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ドラッグストア 売上高ランキング(2018年版)

ドラッグストア業界売上高1位はウエルシアホールディングスが死守

ドラッグストア業界では調剤薬局併設型ドラッグストアをはじめ、薬剤師の専門性を生かした働き方ができる企業が増えており、薬剤師の就職先として年々存在感を増しています。
日本チェーンドラッグストア協会によると、2017年度の業界市場規模(総売上高)は約6兆8,504億円(対前年度比105.3%)。2016年度から2年続けて5ポイント以上の伸びをみせ、7兆円に迫る勢いです。
コンビニエンスストアやネット販売など他業態の参入、低価格競争の激化といった困難は、ドラッグストア各社の業績にどのような影響を与えたのでしょうか。さっそく、ドラッグストア業界の売上高ランキングをチェックしてみましょう!
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◆ドラッグストア売上高ランキング上位10社は全社増収

順位 企業名
1
ウエルシアホールディングス
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
695,268 111.6 1,693

ウエルシア薬局シミズ薬品

2
ツルハホールディングス
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
673,238 116.7 1,931

ツルハくすりの福太郎ツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本レデイ薬局株式会社杏林堂薬局

3
コスモス薬品
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
557,999 111.0 912
4
マツモトキヨシホールディングス
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
538,408 104.3 1,604

マツモトキヨシぱぱすマツモトキヨシ東日本販売マツモトキヨシ甲信越販売マツモトキヨシ中四国販売マツモトキヨシ九州販売マツモトキヨシファーマシーズ示野薬局

5
スギホールディングス
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
457,047 106.1 1,105

スギ薬局

6
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
400,019 105.0 861
7
ココカラファイン
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
388,482 103.7 1,322

ココカラファインヘルスケア有限会社東邦調剤有限会社古志薬局

8
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
268,205 100.7 329
9
クリエイトSDホールディングス
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
266,233 108.5 744

クリエイトエス・ディー

10
クスリのアオキホールディングス
売上高(百万円) 前年度比(%) 店舗数(店)
221,286 117.2 458

クスリのアオキ

※各社の売上高と店舗数は、下記のセグメントで集計
マツモトキヨシホールディングスは小売事業、サンドラッグ、クリエイトSDホールディングスはドラッグストア事業、ココカラファインはドラッグストア・調剤事業。その他は単一セグメントのためセグメント分けなし。
※店舗数は国内のみを集計
※ランキングは有価証券報告書提出企業と売上高を公表している企業で作成

ドラッグストア売上高ランキング2018年版の第1位は、ウエルシアホールディングス(HD)で売上高は6,952億6,800万円。今年で3年連続の1位達成です(詳細は「ドラッグストア売上高ランキング2016年版」「ドラッグストア売上高ランキング2017年版」をご覧ください)。業界2位のツルハHDは杏林堂グループ・HDのM&Aをはじめ積極的な拡大戦略で猛追していましたが、ランキング1位には一歩届きませんでした。

ドラッグストア業界は売上高ランキング上位10社すべてが増収。なかでも、ウエルシアHD、ツルハHD、コスモス薬品、クスリのアオキHDの4社は2016年度から売上高が10%以上増加しました。 2017年版に唯一マイナス成長を記録していたマツモトキヨシHDは対前年度比104.3%の増収。かつて22年間保ちつづけた首位の座に再び返り咲くことはできるのか、2018年度の業績に注目が集まります。
それでは、ここで売上高ランキング上位5社の経営成績についてその概要を見ていきましょう。

ランキング1位 ウエルシアホールディングス 売上高6,952億6,800万円

  • ウエルシアモデルの推進
  • 24時間営業店舗を135店舗に拡大(2018年2月末時点)
  • 調剤薬局併設型店舗を1,160店舗に拡大(2018年2月末時点)
  • 丸大サクラヰ薬局を子会社化

ウエルシアHDは、「調剤薬局併設型ドラッグストア」「カウンセリング」「深夜営業」「介護」をサービスの軸とする「ウエルシアモデル」を展開。多様な顧客ニーズに応える調剤併設型ドラッグストアを目指しています。
2017年度は24時間営業の店舗数が100の大台を超え、135店舗へと大きく拡大。調剤薬局併設型店舗は全体の約7割を占めるなど、行政が求める「かかりつけ薬局」化を推進しています。
2017年9 月には東北地方に調剤薬局・ドラッグストアを展開する丸大サクラヰ薬局をM&A。これまで同社の空白地帯となっていた青森県、秋田県、岩手県への進出を果たしました。

ランキング2位 ツルハホールディングス 売上高6,732億3,800万円

  • カウンセリングを主体とした接客サービスの徹底
  • 杏林堂グループ・ホールディングスをM&A
  • ドミナント戦略に基づく地域集中出店と、既存店舗のスクラップアンドビルドを実施
  • プライベートブランド「エムズワン」「メディズワン」の品質向上

「しんせつ第一」をモットーに、カウンセリングを主体とした接客サービスが特徴のツルハHD。2017年9月には静岡県で調剤薬局・ドラッグストアを展開する杏林堂グループ・HDを買収し、業界首位のクリエイトHDと順位交代があるのではと、多くの関心を集めました。
新規出店にも注力し、店舗の純増数は今回のランキングで1位の176店舗。特定の地域に集中的に出店するドミナント戦略により、売上高も大きく伸ばしました。

