
育休に入り、実際に子どものお世話をするなかで、「このまま同じ職場に戻って仕事と子育てを両立するのは難しいかも」と考えるようになるママ薬剤師さんは少なくありません。
この記事では、育休中・育休明けの転職活動について、どのように考えて進めるのがよいか、給付金や保育園への影響も含めて解説します。
記事のポイント
・育休中・育休明けの転職は法律上可能。
・育休中の転職と復帰後の転職には、それぞれメリットとデメリットがある。
・社会保険や保育園の制度について確認しながら、自分に合った時期を選ぶことが大切。
育休中・育休明けに転職はできる?

育休中に転職を考えたとしても、「同僚に迷惑をかけているのに」「給付金ももらっているのに」と、転職は無理だと感じている方もいるかもしれません。育休中・育休明けに転職することはできるのでしょうか。
育休中・育休明けの転職は法律上可能
法律上、育休中や育休明けに転職することは可能です。
育児と仕事の両立が難しい場合や、復職後の働き方に不安がある場合は、転職も選択肢の一つになります。
ただし、育児休業給付金や保育園、転職先で使える制度などに影響が出ることがあります。現在の職場に対する配慮も必要です。
先を見通して慎重にタイミングを見極めることが、後悔しない転職の第一歩です。
育児休業給付金はどうなる?
育児休業給付金は、育児休業後に職場へ復帰することを前提とした制度です。
育休中に現在の職場を退職すると、退職日までが支給対象となり、以後は支給されません。
受給済みの給付金は、育児休業中の事情の変化による退職であれば、原則として返還不要です。ただ、育休の当初から退職する予定だった場合は、支給対象になりません。
薬剤師が育休明け・育休中に転職を考える理由

ママ薬剤師さんが育休を機に働き方を見直すのはなぜなのでしょうか。
時間面で育児との両立が難しい
薬剤師の仕事は、勤務先によって勤務時間やシフトが大きく異なります。
たとえば、調剤薬局では閉局時間が遅く、ドラッグストアではシフト制で土日勤務や遅番が必要な場合があります。病院では夜勤や当直が必要なところもあるでしょう。
時短勤務を利用できても、人員不足などから仕事が終わらず、定時に帰りにくい職場もあります。
これまで頑張って仕事をこなしてきた薬剤師さんでも、「現在の働き方では、仕事と育児の両立は難しいかもしれない」と実感するようになるのが育休中なのです。
復帰後のポジションや業務内容
育休から復帰した際、休業前とは異なる業務やポジションとなることもあります。
たとえば、管理薬剤師から外れる、希望していない店舗への異動を打診される、かかりつけ薬剤師としての業務が減るといったケースです。
育児への配慮がありがたいと感じる一方で、現在の職場では責任ある仕事を任されなくなり、キャリア形成が難しいと感じる人もいるでしょう。
このような場合、今後のキャリアと育児を両立できる環境を求めて転職を検討することも一つの方法です。
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「育休中の転職」と「育休明けに一度復帰してからの転職」はどちらが良い?

転職するタイミングは、大きく「育休中」と「一度復帰してから」の2つに分かれます。それぞれの特徴を見てみましょう。
育休中に転職するメリット・デメリット
育休中に転職活動を進めるメリットは、復職後よりも転職活動の時間を確保しやすいことです。転職先での働き方を確認しながらじっくり検討することができます。
一方、育休中に退職すると、それ以降の育児休業給付金は支給されません。
また、退職によって保育園や転職先での時短勤務に影響が出ることがあります。
このデメリットについては、後ほど詳しく解説します。
一度復帰してから転職するメリット・デメリット
一度復職してから転職するメリットは、実際に働いてみて、現在の職場で育児と両立できるかを確かめられることです。時短勤務や配置転換などによって問題が解消する可能性もあります。
復職ならば保育園の就労要件を満たしやすく、入園では有利に働くでしょう。
育児休業給付金も問題なく受け取ることができます。
デメリットは、復職後に仕事と育児をこなしながら転職活動を進める負担が大きいことです。
子どもの体調不良などで予定どおりに動けず、転職活動が長引く可能性もあります。
判断のポイントと考え方
このように、転職時期についてはどちらが正解ということはありません。
| 比較項目 | 育休中に転職 | 復帰してから転職 |
| 給付金 | 退職日以降は受け取れない | 受け取れる |
| 保育園 | 求職中扱いになる可能性 | 就労要件を保ちやすい |
| 転職先の制度 | 入社1年未満は時短が使えない場合あり | 時短の取得条件を満たしやすい |
| 家族の協力 | 比較的協力を得やすい | 仕事と転職活動の両方に協力が必要 |
たとえば、現在の職場に戻ることがどうしても難しい場合は育休中の転職を、そうでなければ一度復帰して復職後の働き方を実際に確かめてから判断する、という選び方もあります。
あせって結論を出さず、制度と家庭の状況をふまえて検討しましょう。
育休中・育休明けの転職で注意したい制度と保育園

