
出産後は、赤ちゃんのお世話だけでなく、家事や各種手続きなど、やるべきことが一気に増えます。
父親が育休を取得すれば、母親の負担を減らせるだけでなく、夫婦で育児を覚え、今後の生活の基盤をつくることができます。ママ薬剤師が安心して仕事に復帰するためにも、父親が利用できる育休制度や給付金について確認しておきましょう。
記事のポイント
・父親が取れる育休には、通常の育児休業のほかに産後パパ育休がある。
・育休中は収入減を補う手当が支給される。
・育休は単なる休みではなく、夫婦で育児体制をつくる期間。
父親が利用できる育休制度

現在、父親の育休取得を後押しするため、さまざまな制度が整えられています。
出生後8週間以内に取得できる「産後パパ育休」
産後パパ育休は、原則として子どもの出生後8週間以内に、通算4週間まで取得できる制度です。正式には「出生時育児休業」といいます。
4週間を一度に休むだけでなく、2回に分けて取得することも可能です。
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原則1歳まで取得できる「育児休業」
通常の育児休業は、男女関係なく利用でき、原則として子どもが1歳になるまで取得できます。
保育園に入れないなどの事情がある場合には1歳6か月まで、さらに2歳まで延長できます。
育児休業も男女とも2回まで分割して取得できます。
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夫婦で育休を取る「パパ・ママ育休プラス」
パパ・ママ育休プラスは、夫婦がともに育児休業を取得する場合に、一定の条件を満たすと子どもが1歳2か月になるまで休業期間を延ばせる制度です。
ただし、一人が取得できる育児休業が1年2か月に延びるわけではありません。一人当たりの取得期間は原則1年間で、母親の場合は産後休業期間を含めて1年間です。
母親が先に育休を取得し、その後に父親が引き継ぐなど、夫婦で取得時期をずらすことで、家庭で子どもをみられる期間を長くできます。
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産後パパ育休と通常の育児休業は別に取得できる
産後パパ育休は、通常の育児休業とは別の制度です。そのため、父親は産後パパ育休と通常の育児休業を取得できます。
それぞれ分割取得もできるので、出産直後、里帰りから戻る時期、母親の復職時など、家庭の負担が大きくなるタイミングに合わせて取得できるのがメリットです。
父親の育休中の収入はどうなる?

父親が育休を取る際、家計への影響が気になる家庭も多いでしょう。
育休中の給料は勤務先によって異なる
育休期間中に会社が給料を支払う法律上の義務はありません。そのため、無給となる勤務先が一般的ですが、独自に給与や手当を支給しているところもあります。
まずは勤務先の就業規則や育児休業規程を確認しましょう。
育休中は育児休業給付を受けられる
雇用保険の条件を満たすと、産後パパ育休中には「出生時育児休業給付金」、通常の育児休業中には「育児休業給付金」が支給されます。
この給付を受けるためには、原則として、休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月、または就業時間が80時間以上ある月が通算12か月以上必要です。
出生時育児休業給付金の支給額は休業開始時賃金の67%です。
育児休業給付金の支給率は、原則として休業開始から180日までは休業開始時賃金日額の67%、181日目以降は50%です。
休業中に勤務先から賃金が支払われる場合は、金額に応じて給付額が調整されます。
条件を満たすと出生後休業支援給付金が加算される
2025年4月から「出生後休業支援給付金」が始まりました。原則として、子どもの出生直後に夫婦がそれぞれ14日以上の育休を取得すると、最大28日間、通常の育児休業給付に休業開始時賃金の13%相当が上乗せされます。
通常の給付率67%と合わせると給付率は80%です。育休中は社会保険料が免除、給付金には税金がかからないため、手取り額は休業前とほぼ同じ水準になるとされています。
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育休中は社会保険料が免除される
育休中は、事業主が申し出ることで、健康保険料と厚生年金保険料が本人・会社負担分ともに免除されます。免除期間があっても、将来の年金額には影響ありません。
父親の育休取得率はどのくらい?

近年、育休を取る父親が増えていると言われていますが、実際はどうなのでしょうか。
育休を取る父親は4割を超えている
厚生労働省の調査によると、2024年度の男性の育児休業取得率は40.5%でした。前年度の30.1%から10.4ポイント上昇しており、育休を取る父親は着実に増えています。
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父親の育休取得期間も長くなっている
父親の育休は、以前は数日程度の取得が中心でしたが、取得期間も長くなっています。
厚生労働省の調査では、男性の取得期間で最も多かったのは「1か月以上3か月未満」の28.0%でした。「2週間以上1か月未満」も20.4%を占めています。
一方、「5日未満」は15.7%で、平成27年度の56.9%から大きく減少しました。
取得率だけでなく、父親が一定期間、実際に育児を担う家庭が増えていることがわかります。
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父親の育休はいつ・どのくらい取るとよい?