ランキング3位 コスモス薬品 売上高5,579億9,900万円

  • 「小商圏型メガドラッグストア」を展開
  • EDLP(エブリデイ・ロー・プライス)の推進
  • 高い顧客満足度を維持

九州地方を中心に「小商圏型メガドラッグストア」を展開するコスモス薬品。医薬品だけでなく、多様な日用品を安価で提供している点が特徴です。
豊富な品揃えと低価格化の推進により、産業生産性協議会の調査では7年連続でドラッグストア業界顧客満足度1位を獲得。2017年度の売上高は前年対比110.0%と高い成長を記録しました。
コスモス薬品は出店エリアを関西地方、中国地方にも拡大。精力的に規模拡大に乗り出しており、ドラッグストア業界3位からの躍進に注目が集まっています。

ランキング4位 マツモトキヨシホールディングス 売上高5,384億800万円

  • 健康サポート薬局の認定に注力
  • 免税対応店舗を528店舗に拡大
  • パスポートデータを活用した品ぞろえの最適化
  • プライベートブランドで広告賞を受賞

マツモトキヨシHDは、医薬品以外の健康相談にも対応できる「健康サポート薬局」の認定を推進。2018年3月時点で15店舗が認定を受けました。
また、訪日観光客のインバウンド需要に対しても積極的にサービスを展開。ホテル内への出店をはじめ、免税対応のドラッグストアを昨年度380店舗から528店舗へと一気に拡大しました。
そのほか、プライベートブランド「matsukiyo」のトイレットペーパーが、世界的な広告賞「クリオ賞」で入賞。デザインを含め、プライベートブランドの品質向上に取り組んでいます。

ランキング5位 スギホールディングス 売上高4,570億4,700万円

  • 地域密着・深耕策の推進
  • 後発医薬品の利用促進、特定疾患の啓もう活動など「処方箋応需枚数増加策」の実施
  • 調剤業務支援機器の導入
  • 高齢者雇用制度「シルバーアソシエイツ制度」を実施

「地域医療対応型ドラッグストア」を掲げるスギHDは、「予防」「未病」に対する取り組みが特徴的。2017年度は行政や地元企業と連携し、ウォーキング大会やがん検診などにと取り組みました。
また、積極的に調剤業務支援機器の導入を進め、業務を効率化。服薬指導や健康相談にかける時間を増やし、対物業務から対人業務への転換を進めています。
こうした地域貢献活動や対人業務を通してスギHDの「ファン」を増やしながら、お薬手帳の活用や後発医薬品の啓もうも実施。結果として、売上高の向上につながっています。

 

ドラッグストア大手10社の売上高占有率は約3分の2に!

ドラッグストア業界は、大手チェーンを中心にM&Aや新規出店が進んでおり、総店舗数は増加する一方で、総企業数は減少しています。2017年度もその傾向は変わらず、総店舗数は前年度より660店舗増えて1万9,534店舗、総企業数は15社減って416社でした。

売上高ランキング上位10社の市場占有率は売上高ベースで65%、店舗数ベースで56%。ともに前年度よりも2ポイントずつ上昇しており、M&Aによる業界の寡占化は今後もしばらく進んでいく見込みです。
これまで九州地方を中心に展開していたコスモス薬品が関西地方、中国地方に積極的に展開したり、中部地方で展開していたクスリのアオキが千葉県進出を宣言したりと、競争が激化する兆しはすでに見えています。今後もランキング上位10社をはじめドラッグストア各社の動向に注目が集まるでしょう。

ドラッグストア上位10社の市場占有率(売上高) ドラッグストア上位10社の市場占有率(売上高) ドラッグストア上位10社の市場占有率(店舗数) 全国ドラックストア総店舗数

 

ドラッグストア業界の目標は「2025年に市場規模10兆円」

日本チェーンドラッグストア協会は2017年3月に「次世代ドラッグストアビジョン」を掲げ、地域住民の身近な健康相談窓口としての機能を重視してきました。
2017年度は、調剤薬局併設型ドラッグストアや、24時間対応店舗の拡大、地方自治体や地元企業と連携した健康イベントの開催など、地域住民の健康サポートに資する取り組みが広まりました。

こうしたなか、2018年3月に日本チェーンドラッグストア協会は、経済産業省と共同で「ドラッグストア スマート化宣言」を発表。
新たに2025 年に市場規模10兆円、総店舗数3万店舗を目標に掲げ、その実現に向けてAIツールによる業務のスマート化を進めていくことを宣言しました。
具体的には、2018年中にドラッグストアにおける電子タグを用いた実証実験「成長戦略プロジェクト」を実施、2025年までにすべての取扱商品に電子タグを実装し、棚卸しの自動化や会計の効率化を進める計画です。これによりドラッグストアの従業員・薬剤師を単純作業から解放し、専門性の高い業務に当てることでサービスの質を高める目論見です。さらに、電子タグなどから得たデータを用いて新商品の開発などにも繋げる意向です。

2018年のドラッグストア業界は、これまでの健康サポート機能の充実に加えて、「AIツール」導入による業務効率化という新しい視点が加わりました。
AIツール導入にはハード面での投資が必要ですが、そこから収集するデータや効率化による生産性向上が売上高に大きく資する可能性もあります。ドラッグストア各社がどのような業務を効率化し、どのような付加価値を生み出して他社との差別化を図るのか、目が離せません。

<参考>ウエルシアホールディングス株式会社「平成30年2月期決算短信」、株式会社ツルハホールディングス「平成30年度5月期決算短信」、株式会社マツモトキヨシホールディングス「平成30年3月期決算短信」、株式会社コスモス薬品「平成30年5月期決算短信」、スギホールディングス株式会社「平成30年2月期決算短信」、株式会社サンドラッグ「平成30年3月期決算短信」、株式会社ココカラファイン「平成30年3月期決算短信」、株式会社カワチ薬品「平成30年3月期決算短信」、株式会社クリエイトSDホールディングス「平成30年年5月期決算短信」、株式会社クスリのアオキホールディングス「平成30年5月期決算短信」
2016年度版日本のドラッグストア実態調査(日本チェーンドラッグストア協会)

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