
ママ薬剤師として働きながらの出産・育児は、職場復帰のタイミングやシフトの調整など、ただでさえ考えることが多いものです。
そんななか、1人目の育休中や育休から復帰してすぐに2人目の妊娠がわかった場合、「続けて2人目の育休って取れるの?」「育児休業給付金はちゃんともらえる?」と不安になってしまうでしょう。
育休の経験はあっても、想定外の妊娠になるとわからないことが多くなります。
今回は、ママ薬剤師が知っておくべき2人目の育休・給付金ルールについて、わかりやすく解説します。
記事のポイント
・育休中や復帰1年未満で妊娠した場合でも、2人目の育休は取得できる。
・育休中や復帰1年未満で妊娠した場合でも、基本的に育児休業給付金も給付される。
・育休を連続取得するか、一度職場復帰を挟むかには、メリット・デメリットがある。
ママ薬剤師が育休中や復帰1年未満で妊娠した場合、2人目の育休は取得できる?

1人目の育休の最中や復帰して1年たたないうちに2人目の妊娠がわかった場合、2人目の育休の扱いはどうなるのでしょうか。
【結論】育休中・復帰1年未満での2人目妊娠でも育休は取得できる
多くのママ薬剤師が直面する疑問ですが、結論から言うと、1人目の育休中や復帰1年未満というタイミングであっても、2人目の育休は法律上、問題なく取得できます。
育休は法律で認められている制度であり、会社から許可してもらうという性質のものではありません。そのため「取得してはいけないのでは」と過度に不安にならなくて大丈夫です。
まずは「育休中」と「復帰1年未満」それぞれのケースで、どのように制度が適用されるかを確認しておきましょう。
ケース①:1人目の育休中に2人目を妊娠した場合
現在1人目の育休を満喫しているママ薬剤師の方は、以下の点に注目してください。
1人目の育休中に2人目の妊娠がわかり、2人目の産休が育休終了前に始まる場合は、職場復帰せずに育休を連続で取ることができます。
2人目の産休が始まる時点で1人目の育休は自動的に終了となり、そのまま2人目の産休+育休につながるという扱いになります。
ただ、パートや派遣などの有期雇用の場合は、育休の取得には「子どもが1歳6か月になるまでに契約終了にならない」といった条件があります。不安がある場合は、雇用契約を確認し、早めに会社に相談しましょう。
ケース②:復帰1年未満で2人目を妊娠した場合
現場に戻って間もないママ薬剤師の方は、こちらのケースに当てはまります。
育休から復帰して数カ月で妊娠したというケースでも、基本的には育休を取得することができます。正社員薬剤師で継続勤務している場合は、復帰1年未満での妊娠でも問題なく育休を取れるでしょう。
パートや派遣などの有期雇用の場合でも、連続育休と同様に、条件を満たしていれば育休を取得できます。雇用契約を確認し、どういう扱いになるかを会社と相談しましょう。
育児休業給付金ももらえる
家計を支えるママ薬剤師にとって、もっとも気になるポイントではないでしょうか。
育休が取得できることと同じくらい重要なのが、お金の面です。
結論から言うと、2人目の育休であっても、雇用保険の基準をクリアしていれば育児休業給付金はきちんともらえます。
育休中や復帰直後だと、給付金の条件である勤続期間が足りないのではと不安になるかもしれません。
しかし、雇用保険には、育休に関して特別な救済のためのルールがあります。
このルールについては、続けて詳しく説明します。
関連記事産休・育休取得前~取得後篇
「4年遡り」とは?2人目の育児休業給付金の注意点

ここからは、もらえるか気になる2人目の育児休業給付金について詳しく解説します。
まず、育児休業給付金の支給条件を確認
ママ薬剤師が知っておくべき、一般的な給付条件をおさらいしましょう。
育児休業給付金は、原則として、
・育休開始前2年間に、11日以上、または80時間以上働いた月が12か月以上あること(日々雇用を除く)
が条件です。
1人目の育休中や復帰直後の場合、この「過去2年間で12カ月以上働く」という条件をクリアするのが難しくなります。
しかし、出産・育児などで働けなかった期間については特例があります。そこで登場するのが「4年遡り」の特例です。
育休の特例「4年遡り」とは?
この特例は、キャリアを継続したいママ薬剤師の強い味方です。
「4年遡り」とは、次のようなルールです。
育休取得の場合、通常は「育休開始前2年間」を基準にしますが、その期間内に第1子の産休・育休や本人の病気などで、30日以上賃金の支払いが受けられなかった期間がある場合、その期間を合算し、最大4年まで遡って計算してよい。
つまり、1人目の産休・育休のせいで直近2年間の勤務日数が足りない場合でも、最大4年前まで遡って通算してくれるということです。そのため、2人目でも給付金を受け取れる可能性が非常に高くなります。
関連記事育休復帰前~復帰後篇
【ケース別】2人目の妊娠での育児休業給付金は出る?期間別に解説!

