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薬剤師の転職実態調査-vol6.診療報酬改定編

薬剤師の皆さんに仕事や転職についてどのように感じているのかを、エムスリーキャリアがリサーチする独自企画。「年収」「人間関係」「仕事内容」「キャリアアップ」などさまざまな角度から、薬剤師の転職・仕事に関する意向をご紹介していきます。今回のテーマは2018年度診療報酬改定について。2年ごとに実施される診療報酬改定は、薬局の経営、薬剤師の働き方に大きく影響を与えます。2018年度診療報酬改定によって、薬局薬剤師はどのように働き方が変わり、その変化をどう受け止めているのでしょうか。

薬剤師の転職実態調査-vol6.診療報酬改定編

2018年度診療報酬改定の要点

2018年度診療報酬改定では、「患者のための薬局ビジョン」にのっとった取り組みをしている薬局の評価を上げ、そうでない薬局の評価を下げる意向が見受けられました。

「患者のための薬局ビジョン」ではかかりつけ薬剤師・薬局が持つべき3つの機能として、①服薬情報の一元的・継続的把握、②24時間対応・在宅対応、③医療機関との連携、を明示しています。診療報酬改定では、これらへの取り組み状況が算定要件に組み込まれました。

たとえば、①服薬情報の一元的・継続的把握と③医療機関との連携に関しては、「疑義照会」による適切な減薬を評価する「服用薬剤調整支援料」が新設され、②24時間対応・在宅対応に関しては、「24時間対応」「在宅医療の実施」といった地域医療への貢献を評価する「地域支援体制加算」が新たに設けられました。

さらに、「患者のための薬局ビジョン」の実現とともに国が注力しているのが医療費の削減です。その一環として、「後発医薬品の使用推進」についても改定のメスが入りました。

後発医薬品の使用割合によって点数が決まる「後発医薬品使用体制加算」では「使用割合85%以上」の薬局を評価する「加算1」を45点に上げた一方、「加算3(後発医薬品の使用割合70%以上)」、「加算4(後発医薬品の使用割合60%以上)」の点数がダウン。使用割合20%以下の薬局にいたっては「調剤基本料の減算」というペナルティが新設されました。

こうした調剤報酬改定を受けて、評価対象となる業務に力を入れ始めた薬局も多いようです。では、薬剤師はこれらの業務にどのように取り組んでいるのでしょうか。今回は、評価対象となる業務のなかでも代表的な4つ「24時間対応」「在宅医療の実施」「疑義照会の実施」「後発医薬品の使用促進」について、薬局での取り組み状況と業務のやりがいについてうかがいました。

2018年度診療報酬改定の各項目に関する解説はこちらから

精神的な負担を感じる薬剤師が多い「24時間対応」

図1:24時間対応の実施状況

図2:24時間対応のやりがい

・やりがいを感じたエピソード

「処方された熱冷ましの粉薬を子どもが飲んでくれない」と深夜に相談を受けた。粉薬をアイスクリームに混ぜて食べさせるよう提案したところ、「全部飲めて、熱も下がった」とたいへん喜んでもらえた。

患者さんは自分の症状が病気によるものなのか、副作用なのか分からない。話を聞くことで、営業時間外でも患者さんの不安に応えられることは嬉しい。

・負担を感じたエピソード

休日、新幹線乗車中に患者さんから相談を受けたときは通話が途中で何度も切れてしまい大変でした。

運転中や飲食時に連絡がくると、どうしても対応が遅れてしまう。

24時間対応について「2018年度改定から開始もしくは促進」「すでに取り組んでおり、改定による変化はない」の合計は43.9%。大手チェーンをはじめ普及が進みつつあるものの、まだ40%以上の薬剤師が「24時間対応に取り組んだことがない」という現状です。

やりがいについては、「負担が大きく、やりがいがない」が過半数を占めており、いつ電話がかかってくるか分からないという点などに、精神的な負担を感じる薬剤師が多いようです。
また、相談の大部分が緊急性の低いものであることから、わざわざ休日や深夜に対応すべきなのか疑問という意見もみられました。

一方、「負担は大きいが、やりがいがある」と回答した薬剤師は20.0%。休日・深夜で頼れる人がいなくて困っている患者の力になれることにやりがいを感じるという声が目立ちました。

チーム医療を通じてやりがいを感じる「在宅医療」

図3:在宅医療の実施状況

図4:在宅医療のやりがい

・やりがいを感じたエピソード

きっちり服用していると思っていたが、飲み忘れた薬を隠し持っていることが発覚。在宅でなければ気づけなかった。

往診に同行した時に、医師・看護師から薬の相談を受けて、「医薬品のプロ」として頼られることに誇りを感じました。

・負担を感じたエピソード

患者さまの病態に合わせながら、多職種と連携して職務にあたることは他の業務では得られない充実感がある。一方で、手当がつかないのでつらさを感じるときもある。

医師から認知症患者の薬の管理を頼まれたが、患者さんご本人は「家に他人を入れたくない」と頑な態度で、上手くコミュニケーションがとれない。

在宅医療については、「すでに取り組んでおり、改定による変化はない」「2018年度改定を機に開始もしくは促進」の合計が54.9%と過半数を占めました。

やりがいについては64.3%もの薬剤師が「負担は大きいが、やりがいがある」と回答。多職種連携を通じた、「他の医療職からの信頼」にモチベーションが高まる薬剤師が多いようです。

