今すぐ求人紹介

マミートラックとは?ママ薬剤師が陥る原因と抜け出す方法を解説

出産や育児をきっかけに、責任のある仕事やキャリアアップにつながる業務から遠ざかってしまう状態を「マミートラック」といいます。ママ薬剤師にとっても、キャリアに関する悩みの一つです。

この記事では、ママ薬剤師がマミートラックに陥る原因やキャリアへの影響、抜け出すための方法について解説します。

記事のポイント
・マミートラックは、出産や育児をきっかけに起こりやすい。
・仕事のやりがいやキャリアに影響する可能性がある。
・希望するキャリアを職場に伝え、働き方を見直すことが大切。

マミートラックとは?

マミートラックとは、マミー(Mommy:母親)とトラック(track:陸上のトラック)を組み合わせた造語です。女性が出産や育児をきっかけに、昇進や昇給、キャリアアップにつながる仕事から遠ざかってしまう状態のことを指します。

マミートラックという言葉は、元々は仕事と育児を両立する女性の働き方を表す言葉として使われていました。しかし、現在では、本人が望んでいないにもかかわらず、出産や育児を理由にキャリアアップの機会を失ってしまうという、ネガティブな意味を含んで使われることが多くなっています。

マミートラックの問題点

マミートラックに陥ると、仕事へのモチベーションが下がるだけでなく、将来のキャリアにも影響する可能性があります。

ここでは、マミートラックによって起こり得る主な問題についてみていきましょう。

仕事へのやりがい・モチベーションが低下する

出産後や育児中は、以前は任されていた仕事や、責任のある業務を担当させてもらえなくなってしまうことがあります。

仕事の内容が単調になったり、新しい仕事を学ぶ機会が減ったりすると、仕事へのやりがいやモチベーションの低下につながりやすくなるでしょう。

昇進・昇給に影響する可能性がある

責任のある仕事や管理業務を任される機会が減ることで、昇進や昇給に影響する可能性があります。

本人の能力やこれまでの実績にかかわらず、キャリアアップにつながる仕事から外れることで、昇進に必要な経験を積む機会も少なくなります。たとえ出産前に十分な経験や実績を積んでいたとしても、一度キャリアのコースから外れると、その後の昇進が遠ざかってしまうことがあるのです。

薬剤師としてのスキルアップが難しくなる

担当する業務が限られると、薬剤師としてのスキルアップが難しいと感じるかもしれません。

薬剤師の仕事は、調剤や服薬指導だけではなく、在宅医療や多職種連携、後輩の指導、薬局の業務改善など多岐にわたります。

しかし、毎日調剤・監査と投薬だけ、といったように仕事の幅が狭くなると、新しい知識やスキルを身につける機会が減り、薬剤師としての成長を実感しにくくなってしまいます。

キャリアに対する不安や劣等感を感じることがある

同世代の薬剤師が昇進したり、新しい業務を任されたりする一方で、自分だけキャリアが停滞しているように感じると、不安や焦りも生まれるでしょう。

「前はもっとバリバリ働いていたのに」「年下の同僚のほうが、いろいろな仕事を任されているな」と周囲と自分を比較し、劣等感を覚えてしまうこともあります。

自信を持っていきいきと働いていた以前とのギャップから、仕事に自信を持てなくなってしまうことも、マミートラックの影響の一つといえます。

ママ薬剤師がマミートラックに陥る原因

ママ薬剤師がマミートラックになってしまう原因は、勤務形態の変化や職場での配慮、家庭との両立などさまざまです。

ここでは、ママ薬剤師がマミートラックに陥りやすい背景を詳しくみていきましょう。

働き方の変化で管理職に就くのが難しくなる

育休からの復帰を機に時短勤務やパート勤務などへ働き方を変更すると、それまで目指していた管理職になるための条件を満たせなくなる場合があります。

たとえば管理薬剤師の場合、薬局の業務を適切に管理するため、勤務時間や勤務日数について条件が設けられているのが一般的です(1日8時間、週40時間以上など)。

そのため、本人に管理薬剤師を目指す意欲があっても、育児との両立で勤務時間を短縮したことが影響し、希望する役職に就くことが難しくなるケースがあります。

急な欠勤などを理由に特定の業務を任されにくくなる

子育て中は、勤務時間に制約があったり、子どもの急な発熱などで予定していた勤務が難しくなったりすることも。

そのため、在宅医療や在庫管理など、継続的な対応が必要な業務や特定の曜日・時間帯に勤務する業務を任されなくなってしまうことがあります。

関連記事
保育園からの呼び出しや急な休みへの対応について解説

「負担のある仕事は望まないだろう」と職場で思われている

マミートラックは、職場側の善意や配慮がきっかけになることもあります。

「子育て中なら残業は難しいだろう」「家庭との両立を優先したいだろう」と考え、本人に確認せず、責任のある仕事や負担の大きい業務を任せないケースです。

子育て中の薬剤師に対して勤務時間や家庭の事情を考慮することは大切ですが、本人が「キャリアアップしたい」「新しい仕事にも挑戦したい」と考えている場合、周囲の判断だけで仕事の範囲を狭めると、本人の希望との間にズレが生じてしまいます。

