで達しています。
市場拡大の一方で、業界を取り巻く環境は変化の渦中にあります。大手ドラッグストアによる中小ドラッグストアのM&A、コンビニエンスストアをはじめとする他業態の参入、医薬品のネット通販拡大……。当然、業界地図もその様相を大きく変えています。
さっそく、ドラッグストア各社の売上高ランキングをチェックしてみましょう!

◆ドラッグストア10社中9社が対前年比100%超の結果に!

順位 企業名
1
ウエルシアホールディングス
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
623,163 117.9 1,532

ウエルシア薬局シミズ薬品

2
ツルハホールディングス
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
577,088 109.4 1,755

ツルハくすりの福太郎ツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本レデイ薬局

3
マツモトキヨシホールディングス
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
516,147 99.8 1,555

マツモトキヨシぱぱすマツモトキヨシ東日本販売マツモトキヨシ甲信越販売マツモトキヨシ中四国販売マツモトキヨシ九州販売マツモトキヨシファーマシーズ示野薬局

4
コスモス薬品
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
502,732 112.4 827
5
スギホールディングス
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
430,795 103.8 1,048

スギ薬局

6
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
380,996 103.0 831
7
ココカラファイン
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
374,795 101.0 1,304

ココカラファインヘルスケア有限会社東邦調剤有限会社古志薬局

8
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
266,423 102.2 311
9
クリエイトSDホールディングス
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
247,341 106.7 541

クリエイトエス・ディー

10
クスリのアオキホールディングス
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
188,744 - 386

クスリのアオキ

※各社の売上高と店舗数は、下記のセグメントで集計
マツモトキヨシホールディングスは小売事業、サンドラッグ、クリエイトSDホールディングスはドラッグストア事業、ココカラファインはドラッグストア・調剤事業。その他は単一セグメントのためセグメント分けなし。
※店舗数は国内のみを集計
※ランキングは有価証券報告書提出企業と売上高を公表している企業で作成

ドラッグストア業界では、ランキング上位10社中なんと9社が前年度の売上高を上回る好成績。ランキング上位10社中6社が前年度を下回った調剤薬局業界とは対照的な結果となりました。
上位10社の中で唯一マイナス成長となったのが、3位のマツモトキヨシホールディングス(マツモトキヨシ)。さまざまな要因が考えられますが、1位のウエルシアホールディングス(ウエルシア)、2位のツルハホールディングス(ツルハ)と比較すると店舗の純増数に大きな差が見られます。ウエルシアが63店舗(出店101店舗、閉店38店舗)、ツルハが88店舗(出店125店舗、閉店37店舗)の純増であるのに対し、マツモトキヨシはわずか10店舗(出店97店舗、閉店87店舗)の純増。店舗規模拡大の方針が業績にも影響したといえそうです。
では、ここで売上高ランキング上位5社の経営成績についてその概要を見ていきましょう。

ランキング1位 ウエルシアホールディングス 売上高6,231億6,300万円

  • 24時間営業店舗を92店舗に拡大(2017年2月末時点)
  • 調剤併設率を向上し、全体の約7割に当たる1,025店を調剤薬局併設店舗として運営(2017年2月末時点)
  • 連結子会社のB.B.ONによる都市型ドラッグストアの出店
  • 2016年5月に群馬県を中心に展開するクスリのマルエと資本業務提携契約を締結
  • 2016年9月に連結子会社のウエルシア薬局が連結子会社のCFSコーポレーションを吸収合併し、業務効率化

対前年度比17%超と、業界屈指の成長を遂げたウエルシアは、「ドラッグ&調剤」「深夜営業」「カウンセリング営業」「介護」を柱とした「ウエルシアモデル」の確立を掲げています。今期にかけても調剤薬局併設店舗と24時間営業店舗の拡大を積極的に行い、既存店舗の売上高が好調に推移しました。
また、子会社のB.B.ONは、調剤待ちの女性客に向けてネイルサロンを併設するなど、新たな取り組みも注目を集めています。

