
子どもを育てながら働いていていちばんつらいのは、子どもが発熱して急に休まなければならなくなったときではないでしょうか。
特に薬剤師の職場は、限られた人数で業務を行っていることも少なくありません。周囲に迷惑をかけるのではないかと罪悪感を抱くこともあります。
この記事では、子どもの熱で仕事を休むときの対処法や、心の持ち方について解説します。
記事のポイント
・薬剤師は職場の人数が少なく、責任が重いので、子どもが熱を出しても休みづらい。
・子どもの熱で休むときは、できるだけ早く、簡潔に状況を伝える。
・子どもが小さいうちは、休みが取りやすい職場で働くのも選択肢。
ママ薬剤師が子どもの熱で仕事を休みづらいと感じる理由

ママ薬剤師が子どもの熱で休みづらいと感じる理由をまず確認してみましょう。
急な欠勤で同僚に負担がかかる
自分が急に休むと、ほかの薬剤師が業務を引き受けなければなりません。
特に薬剤師の人数が少ない職場では、一人の欠勤が業務に与える影響も大きくなります。そのため、心苦しさもより大きくなってしまいます。
「また休むの?」と思われそうで不安になる
保育園へ通い始めたばかりの子どもは、免疫がまだ十分でないので、次々に感染症にかかります。病気が治ってようやく出勤できたと思ったら、数日後に再び呼び出しを受けることもあるでしょう。
また、インフルエンザなどでは、解熱後も数日間は登園できません。
欠勤や早退が続くと、「また休むの?」と思われているかもしれないと不安になるかもしれません。周囲から直接何かを言われていなくても、自分で必要以上に悪く考えてしまうこともあります。
自分が休むと業務が回らない
急に休むとなると、自分がいつも担当している業務や、期限のある仕事について気になるでしょう。また、一人薬剤師になる時間帯がある職場では、自分が休むことで店舗の営業に影響することがあるかもしれません。
そのため、「自分が行かなければ」とプレッシャーを感じてしまいます。
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子どもが発熱したときのスムーズな職場への伝え方

発熱した時点では、病気の種類や回復までにかかる日数はわかりません。「明日は必ず出勤します」と伝えると、熱が下がらなかった場合に、再び連絡や調整が必要になります。
見通しが立たないことに関しては、「明日以降については、受診結果や今夜の様子を見て、改めてご連絡します」と伝えるにとどめましょう。
もし感染症と診断された場合は、医師や保育園の指示を確認したうえで、出勤できる見通しを職場へ連絡しましょう。
出勤後にフォローへの感謝を伝える
子どもの看病が終わって仕事に戻ったら、シフトを代わってくれた人や業務を引き継いでくれた人に、「このたびはありがとうございました」と感謝を伝えましょう。
くどくどと謝り続けるよりも、助けてもらったことへのお礼を伝え、きちんと仕事に取り組むほうが、良好な関係につながります。
そして、同僚が困っているときには自分がフォローするなど、日ごろから助け合う意識を持つことも大切です。
子どもの熱で休むときに利用できる制度
子どもが発熱すると、申し訳なさから職場に連絡するのは気が重いものです。しかし、ポイントを押さえて連絡することで、職場にもスムーズに対応してもらうことができます。
できるだけ早く上司へ連絡する
子どもの発熱に気づいたら、できるだけ早く上司へ連絡しましょう。早めに伝えることで、職場側も代わりのスタッフの確保やシフトの調整を進めやすくなります。
始業前の連絡方法について、電話、社内の連絡ツールなどの決まりがある場合は、それに従いましょう。
現在の状況と休みたい旨を簡潔に伝える
連絡する際は、必要以上に事情を説明したり、長く謝罪したりするよりも、現在の状況と希望を簡潔に伝えましょう。
たとえば、子どもが発熱した経緯を最初から説明するのではなく、「子どもが発熱し、今朝は38度あります。受診と看護が必要なため、本日はお休みをいただきたいです」と伝えるほうが、上司も事情を把握しやすいでしょう。
引き継ぎが必要な仕事があれば、併せて必要な事項を伝えます。
いつ出勤できるかを断定しない

現在は国による子育て支援が進んでおり、子どもが病気の際に利用できる制度も増えています。
子の看護等休暇
子どもの発熱やけがなどの看護には、「子の看護等休暇」を利用できます。
これは、ママだけでなくパパも同じ条件で利用できます。
対象となる子どもの範囲は小学3年生修了までです。
取得できる日数は、対象となる子どもが1人の場合は1年度に5日、2人以上の場合は10日までです。1日単位だけでなく、1時間単位でも取得できます。
子どもの病気やけがの看護のほか、予防接種や健康診断、感染症による学級閉鎖、入園式・入学式・卒園式なども対象です。
原則として、パートや派遣社員も取得できます。
看護休暇が有給か無給かは勤務先の規定によって異なります。就業規則や社内制度を確認しておきましょう。
年次有給休暇
子どもの看病のために年次有給休暇を使うこともできます。
看護休暇が無給の場合は、有給休暇を使うほうが有利かもしれません。
一方で、子どものために休むことが多い人にとっては、看護休暇を先に使い、理由を問わずに休める有給休暇を残しておいたほうが使い勝手がいいでしょう。
どちらを優先するのかについて考えておくと安心です。
子どもの急な発熱に備えて準備しておきたいこと