転職を検討する際は、保育園などへの影響も確認しておきましょう。
保育園の入園・在園への影響
転職によって勤務先が変わった場合、自治体への届け出や就労証明書の再提出が必要になることがあります。
また、退職して求職中の状態になると、保育の必要性を示す点数に影響し、入園しにくくなったり、求職活動中に在園できる期間に期限が付いたりする場合があります。
上の子が保育園に通っている場合の扱いも変わることがあります。 これらの扱いは自治体ごとに異なるため、事前に自治体へ確認しておきましょう。
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転職先で育休・時短勤務が使えない場合がある
転職先で時短勤務を利用したい場合も注意が必要です。
育児時短制度を利用するには、一定の要件があります。
職場によっては、労使協定によって、勤続1年未満の労働者が対象外となっている場合があります。このような職場では、転職後に時短勤務をすることができません。
また、次の子どもの出産の際にも、勤務期間の条件を満たしていないと育休が取れないことがあります。
詳しくは次の記事を参照してください。
社会保険や住民税の手続き
育休中は社会保険料が免除されていますが、この免除は退職すると終わります。
退職から次の入社までに空白期間があると、健康保険や年金の手続きが必要になります。
また、住民税は前年の所得をもとに課税されるため、退職後は支払い方法が変わります。
このような社会保険や税金についてもきちんと確認して準備しておきましょう。
薬剤師が育休中に転職活動を進めるコツ

育児と並行して転職活動を進めるには、無理のない計画を立てて進めていくことが大切です。
転職活動を始める時期
転職活動は、保育園の入園時期や復職予定日から逆算して進めるとスムーズです。
たとえば、4月入園・復職を予定している場合は、前年の秋ごろから求人情報の収集を始め、希望条件を整理しておくとよいでしょう。保育園の入園申込期限や選考スケジュールも確認しながら進めます。
入社時期についても、保育園の入園日や慣らし保育の期間を考慮して調整しましょう。
育休明けに転職する場合も、情報収集や転職エージェントへの登録などは育休中に済ませておくことをおすすめします。
面接で育休中であることをどう伝える?
転職活動をする際には、育休中であることや入社可能な時期、希望する勤務条件は正直に伝えましょう。
面接では、入社後のミスマッチを防ぐためにも、時短勤務の希望や残業・土日勤務への対応可否などは具体的に説明することが大切です。
伝え方の例
現在、育児休業中で、子どもの保育園入園に合わせて転職を検討しています。〇月ごろからの入社を希望しています。育児と両立しながら長く働きたいと考えており、勤務時間や残業の条件についても相談させていただければと思います。
条件を伝える際は、「できないこと」だけでなく「どう貢献したいか」もあわせて話すと、前向きな印象になります。
子育てと両立しやすい職場の探し方
育児との両立を重視する場合は、求人票の条件に加えて、次のような職場環境も確認しましょう。
・時短勤務を利用できるか
・残業が少なく、定時に帰りやすいか
・土日休みや希望休の相談ができるか
・子育て中の薬剤師が在籍しているか
・子どもの急な発熱などによる休みに対応できるか
制度が整っていても、実際には利用しにくい職場もあります。面接では制度の有無だけでなく、利用実績や職場の人員体制についても確認するとよいでしょう。
育休中は転職活動に使える時間が限られるため、希望条件に合う求人を効率よく探すことが大切です。
薬剤師向けの転職エージェントを利用すれば、勤務時間や勤務地などの希望を伝えたうえで、求人を紹介してもらえます。
子育てと両立できる職場を探したい方は、薬キャリmamaで希望条件に合う求人があるか、お気軽に相談してください。
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今の職場への伝え方

退職を決めた場合は、勤務先とのやり取りや必要な手続きを、誠意をもって計画的に進めることが大切です。
退職を伝えるタイミングと伝え方
退職を決めたら、まず就業規則で退職の申し出期限を確認し、必要な時期までに上司へ伝えましょう。
育休中に退職する場合も、復職予定日や退職希望日をふまえて、余裕を持って相談することが大切です。
伝える際は、育休を取得させてもらったことへの感謝と、必要な手続きや引き継ぎにもできる限り協力することを伝えましょう。
退職に伴う手続き・引き継ぎ
退職時には、各種書類のやりとり、保険や年金の手続き、引き継ぎなどが必要になります。
職場の指示に従って、確実に手続きを進めていきましょう。
自分と家族に合った働き方を考えよう

育休中・育休明けの転職は可能ですが、育休中に転職する場合、復職してから判断する場合、それぞれにメリット・デメリットがあります。
家庭の状況や今後のキャリアを踏まえてどう進めるか判断しましょう。
また、働き方を変える方法は転職だけではありません。現在の職場で時短正社員に切り替えたり、パートや派遣として働いたりすることで、育児との両立がしやすくなる場合もあります。
大切なのは、子育てをしながら長く働き続けられる環境を見つけることです。自分なりに納得できる働き方を検討してみてください。