育休を取る時期に正解はありません。育休時期を考えるポイントをまとめました。
出産直後に取得する
出産直後は、母親の体が十分に回復していません。夜間の授乳やおむつ替えに加え、食事の準備、洗濯、買い物といった家事にさまざまな手続きも重なります。
パパが育休を取得し、赤ちゃんのお世話だけでなく家事を担うことで、ママはゆっくり休むことができます。
出産時のトラブルなどでママの回復に時間がかかる場合は、できるだけ長めの取得を考えましょう。
里帰り出産から戻る時期に取得する
ママが実家に戻って里帰り出産をする家庭も多いでしょう。
ただ、里帰り中は実家のサポートを受けられても、自宅に戻った途端、母親一人に負担が集中してしまいます。
里帰りから戻る時期に父親が育休を取れば、新しい生活に夫婦で慣れることができます。産後パパ育休を2回に分け、出産直後と里帰り終了時に取得する方法もあります。
ママ薬剤師の仕事復帰に合わせて取得する
ママ薬剤師が育休を終えて仕事に復帰したあと、父親が交代で育休を取得する方法もあります。
育休をバトンタッチすれば、子どもが家庭で過ごす期間を延ばせます。希望する保育園の入園時期まで待ちたい場合や、母親が早めに仕事へ復帰したい場合にも選択肢となるでしょう。
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夫婦が交代で取得する
夫婦が同時に休む方法だけでなく、交代で育休を取得する方法もあります。
上記のように、母親の育休終了後に父親が育休を引き継げば、家庭で子どもを育てる期間を長くできます。
また、通常の育児休業は2回まで分割して取得可能です。夫婦が育休と仕事復帰を交互に組み合わせる方法もあります。
たとえば、母親が育休を取ったあとに父親が育休を取得し、母親が仕事に復帰します。その後、母親が2回目の育休を取り、父親は仕事復帰。母親が2度目の仕事復帰した際に父親が2回目の育休を取得するといった分担も可能です。
育休を分けて取ることで、夫婦ともに定期的に職場へ戻るので、仕事の状況や感覚をつかみやすくなります。
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父親が育休取得するときの注意ポイント

父親が育休を取得するときに考えておきたいことをまとめました。
どのように育休を取るかを夫婦ですり合わせる
現在は、父親と母親の育休期間を比較的柔軟に設定できます。同時に取得する、交代で取得するなど、家庭に合った取り方を選べます。
お互いの仕事の繁忙期や復職後のキャリア、育休中の収入などを確認し、いつ、どちらが、どのくらい取得するのがよいかを話し合っておきましょう。
保育園の入園時期や、祖父母などから受けられるサポートも含めて考えることが大切です。
あわせて、育休中の家事・育児をどのように分担するかも決めておきましょう。
授乳やおむつ替え、寝かしつけ、食事の準備、洗濯、買い物などについて、夫婦で具体的にすり合わせておくと安心です。
「子育てを手伝う期間」ではなく、夫婦で育児体制をつくる期間と考える
父親の育休は、母親の育児を一時的に「手伝う」ための期間ではありません。夫婦のどちらも家事や育児を担えるようになり、お互いが職場復帰したあとも、子どものいる共働き生活を無理なく回せる体制をつくることが目的です。
育休中も母親が家事と育児を中心に担い、父親が指示を待っている状態では、職場復帰後も母親に負担が偏ってしまいます。父親も子どもの生活リズムや必要なお世話を理解し、一人でも対応できるようになっておくことが大切です。
父親の育休取得を夫婦で子育てする第一歩にしよう

現在、父親の育児休業は柔軟に取れるようになっています。給付金などによって、休業中の収入についても配慮されています。
大切なのは、育休を取ること自体を目的にするのではなく、その期間に父親も育児や家事を経験し、育休終了後も夫婦で分担できる体制をつくることです。
ママ薬剤師の出産後の回復や仕事復帰を支えるためにも、妊娠中から取得時期や役割分担について話し合い、夫婦で子育てを始める準備を進めておきましょう。