ランキング2位 ツルハホールディングス 売上高5,770億8,800万円

  • カウンセリングを主体とした接客サービスの徹底(高付加価値商品のカウンセリング販売など)
  • 食品をはじめとする新たな商品カテゴリーの導入
  • プライベートブランドの価値向上
  • ドミナント戦略に基づく地域集中出店と、既存店舗のスクラップアンドビルドを実施

業界最大の店舗規模を誇るツルハは、特定地域に集中して多店舗展開を行うドミナント戦略が大きな特徴です。今期は東北地方32店をはじめ全国125店を出店。先述の通り88店の純増となり、売上高にも寄与しています。
また、プライベートブランドの「エムズワン」「メディズワン」について、品質改善に加えて視認性の高い新パッケージへのリニューアルを行ったほか、多品種の商品を並べることができるゴンドラじゅう器を導入した店舗改装も推進しました。

ランキング3位 マツモトキヨシホールディングス 売上高5,161億4,700万円

  • 「matsukiyo LAB」に代表される新ビジネスモデルの構築
  • かかりつけ薬局化、健康サポート薬局の認定取得など調剤事業の強化・拡大
  • 2016年12月にかかりつけ薬局をサポートする「調剤サポートプログラム」をスタート
  • プライベートブランドの充実およびメーカーとの共同企画品・専売品の展開を推進
  • 訪日外国人観光客向けの免税対応店を380店舗に拡大
  • グループ会員数(ポイントカード会員等)が延べ4,800万人を突破

マツモトキヨシはかかりつけ薬局化の推進や健康サポート薬局の認定の取得など、地域医療への貢献をめざした戦略を推進。その代表例でもある「matsukiyo LAB」では、薬剤師・管理栄養士・ビューティースタッフが常駐し、カウンセリングを通じて地域住民の美と健康をトータルサポートするヘルスケアサービスを提供しています。
一方、訪日外国人を対象としたサービスにも注力し、免税対応店の拡大とともにパスポートデータ分析による最適な品ぞろえの強化などを行っています。

ランキング4位 コスモス薬品 売上高5,027億3,200万円

  • EDLP(エブリデイ・ロー・プライス)の徹底
  • 物流や店舗作業の標準化による、さらなるローコストオペレーションの推進
  • 自社競合をいとわない積極的な新規出店
  • 新商勢圏への店舗網拡大

コスモス薬品の最大の特徴である「EDLP」は、物流の平準化に加え、POPやプライスカードの設置、陳列、発注といった店内作業を軽減することで販管費を抑え、常に「安心の低価格」を消費者に提供する戦略です。
今期は89店舗の純増数をマークし、特定地域に多店舗展開するドミナント戦略も取り入れながら徐々に商勢圏を拡大しています。

ランキング5位 スギホールディングス 売上高4,307億9,500万円

  • 2016年7月に愛知県大府市に中核機能を担う物流センター「大府センター」を竣工
  • 2016年9月に本部機能を大府センター内に移転し、より円滑かつ的確な意思決定ができる組織体制を構築
  • 店長や薬剤師などへの実践・実学研修を行う「社内大学(スギカレッジ)」を設置
  • 行政、民間団体、地元企業などの連携による「地域密着・深耕策」の推進

52店舗の純増により、大台の1,000店舗を超えたスギホールディングス。商品だけでなく店舗運営に必要となるもの全ての流通を担う総合物流センター「大府センター」を開設しました。併せて本部機能も同センター内に移転することで、組織間のコミュニケーションを活発化させ、「俊敏で密な組織運営」を実現する体制を整備しています。
そのほか、他社との差別的優位性を築くための人材育成にも注力。「店長コース」「ウエルネスコース」「キレイコース」など、社員が職域・ステージに応じて専門性を高めることができる「社内大学(スギカレッジ)」も設置しています。

 

上位10社の業界占有率は63%。大手の買収合戦はまだまだ続く!?