仕事への自信を失い、挑戦することを避けてしまう

以前は幅広い仕事をこなしていた薬剤師が、育休から復帰して限られた業務だけを担当するようになると、「以前ならできた仕事なのに、今は思うようにできない」「周囲に迷惑をかけてしまうのではないか」と不安を感じることがあります。

その積み重ねで自信を失い、新しい業務に挑戦することをためらってしまうこともあるでしょう。自分から責任のある仕事を避けるようになり、担当する業務が徐々に限定されてしまう可能性があります。

希望するキャリアを職場に伝えていない

ママ薬剤師がマミートラックに陥る原因として、希望するキャリアを職場に十分伝えていないことも挙げられます。

本当はさまざまな業務を経験してキャリアアップしたいと思っていても、それを職場に伝えていないと、本人が望んでいない形で仕事の範囲を限定されやすくなるでしょう。

ママ薬剤師がマミートラックを抜け出す方法

マミートラックを避けたり、すでにキャリアが停滞している状況から抜け出したりするためには、現在の働き方だけでなく、将来どのようなキャリアを築きたいのかを考えることが大切です。

子育て中は勤務時間や勤務日数などに制約が生じることもありますが、できることとできないことを整理し、職場と希望を共有することで、キャリアを継続しやすくなる場合があります。

できる業務・勤務時間を明確にする

子育て中は「できないこと」に目が向きやすくなりますが、現在の状況で「できること」を明確にすることも重要です。

たとえば、残業は難しくても定時までであれば責任のある業務を担当できる、平日の勤務は難しいものの月に数回なら土曜日勤務が可能、といったように、対応できる範囲を具体的に伝えてみましょう。

また、子どもの成長に合わせて、将来的に勤務時間を延ばせる見込みがある場合は、「いつ頃からならできそうか」を共有しておくことで、将来的な業務や役割について相談しやすくなります。

会社のキャリアパスや評価制度を確認する

現在の職場のキャリアパスや評価基準をもう一度確認してみることもおすすめです。

子育て中は勤務時間や業務内容の制限から、慣れた仕事に集中しがちですが、制度を改めて確認することで、新たな目標が見つかるかもしれません。

また、身近にキャリアのモデルとなるママ薬剤師がいれば、どのような働き方をしているのか聞いてみるとよいでしょう。実際の経験を参考にすることで、子育てとキャリアを両立するヒントが得られるはずです。

希望する働き方やキャリアを上司に伝える

希望する働き方やキャリア目標がある場合は、上司に伝えておきましょう。

たとえば、「今は子どもの送迎があるため時短勤務を希望するものの、将来的にはフルタイムに戻りたい」「子どもが大きくなったら管理薬剤師を目指したい」など、現在の希望だけでなく将来の目標も伝えることが大切です。

子育てを優先したい時期でも、今後どのような経験を積みたいのかを相談しておくことで、将来を見据えて仕事を任せてもらいやすくなるかもしれません。

家庭内でも仕事と育児の分担について話し合う

仕事とキャリアを両立するためには、職場だけでなく家庭内の協力体制を整えることも重要です。

たとえば、保育園の送迎や子どもの急な体調不良への対応をどうするのか、夫婦であらかじめ話し合っておくとよいでしょう。

家族の協力を得ながら、どこまで仕事に時間を使えるのかを整理しておくことで、自分が希望する働き方を職場にも伝えやすくなります。

関連記事
パパ薬剤師・ママ薬剤師必見!幸せに仕事と子育てを両立する方法とは

現在の職場で改善が難しい場合は、異動や転職も検討する

上司に希望を伝えたり、働き方を調整したりしても、キャリアにつながる仕事を任せてもらえないなど、状況が変わらないこともあります。また、時短勤務中は希望する役職に就けないなど、職場の制度によって自分の努力だけでは解決が難しいケースもあるでしょう。

そのような場合は、同じ職場での部署・店舗の異動や、別の職場への転職を検討することも選択肢の一つです。

環境を変えることで、目指していたキャリアを実現しやすくなったり、新たな目標が見つかったりすることもあるでしょう。

ママ薬剤師がマミートラックを避けてキャリアを築くために

マミートラックとは、出産や育児をきっかけに、本人が望んでいないにもかかわらず、キャリアアップにつながる仕事から遠ざかってしまう状態です。勤務時間の制約や職場の配慮、本人の希望が十分に伝わっていないことなどが原因になることがあります。

抜け出すためには、できる業務や勤務時間を整理し、希望するキャリアを職場と共有することが大切です。必要に応じて異動や転職も検討し、自分に合った働き方でキャリアを築いていきましょう。

薬キャリAGENTに求人紹介を申し込む薬キャリAGENTに求人紹介を申し込む
薬剤師コラム編集の画像
薬剤師コラム編集部
「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
m3.com薬剤師会員への意識調査まとめや、日本・世界で活躍する薬剤師へのインタビュー、地域医療に取り組む医療機関紹介など、薬剤師の仕事やキャリアに役立つ情報をお届けしています。