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調剤薬局 売上高ランキング(2017年版)

「アインホールディングス」が売上高1位を獲得

2016年度調剤報酬改定では、「患者のための薬局ビジョン」の具現化に向けて、「かかりつけ薬剤師・薬局」の評価や算定要件が具体的に定められたほか、いわゆる門前薬局など特定医療機関の処方箋が集中している調剤薬局の評価が引き下げられました。
また、薬価改定においても、膨張する社会保障費の抑制のために過去最大の引き下げが行われました。
こうした行政の一連の動きによって、2016年度は多くの調剤薬局が減収減益となり、これまで右肩上がりの成長を続けてきた大手調剤薬局チェーンも、各社苦戦を強いられました。
それでは、さっそく調剤薬局各社の売上高ランキングをチェックしてみましょう!
(最新!2019年版の調剤薬局 売上高ラキングはこちらから

◆多数の調剤薬局チェーンが売上高で前年度割れ

順位 企業名
1
アインホールディングス
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
221,801 105.1 1,066

アインファーマシーズあさひ調剤葵調剤アインメディオメディオ薬局ダイチク

2
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
189,327 99.2 557
3
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
168,095 102.8 756
4
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
120,620 104.6 696

共栄堂アルファームフクシメディカル有限会社ユニメディカル有限会社メディスト琉球クオール

5
スズケン
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
97,786 94.8 612

ファーコスエスマイル

6
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
96,337 100 674

総合メディカル・ファーマシー中部祥漢堂タイコー堂薬局本店あおば調剤薬局みよの台薬局グループヤタヤ薬局有限会社ファーマシステムズ有限会社ケイエスメディスン

7
東邦ホールディングス
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
95,807 95.8 748

ファーマみらいファーマダイワベガファーマ青葉堂

8
メディカルシステムネットワーク
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
81,650 99.6 386

サンメディック共栄ファーマシーシー・アール・メディカルトータル・メディカルサービス

9
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
56,909 97.3 317
10
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
42,346 113.7 249

北海道ファーマライズ新世薬品エシックスファーマライズテラ・ヘルスプロモーション双葉

※各社の売上高と店舗数は、下記のセグメントで集計
アインホールディングスは医療事業、日本調剤、東邦ホールディングス、メディカルシステムネットワーク、アイセイ薬局は調剤薬局事業、クオール薬局、スズケンは保険薬局事業、総合メディカルは薬局部門、ファーマライズホールディングスは調剤サービス
※ランキングは有価証券報告書提出企業と売上高を公表している企業で作成

調剤薬局 売上高ランキング上位10社のうち半数以上の6社が前年度の売上高を下回る結果となりました。
売上げが減少した企業が多いなか、1位のアインホールディングス、4位のクオールなど、対前年度比100%以上の成長をマークしている企業の共通点として挙げられるのが、総店舗数の純増による事業規模拡大です。
それぞれアインホールディングスは185店舗(出店209店舗、閉店24店舗)、クオールは133店舗(出店143店舗、閉店10店舗)の純増。事業譲渡やM&Aなどを含め積極的な拡大戦略をとった企業が好成績を収めました。
では、次に売上高ランキング上位5社の2016年度の業績概況をご紹介します。

ランキング1位 売上高2,218億100万円 アインホールディングス

  • 2016年12月に全国115店舗を展開する葵薬局のM&Aを行うなど、積極的な事業拡大
  • 「「かかりつけ薬剤師・薬局」としての積極的な取り組みを実施。(在宅医療をはじめとする地域医療との連携、お薬手帳などを使った薬剤情報の一元・継続管理など)
  • 新卒薬剤師を307人採用、かかりつけ薬剤師の育成
  • 都市型ドラッグストア「アインズ&トルペ」の出店

第1位は、昨年に引き続きアインホールディングスでした。在宅医療やお薬手帳の活用といった行政が求める「かかりつけ薬剤師・薬局」機能の充実を図っています。また、葵調剤を子会社化したことで、調剤薬局店舗数は大台の1,000店舗を突破。こうした事業規模拡大も対前年度比105.6%という順調な成長につながった要因の一つだと考えられます。そのほか、美容と健康をテーマにした「アインズ&トルペ」など、主に働く女性をターゲットとした調剤薬局併設型のドラッグストア展開にも注力しています。

ランキング2位 売上高1,893億2,700万円 日本調剤

  • 2016年10月に、合同会社水野をM&A
  • 在宅医療の実施店舗95.1%を実現
  • ジェネリック医薬品の使用促進を強化
  • 電子お薬手帳「お薬手帳プラス」の登録会員数が15万人突破

第2位の日本調剤は、在宅医療への取り組みとして在宅患者訪問薬剤管理指導と居宅療養管理指導の実施店舗が約95%と高水準。また、2016年10月には合同会社水野のM&Aを行い大きな話題となりました。合同会社水野は日本で初めて調剤薬局を開設し、80年代には薬歴のIT化に乗り出すなど、先進的な業務体制を追及してきた企業。このノウハウを日本調剤の既存店舗に活用し、効率化を図る戦略です。16年度は前年度からわずかに減収となったものの、次年度に両社が生み出すシナジーに注目が集まります。