日本チェーンドラッグストア協会によると、2016年度のドラッグストア業界の市場規模(総売上高)は6兆4,916億円、総店舗数は1万8,874店舗(ともに推計)。総売上高、総店舗数ともに前年を上回る結果となった一方で、業界における総企業数は2004年以降一貫して減少しています。 続いて、今回のランキング上位10社に焦点を合わせると、10社の合計売上高は4兆1,082億円、店舗数は1万215店舗となり、市場占有率は売上高で54%、店舗数で63%。前回の調査(「ドラッグストア 売上高ランキング(2016年版)」)と比較すると、それぞれ2ポイント、1ポイント上昇しています。 企業数が減っているにもかかわらず、総売上高や総店舗数が右肩上がりであること、大手10社の占有率の上昇から、業務資本連携やM&Aなどによる生き残りをかけた業界再編は依然として続いていることがわかります。店舗規模拡大が企業の業績に大きく影響している以上、今後もこうした動きは継続していくといえそうです。

冒頭で述べたように、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなど他業態の参入も、競争激化の一因となっているドラッグストア業界。その追い打ちをかけるように、2017年4月、インターネットショッピングサイト大手のAmazonが第1類医薬品の取り扱いをスタートしました。近年、小売業界の販売シェアを拡大しているネット通販が、いよいよ医薬品業界にも本格的に参入してくることになります。こうした激変の波に流されないためにも、ドラッグストアは独自性と利便性の強化がこれまで以上に必要となってくるでしょう。

ドラッグストア上位10社の市場占有率(売上高)(店舗数) 全国ドラックストア総店舗数

 

今後のドラッグストアに求められる視点は「地域」と「健康」

日本チェーンドラッグストア協会は2017年3月、ドラッグストアの再成長を期すため加盟各社のトップクラスの役員の意見を聴取して取りまとめた、「次世代ドラッグストアビジョン」を策定しました。
当案では、地域住民の健康維持管理に寄与し信頼されるドラッグストアとして確立する「街の健康ハブステーション構想」を掲げています。具体的には、ドラッグストアが満たすべきサービスや商品、システムなどに加え、健康サポート機能についても業界基準を設け、基準を満たした店舗を「健康サポートドラッグ」として認定するという方針が出されました。
さらに、店舗やサービスに精通しているだけでなく、店舗内で解決できない相談について適切な地域の専門家、施設、事業者へと橋渡しができる人材を育成する「ドラッグストアコンシェルジュ制度」案も盛り込まれており、文字通り「次世代のドラッグストアのあり方」を示すものとして注目が集まっています。

先述したマツモトキヨシの「matsukiyo LAB」のように、ドラッグストア各社も、かかりつけ薬局やセルフメディケーションなど地域に根ざした健康サポートサービスに向けて動き出しており、他業態との差別化を進めています。2016年11月、ウエルシアと埼玉県が締結した「共助社会づくりのための協力に関する協定」のように、店舗内で完結するのではなく、行政や他企業との連携を含めた「街づくり」を意識した取り組みも見られます。健康サポートを通じて、いかに地域に根ざし住民から信頼されるドラッグストアとなっていくのか。2018年は「地域に必要とされる企業」が売上高ランキングを左右するキーワードとなりそうです。

参考:ウエルシアホールディングス株式会社「平成29年2月期決算短信」、株式会社ツルハホールディングス「平成29年度5月期決算短信」、株式会社マツモトキヨシホールディングス「平成29年3月期決算短信」、株式会社コスモス薬品「平成29年5月期決算短信」、スギホールディングス株式会社「平成29年2月期決算短信」、株式会社サンドラッグ「平成29年3月期決算短信」、株式会社ココカラファイン「平成29年3月期決算短信」、株式会社カワチ薬品「平成29年3月期決算短信」、株式会社クリエイトSDホールディングス「平成29年年5月期決算短信」、株式会社クスリのアオキホールディングス「平成29年5月期決算短信」

2016年度版日本のドラッグストア実態調査(日本チェーンドラッグストア協会)

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