やりがいの有無にかかわらず「負担が大きい」と回答した薬剤師は91.1%にものぼり、在宅医療は体力的に負担が大きいと言えそうです。なかには、エレベーターがないアパートで階段を何往復もして重たい輸液を運んだという薬剤師も。今後、さらに在宅医療を推進していくには、薬剤師の負担軽減策が薬局・国に求められています。

「残薬・減薬などの疑義照会」の負担は医師との連携に大きく左右

図5:疑義照会の実施状況

図6:疑義照会のやりがい

・やりがいを感じたエピソード

訪問看護師と情報共有するなかで副作用の疑いがある患者さんがいた。医師に連絡・相談し、他科で検査をしたところ、重篤な副作用をみつけることができ対応できた。

副作用が疑われたので減薬を提案。結果、副作用が治まった。

・負担を感じたエピソード

残薬の疑義に時間がとられることがしばしばあり、患者さまの待ち時間などを考えると対応に迷う場面がある。

疑義照会をしても医師がまったく対応してくれないので、やりがいがない。

残薬・減薬などの疑義照会については、52.4%の薬剤師が「改定による変化はない」と回答していますが、「2018年度改定を機に促進」が34.2%と続くため、「薬剤総合調整加算」などの新設に伴い、これまで以上に注力する薬局も増えているようです。

疑義照会は他の項目に比べて「負担は小さく、やりがいがある」の回答が28.4%と高いのも特徴です。前述の2項目については、おもに「体力の負担」が挙げられそうですが、疑義照会に関しては「医師との連携」が負担の要因と思われます。

信頼関係が構築できている場合は、医師から感謝されてやりがいを感じられるという声がある一方、信頼関係が築けていないと「何を言っても聞き入れてもらえない」「電話口で怒鳴られる」などコミュニケーションの困難さから業務負担を感じる薬剤師もいるようでした。

「後発医薬品の使用促進」には医師・患者の理解が必須

図7:後発医薬品の使用促進の実施状況

図8:後発医薬品の使用促進のやりがい

・やりがいを感じたエピソード

薬剤費が大幅に安くなり、患者さんから喜ばれた。

・負担を感じたエピソード

患者に変更可否の意思を確認したうえで切り替えた。当然ながら処方箋に「変更不可」の記載はなかったが、後日医師からクレームを受けてしまった。

三ヵ月前に湿布を後発医薬品に変更し、「(使用して)大丈夫だった」と言われたので後発品を継続して出しました。ですが、実際は余っていた先発品を貼っていたようで、いざ後発品を使ったらうまく貼れないので、三ヵ月分をすべて代えてくれと言われ、大変もめました。

先発品希望の患者との信頼関係を壊さないように、なおかつ、しつこいくらいにアプローチをしなければならないので大変。

「後発医薬品使用体制加算」の評価が変わり、使用割合が70%未満の薬局は点数が下がりましたが、「改定による変化はない」が51.5%と、現状維持を選択している薬局が多いようです。ですが、36.6%は「2018年度改定を機に推進」と続くことから、より高い加算を算定できるように使用促進に取り組む薬局も少なくないと言えそうです。

薬剤師のやりがいについては「負担が大きく、やりがいがない」が51.5%と過半数を占めています。先発品にこだわる患者に説明をいやがられることや、患者の同意を得て切り換えたにもかかわらず、医師からクレームの連絡が入ることなどがストレスにつながっているようです。また、「患者や医師から銘柄を指定され、先発・後発合わせて1成分で10種類の在庫管理をしなくてはならなくなった」など、管理面での負担の大きさを訴える声もありました。

転職先には「診療報酬改定への対応力」を求める時代に!?

図9:転職先を選ぶ際、診療報酬改定への対応力を重視しますか

図10:転職先として重視する理由は?

図11:転職先として重視しない理由は?

転職先の薬局に「診療報酬改定への対応力」の有無を重視する薬剤師は51.2%。
改定内容に沿った取り組みに注力する職場で経験を積むことで、キャリアの幅が広がると前向きに捉える薬剤師がいる一方で、診療報酬改定に振り回される働き方に抵抗を感じる人も少なくありません。

重視する層としない層がおよそ半々ということから、行政が推進する薬剤師像・薬局像は転職先を判断する軸になっているとまでは言えないようです。

対人業務の経験を積み、薬剤師として市場価値を高める

これまで見てきたように、2018年度診療報酬改定にのっとり、「24時間対応」「在宅医療の実施」「疑義照会の実施」「後発医薬品の使用推進」が薬局業界において広まりつつあります。

それに伴い、「患者のための薬局ビジョン」が掲げる「対物業務から対人業務へ」の言葉通り、調剤スキルよりも在宅医療経験やコミュニケーション能力を重視する薬局が増えています。

詳しくは「薬剤師の転職市場に異変!今後評価される市場価値とは」

多くの薬局は「患者のための薬局ビジョン」にのっとって事業内容を見直しており、「患者のための薬局ビジョン」が示す「かりつけ薬剤師」として活躍できる薬剤師の市場価値は今後高まっていくことが予想できます。診療報酬改定で評価された項目に取り組める環境で経験を積み、薬剤師としての市場価値を高めてみてはいかがでしょうか。

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