ママ薬剤師の皆さんのライフプランに合わせて、3つのパターンを見ていきましょう。
育児給付金が出るのは具体的にどのような場合か、よくある3つのケースについて給付金が出るかどうかを解説します。
1人目の育休から復帰後、1年未満で再び産休に入る場合
職場復帰してバリバリ働き始めた矢先のママ薬剤師も安心してください。
▶︎給付金は出る?:出る
育休から復帰して数カ月しか経っていない場合、直近2年間だけでは勤務日数が12カ月に満たないかもしれません。
しかし、前述の「4年遡り」の特例が適用されるため、1人目の出産前に12カ月以上働いていれば、問題なく2人目の給付金も支給されます。
1人目の育休中に妊娠し、復帰せずに育児休業 に入る場合
育児に専念しているママ薬剤師が、そのまま2人目の準備に入るケースです。
▶︎給付金は出る?:出る
1人目の育休から一度も復帰せず、そのまま2人目の産休・育休に入る場合も、「4年遡り」の特例が適用されます。
1人目の産休に入る前の勤務実績がそのままスライドして2人目の審査に使われるため、1人目で受給できていれば、2人目も基本的には受給可能です。
ただ、育休を2年間取得した場合は、出産前の勤務期間が足りているかどうかに注意しましょう。
もし2人目の育休中に3人目を妊娠したら?
子だくさんを希望するママ薬剤師なら、一度は考えるシチュエーションです。
▶︎給付金は出る?:基本的には出るが、出ない可能性がある
このケースでも、基本的には「4年遡り」のルールが適用されます。
ただ、上2人の育休の取り方によっては、給付金が出ないケースも出てきます。
給付金の特例の上限は「最大4年」です。もし、1人目、2人目と続けてまったく復帰せずに3人目の育休取得をする場合、遡った4年の枠から1人目出産前の勤務期間がはみ出して、勤務実績が足りなくなる可能性があります。
3人目を妊娠した場合は、会社と相談しながら事前に期間をきちんと確認しましょう。状況によっては一度職場復帰を挟むことも考えましょう。
関連記事産休・育休とは?期間・給付金額の自動計算と知るべきポイント
育休中や復帰1年未満で妊娠したママ薬剤師が注意したいポイント

短期間で連続して妊娠した場合、制度上は問題なくても、あなたの復帰を前提としていた職場には影響が出てしまいます。ママ薬剤師としてスムーズに産休・育休に入るためには、いくつか注意しなければならないことがあります。
妊娠がわかったら早めに相談
責任感の強いママ薬剤師ほど、報告のタイミングに悩むものです。
調剤薬局や病院は少人数でシフトを回していることが多く、薬剤師が減ると他のスタッフに負担がかかります。
復帰直後の妊娠や育休中の妊娠は「言いづらい」と感じるかもしれませんが、妊娠がわかったらできるだけ早く上司に報告しましょう。
早めの相談が、結果的に職場の負担を減らすことにつながります。
まわりへの感謝と配慮を忘れない
円満な人間関係を築くことは、ママ薬剤師の復帰後の安心感につながります。
連続での育休や復帰直後の産休は、周囲のスタッフに負担をかけることになります。
「制度だから当然」という態度ではなく、「急な報告になって申し訳ありません」「サポートしていただき感謝しています」という姿勢を言葉で伝えることが大切です。
周囲への感謝を示しながら制度を活用することで、育休から復帰した後も働きやすくなるでしょう。
できれば育休は連続取得よりも職場復帰を挟むほうがベター
キャリアプランに悩むママ薬剤師のために、それぞれの違いを整理しました。
1人目の育休中に2人目の妊娠がわかった場合、育休を連続で取得するか、一度職場復帰を挟むかには、それぞれメリット・デメリットがあります。
連続取得は生活リズムを変えずに育児に集中できる一方、仕事のブランクが長くなり職場との関係に不安を感じることもあります。
3人目を連続して妊娠した場合、給付金の条件を満たせなくなるかもしれません。
途中で職場復帰を挟む場合は、仕事と育児の両立で体力的にハードにはなりますが、仕事の感覚を取り戻しやすく、職場の理解も得やすいでしょう。
長期的なキャリアや給付金の条件などを考えると、可能であれば短期間でも一度復帰を挟むほうがベターかもしれません。
ただ、体調や家庭の状況を考えて、無理のない選択をすることが大切です。
【ママ薬剤師へ】制度を理解して安心して育休を取得しよう

最後に、不安を抱えるママ薬剤師の皆さんへ。
女性の多い薬剤師の世界では、産休・育休を取ることは一般的ですが、連続取得となると肩身が狭く感じるかもしれません。
しかし、育休は法律で認められた権利であり、子育てを支えるための大切な制度です。
制度を正しく理解し、早めに情報収集や相談を行うことで、必要以上に不安を抱えずにすみます。
ママ薬剤師として仕事も家庭も無理なく続けていくために、自分と家族に合った育休の取り方を選んでいきましょう。