子どもは急に熱を出すものですが、事前に準備しておけば落ち着いて対応することができます。
パートナーと対応の方法を相談しておく
子どもが発熱するたびに、母親だけが仕事を休む必要はありません。看護休暇は、父親も取得できます。
「受診はどちらが担当するか」「連続して休む場合は途中で交代できるか」「重要な仕事が重なったときはどうするか」などについて、あらかじめ話し合っておきましょう。
夫婦それぞれの休暇制度や勤務先の連絡方法も確認しておくと、いざというときに対応を分担しやすくなります。
病児保育へ事前登録する
病児保育は、子どもが病気で保育園などへ通えず、保護者が仕事を休めないときに利用できるサービスです。
利用には事前登録や医師の診察、利用予約などが必要です。発熱してから手続きをすると、当日に利用できないこともあるため、早めに調べておきましょう。
ただし、満員で予約できない場合や、感染症などでは預けられないこともあることには注意が必要です。
祖父母に協力してもらえるか確認しておく
祖父母が近くに住んでいる場合は、緊急時に協力してもらえるか確認しておくのもひとつの方法です。
ただし、祖父母の年齢や健康状態によっては、感染症にかかった子どもの看護が大きな負担になる場合があります。協力を当然と考えず、子どもの症状や感染のリスクを伝えて相談しましょう。
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日ごろから上司や同僚と状況を共有する
子どもの年齢や保育園で感染症が流行していることなどを、差し支えない範囲で上司や同僚に伝えておくと、急な欠勤への理解を得やすくなります。
また、担当業務の進捗や資料の保管場所などを日ごろから共有しておけば、急に休んだときにも引き継ぎがしやすくなります。
子育ての話ばかりにならないよう周囲の様子に配慮しつつ、必要な情報を伝えておきましょう。
子どもの熱で休むことに罪悪感を持ちすぎないために

子どものことで休むことが多くなると、どうしても職場に対して申し訳なさを感じてしまうものです。しかし、必要以上に罪悪感を感じてもプラスにはなりません。
子どもの病気は避けられないと理解する
小さな子どもは、病気にかかりながら少しずつ免疫をつけて成長していきます。保育園に入った直後などは、何度も体調を崩してしまうものです。
手洗いや予防接種などの対策は大切ですが、すべての発熱を防ぐことはできません。
「自分の管理が悪かった」と考えすぎず、子どもの成長過程のひとつとして受け止めましょう。
看護を母親だけの役割にしない
子どもの看護は母親だけが担うものではありません。パートナーも親として同じ責任を持っています。
勤務時間や収入の差だけを理由に、いつも母親が休む形にすると、負担が一人に集中します。家庭の状況に合わせて、パートナーにも休暇取得や受診、看護を担当してもらいましょう。
また、病児保育や祖父母など、いざというときに頼れるところを増やしておくと安心です。
職場の人員不足まで自分の責任にしない
急な欠勤によって同僚に負担がかかることに申し訳なさを感じるのは、仕事に対する責任感が強く、周囲の人を大切にしているからこそです。
しかし、職場の人員不足や代替要員がいないことまで、あなたが一人で背負う必要はありません。
誰かが休んでも業務を継続できる人員配置や応援体制を整えることは、職場側の役割です。自分の気持ちのなかでは割り切っておきましょう。
周囲への感謝と自分を責めることを分けて考える
仕事を代わってくれた人に感謝することは大切です。
ただ、仕事を代わってもらったからといって自分を責め続けることはやめましょう。
「母親なのに働いて迷惑をかけている」「自分は役に立たない」というように、必要以上に罪悪感を感じる必要はありません。
感謝を言葉や行動で示したら、それ以上自分を追い込まないようにしましょう。
子育てと両立しやすい職場への転職を検討する
子どものことで休むたびに周りから責められる、子どもの看護に使える制度が使いづらい、一人薬剤師で代わりがいないといった場合は、実際問題として子どもが小さい間は働くのが難しい職場かもしれません。
そのような場合は、子育てと両立しやすい職場の転職も検討してみてはいかがでしょうか。
同じように薬剤師として働いていても、薬剤師の人数が多い職場や、店舗間でヘルプがある大手チェーンなら、急な休みにもスムーズに対応してもらえます。
子どもが小さい間は働きやすい職場を選び、ある程度大きくなったらキャリアアップをめざす、という働き方も、薬剤師なら可能です。
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子どもの熱に備えて制度と職場環境を確認しよう

子どもの急な発熱は、どれだけ注意していても起こります。いざというときに慌てないためには、パートナーと一緒に対応方法を準備しておくことが大切です。
また、職場に迷惑をかけたくないと思うのは自然なことですが、職場の人員不足の対応までママ薬剤師さんが一人で背負う必要はありません。
周囲への感謝を忘れずに、自分や子どもにとって無理の少ない働き方を考えていきましょう。



