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【最新!2023年版】調剤薬局 売上高ランキング

薬剤師なら知っておきたい調剤薬局の最新の売上高ランキング。この記事では、調剤薬局業界全体の市場規模や上位10社の市場占有率、今後の業界動向についても解説します。新型コロナウイルス感染症による受診控えが緩やかになり、2022年度は処方箋受付枚数がコロ前近くの水準まで戻りました。売上の大部分を保険調剤が占める調剤薬局業界においては、コロナ禍という厳しい“冬”の時代を抜けたと言えるかもしれません。
では、調剤薬局業界における最新の売上高ランキングをチェックしてみましょう。

2023年版調剤薬局売上高ランキング表

順位 企業名 売上高(百万円) 対前年度比 店舗数
1 アインホールディングス 321,577 113.6% 1,209
2 日本調剤 280,161 105.5% 718
3 クオール 155,370 101.5% 892
4 メディカルシステムネットワーク 104,366 102.9% 428
5 東邦ホールディングス 92,346 100.6% 543
6 スズケン 87,742 98.8% 577
7 トーカイ 49,334 106.0% 149
8 ファーマライズホールディングス 42,327 100.7% 300
9 シップスヘルスケアホールディングス 30,499 105.4% 123
10 メディカル一光 23,094 101.6% 95

*各社の売上高と店舗数は、下記のセグメントで集計
アインホールディングス…ファーマシー事業  日本調剤、東邦ホールディングス、トーカイ、ファーマライズホールディングス、シップヘルスケアホールディングス、メディカル一光…調剤薬局事業  クオールホールディングス、スズケン…保険薬局事業  メディカルシステムネットワーク…地域薬局ネットワーク事業
*ランキングは有価証券報告書提出企業と売上高を公表している企業のみで作成

【2023年版】調剤薬局売上高ランキング

処方箋受付枚数がコロナ前近くの水準に戻り、増収基調

調剤薬局売上高ランキング2023年版の第1位は、アインホールディングスでした。

ランキング全体では10社中9社が増収となりました。増収の大きな要因は、コロナ禍に減少した患者の受診行動が回復してきたことです。厚生労働省の調査によれば2020年度に約7億6,500万枚まで減った処方箋枚数が、2021年度には8億枚の大台に戻りました。その後も処方箋枚数は増加傾向であり、多くの企業で処方箋受付枚数がコロナ前の水準近くまで回復したことが増収に寄与しました。

ここからは、調剤薬局売上高ランキング上位3社の今年度の業績について見てみましょう。各企業の説明文下部に「薬剤師クチコミ評価を見る」では、実際にこれらの薬局チェーンで勤務経験のある薬剤師のクチコミを閲覧できます。

ランキング1位 アインホールディングス
売上高3,215億7,700万円

薬局ブランド/法人名:アインファーマシーズ / あさひ調剤 / 葵調剤 / アインメディオ / コム・メディカル / メディオ薬局 / ダイチク / 西日本ファーマシー / アイン信州 / 株式会社ファーマシィ

売上高ランキングの先頭を走るアインホールディングスは、積極的なM&Aを行うことが特徴のひとつです。2022年5月には、全国で調剤薬局事業を展開するファーマシィホールディングスの約100店舗をグループに迎え話題となりました。M&Aを含めたグループ全体での2022年度の店舗純増数は110店舗で、薬局総数は1,209店舗となりました。これらの拡大戦略が奏功し、売上高は3,215億7,700万円を達成。調剤薬局業界の中で唯一の3,000億円代を記録し、堂々の一位でした。

薬剤師のクチコミ

出産・育児・介護発生時の労働環境

産休育休から復帰して働くママ薬剤師が各店舗に1〜4名おり、急な休みにもエリア内で助け合い応援にかけつける制度があります。突然の保育園からの呼び出しにも、お互い様の空気...

ランキング2位 日本調剤
売上高2,801億6,100万円

薬局ブランド:日本調剤

日本調剤も他社の例に漏れず、処方箋受付枚数の回復と店舗数の拡大により増収を達成しました。そのほか日本調剤の特徴的な取り組みは、「後発医薬品使用割合の促進」と「在宅医療実施店舗の拡大」です。

後発医薬品の数量ベース使用割合は全社平均89.3%(供給停止品目などを算出対象から除外して計算)と、全国平均79.9%から約10ポイント高い状態です。また、在宅医療実施店舗の割合は97.2%(年間12件以上実施の店舗割合)と驚異的な水準を達成しています。こうした調剤報酬上で評価されている業務の体制整備も増収に貢献し、前年度比105.5%の2,801億6,100万円の売上を記録しました。

薬剤師のクチコミ

キャリア・教育体制・研修制度

研修制度はしっかりしていると思います。ネットでの研修は頻繁にあり、パートでも受講が義務づけられているので、きちんと受講していれば最新の知識を身に付けることができます。新入社員には...