ランキング3位 売上高1,680億9,500万円 クラフト

  • M&Aを含む調剤薬局の店舗数増加
  • 「24時間処方箋応需体制」の強化
  • 市民講座の開催など、処方箋がなくても立ち寄れる調剤薬局づくりの推進

第3位は「さくら薬局」を展開するクラフト。さくら薬局の大きな特徴は、夜間救急医療に対応した、24時間処方箋応需体制の整備です。現在では、すべての店舗で24時間電話応対を実施しており、そのうち20店舗では地域と連携して、夜間救急対応を輪番で担っています。2016年度調剤報酬改定、薬価改定の影響を受けたものの、M&Aによる規模拡大で対前年度比102.8%を達成しました。

ランキング4位 売上高1,205億9,600万円 クオール

  • 「駅チカ」「駅ナカ」調剤薬局の展開
  • ジェネリック医薬品の使用促進
  • 新規出店やM&Aによる積極的な店舗数拡大

第4位となったクオールは、2016年度売上高が前年度を上回った数少ない企業の1つ。新規出店18店舗に加え、事業譲渡14店舗、M&A111店舗と、さまざまな手段で積極的に事業拡大に乗り出し成果をあげました。
また、JR西日本と連携し駅構内に調剤薬局を開設する「駅ナカ」薬局など、新たな業態の開発にも注力しています。

ランキング5位 売上高977億8,600万円 スズケン

  • 無菌調剤室を近隣の調剤薬局にも貸し出すなど、地域との連携強化
  • スマートフォンで撮影した処方箋を薬局に送れる「E PARKファスパ」
  • 在宅医療への参画など「かかりつけ薬剤師・薬局」機能の強化

5位のスズケンは「誰もが健康に過ごせる地域社会づくり」を掲げ、在宅医療の実施などに注力しています。患者に対するサービスに加えて、無菌調剤室を備えた一部の店舗では、投資できる体力がない中小規模の調剤薬局も利用できるような協力体制を構築するなど、文字通り「地域を支える調剤薬局」として活躍しています。

 

上位10社の売上高占有率はわずか10%。中小規模薬局の多さが背景に

厚生労働省によれば、2015年度の調剤医療費は7兆8,745億円、薬局数は5万8,326件です。これに対して、調剤薬局売上高ランキング上位10社の合計売上高は1兆1,701億4,800万円、合計店舗数は5,647店舗。上位10社が市場に占める割合は売上高15%、店舗数10%となっています。
前回の調査(「調剤薬局売上高ランキング(2016年版)」)と比べて、上位10社の市場占有率は売上高がマイナス1ポイント、店舗数がプラス1ポイントとなりました。

店舗数の占有率上昇は、大手調剤薬局チェーンによる新規出店やM&Aといった事業拡大戦略によるものと考えられます。一方、店舗数増加にもかかわらず売上高の占有率が低下したのは、2016年度調剤報酬改定における調剤基本料の評価基準変更や、薬価改定の大幅な引き下げが主な要因でしょう。

調剤薬局上位10社の市場占有率(売上高)(店舗数)

 

「かかりつけ」機能を担えない薬剤師・薬局は生き残れない

現在、中央社会保険医療協議会(中医協)では2018年度調剤報酬改定の議論が進んでいます。
2016年度改定は、いわゆる「門前薬局」の評価を引き下げ。また基準調整加算を統合したうえで、施設基準に「かかりつけ薬剤師指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料に係る届出を行っていること」を新設するなど、「かかりつけ」機能の強化を明確に打ち出し、それに対応できない事業所は大きく減算になる厳しい内容でした。
2018年度改定においても、よりいっそう地域包括ケアシステムの構築を推進していくため、行政は「患者のための薬局ビジョン」に沿った機能転換を促していくことが既定路線といえるでしょう。
調剤報酬全体としては厳しい内容の改定が続く見込みですが、「健康サポート薬局」認定などを含む、「かかりつけ機能」「健康サポート機能」に関する一部の項目ではプラス改定となる可能性は考えられます。
いずれにせよ、調剤薬局各社が継続的に成長していくためには、地域に根差し、地域から必要とされる調剤薬局になることが不可欠です。調剤薬局に勤める薬剤師についても、かかりつけ薬剤師になるために必要な認定薬剤師の資格取得はますます重要になっています。
一方で、かかりつけ薬局の認定に必要な、在宅医療の実施や24時間開局への対応に対して、「人員が足りず在宅医療実施は困難」「24時間は対応しきれない」といった中小調剤薬局の経営者の声も聞こえています。そうした薬局が大手調剤薬局チェーンに身売りするケースも増えており、業界はさらなる変容を遂げていくでしょう。
病院やクリニックの門前でのんびりしているだけでよかった時代は過去のもの。特定の医療機関と蜜月の関係を築くのではなく、地域社会のなかで自分たちに何ができるのかという視点が求められています。次年度の各社の施策がどのように売上高につながっていくのか、今後も目が離せません。

参考資料:アインホールディングス「平成29年4月期決算短信」、日本調剤「平成29年3月決算短信」、クオール「平成29年3月期決算短信」、スズケン「平成29年3月期決算短信」、2017年3月期スズケングループ統合報告書、総合メディカル「平成29年3月期決算短信」、東邦ホールディングス「平成29年3月期決算短信」、メディカルシステムネットワーク「平成29年3月期決算短信」、ファーマライズホールディングス「平成29年3月期決算短信」

厚生労働省「平成27年度衛生行政報告例」「平成26年医師・歯科医師・薬剤師調査の概況」

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