ミクス編集部は、ネグジット総研の協力により、保険薬局薬剤師200人に地域医療
への関わりについてアンケート調査を行った。多くの薬剤師は超高齢化社会を受けて
医療や介護の場が「施設完結型」から「地域包括型」へ転換していくものと予測しており、
全体の85%が在宅医療への取り組みを前向きに考えていた。地域連携に参画していく
うえで、73%の薬剤師が製薬企業に支援を期待していることがわかった。
地域医療の支援においてMRを含め製薬企業側に期待することとして、
「患者や地域住民に役立つ情報や患者向け資材の提供」や「住民や介護・医療関係者を
巻き込んだ講演会やイベント」などへのニーズが高かった。
一方、地域医療連携を具体的に進めるための医師、訪問看護師、ケアマネージャー
などとの多職種連携については、橋渡しとしての活動を望む声もあった。薬局薬剤師の
役割が地域や多職種に認知され、地域連携に貢献していくために、MRなど製薬企業側が
職種の間に入り、職種同士をつなげていく役割を期待していることが示唆された。
これまでに有益だった地域医療連携に対する製薬企業側の支援を聞いたところ、
「特に無い」「わからない」が57%に上った。現時点では、地域医療連携や
薬剤師の役割に着目する活動は少なかったが、「服薬困難な高齢者に対する服薬の
工夫に関する情報提供」や「地区薬剤師会への支援」を評価する意見も散見され、
地域における薬局薬剤師の役割が高まっていることを見据えて、接点を持つ企業が
出始めていることがうかがえた。