ランキング3位 クオールホールディングス
売上高1,553億7,000万円

薬局ブランド/法人名:クオール薬局 / 共栄堂 / アルファーム / ニチホス / フクシメディカル / あいファーマシー / セラ・メディック / ファルマスター / 琉球クオール

2022年度のクオールホールディングスは、店舗純増数が58店舗で892店舗となりました。調剤事業では「在宅・施設調剤」を注力分野として掲げており、在宅調剤の全店実施に向けた取り組みや在宅専門店舗の運営も開始しました。介護施設運営企業、在宅医療法人と医療介護連携会を実施するなど、地域連携にも積極的に取り組んでいます。他社と同様、処方箋枚数受付の回復も追い風となり、2022年度の売上高は1,553億7,000万円 (前年度比101.5%)となりました。

薬剤師のクチコミ

勤務時間・残業時

勤務時間はシフト制で、基本8時間労働、その間に1時間休憩を挟みます。早番や遅番があり、早番は8時45分から、遅番は19時までです。残業時間は薬局によると思いますが、...

ランキング4位 メディカルシステムネットワーク
売上高1,043億6,600万円

薬局ブランド/法人名:なの花薬局(なの花北海道 / なの花東北 / なの花東日本 / なの花中部 / なの花西日本 / トータル・メディカルサービス / 永冨調剤薬局

薬剤師のクチコミ

評価制度

定期的な昇給の他に店舗の売上などに応じて臨時ボーナスがあります。みんなで店舗を盛り上げ売上に貢献すればしっかり評価してくれます。ポジションによって、...

ランキング5位 東邦ホールディングス
売上高923億4,600万円

薬局ブランド/法人名:ファーマみらい / スター・システム / セイコーメディカルブレーン株式会社 / 明徳ケアワーク / オージープラン / 青葉堂 / 社厚生 / ベガファーマ / セイコーメディカルブレーン /ファーマダイワ / ヴェルデ / ストレチア

薬剤師のクチコミ

社員の雰囲気・風通し

調剤薬局ですが、離職率は低く、産休もしっかりとれています。ギスギスしたところはなく、出社にストレスを感じる事もありません。仕事の重さを考えたら十分な...

〈 6位以降企業のクチコミ 〉

2022年度の調剤薬局業界

占有率は低めだが、中小企業はDX化への投資が課題か

厚生労働省によると、2022年度の調剤医療費は約7兆8,332億円、薬局数は6万1,791件です。調剤薬局売上高ランキング上位10社の合計売上高は1兆1,868億円、合計店舗数は4,491店舗でした。上位10社の市場に占める割合は売上高15.2%、店舗数8.1%です。当ランキングでは上場企業に絞ってランキングを作成しており、クラフトやアイセイ薬局といった非上場の大手チェーンは含まれていませんが、ドラッグストア業界 に比べると中小企業の存在感がある業界と言えそうです。

ただし近年は「薬局のDX化」が注目されており、2023年には電子処方箋の運用も開始されました。電子処方箋は順調に普及が進んでいるとは言い難いですが、こうしたICT化が後退することは考えにくく、企業規模を問わずハード面への投資が求められるようになるでしょう。資金繰りが苦しい薬局にとってはこうした負担が重くのしかかり、体力のある大企業による寡占化が進む可能性もあります。

【上位10社の占有率(売上高)】

調剤薬局売上高上位10社、売上の占有率

【上位10社の占有率(店舗数)】

調剤薬局売上高上位10社、店舗数の占有率

大手チェーン調剤薬局の動向

電子処方箋の運用開始やオンライン服薬指導の普及など、DX化が進む

前段の繰り返しになりますが、電子処方箋の運用開始やオンライン服薬指導の普及により薬局のDX化は今後もいっそう進んでいくことが予想されます。特にオンライン服薬指導では、コロナ禍では特例措置として認められていた「電話(音声のみ)での服薬指導」が2023年7月に廃止されました。大手企業の中には薬剤師一人ひとりにタブレット端末が支給される一方で、中小企業の中には店舗に1台置くことも難しい薬局もあります。こうしたハード面での差が今後より顕著になり、大手企業の業界占有率が高まる可能性があるでしょう。

そのほか、2021年に始まった連携薬局制度について、企業規模を問わず徐々に認定取得が進められています。特に大手チェーンは専門医療機関連携薬局の認定取得を強化する企業が目立ち、認定要件のひとつでもある「外来がん治療専門薬剤師(BPACC)」をもっている薬剤師の市場価値は高まっています。

「薬剤師は今後過剰になると言われているし、将来が不安…」「薬剤師としてどんなキャリアプランを描けばいいのかわからなくなってきた…」などキャリアや仕事についてお悩みがある方は、薬キャリエージェントのコンサルタントまでご相談ください。薬剤師専門の転職コンサルタントが、薬剤師一人ひとりのご経験・ご希望に沿った求人をご紹介します。

なお、薬キャリ職場ナビでは、勤務経験がある先生のクチコミを募集しています。給与や評価制度、仕事のやりがいなどをぜひお寄せください。またこれらの“生の声”が職場選びの一助となれば幸いです。

<参考>
参考資料:アインホールディングス「2023年4月期決算短信」、日本調剤「2023年3月期決算短信」、クオール「2023年3月期決算短信」、メディカルシステムネットワーク「2023年3月期決算短信」、東邦ホールディングス「2023年3月期決算短信」、スズケン「2023年3月期決算短信」、トーカイ「2023年3月期決算短信」、ファーマライズホールディングス「令和5年3月期決算短信」、シップヘルスケアホールディングス「2023年3月期決算短信」、メディカル一光「2023年3月期決算短信」
厚生労働省「令和3年度 調剤医療費(電算処理分)の動向」

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