転職エージェント各社のコンサルタントが、これまで手掛けた薬剤師の転職サポートのなかで、最も印象深いエピソードをご紹介する連載企画。第4回は「独立開業に向けてキャリアアップしたい」です。
鈴木さまは、これまで総合病院やクリニックの門前薬局をはじめ、面薬局やドラッグストアに勤務。在宅業務にも積極的に取り組み、薬剤師としてマルチな経験を積まれてきました。その理由は、「将来、自分で薬局を開業したい」という思いがあったから。当時お勤めだった薬局への転職も、将来的に独立支援するという提案を受けて決意されたとのことでした。
しかし、いざ転職してみると業務は多忙を極め、目の前の処方箋をさばくために残業を続ける毎日。薬局経営の勉強をする余裕などとてもありませんでした。
そのうえ、本社が経営不振に陥り「独立支援は難しい」と通達してきたことから、転職を決意されました。
鈴木さまの転職におけるご希望は、シンプルに「薬局経営について学べ、独立支援が受けられる環境」。通勤時間も90分まで検討可能で、年収も現状維持ができれば良いとのことで、改めて鈴木さまの独立開業への強い思いを感じました。
そんな鈴木さまでしたが、当時の職場に「裏切られた」という思いから、「薬剤師不足を埋めたいがために、実績もないのに『独立支援』をうたう企業には転職したくない」と転職先の選定にはナイーブなご様子でした。
そこで、鈴木さまと面会させていただいた際に「薬剤師としての理想のキャリアビジョン」を詳細にうかがい、レポートを作成。具体的に何年後に開業したいのか、そのために薬剤師としてどんなスキルを伸ばしていきたいのかを可視化しました。
そして、法人さまに打診する際には、求職者情報と併せて必ずこのレポートをお渡しして、開業に対する熱意をお伝えしました。
こうして「独立支援」が転職の最優先条件だと誤解なく伝えられたことで、ついに鈴木さまの薬剤師としてのキャリアビジョンに興味をもっていただける法人さまと出合うことができました。
この法人さまは薬剤師の独立支援についての実績も豊富で、「この法人さまなら自信をもってご紹介できる」と確信しました。
ただ、唯一の懸念は年収でした。今回提示された年収は600万円で、残業はほぼゼロ。一方、当時の職場は年収590万円ですが残業代込みで630万円だったため、年収はわずかにダウンしてしまいます。
その旨を鈴木さまにお伝えしたところ、「年収よりも独立支援を優先したいと言ったのは自分。二人目の子どもが生まれたばかりだし、早く帰宅できるのはむしろありがたい」と年収ダウンについてもご理解をいただくことができました。
こうして条件面の合意も得ることができ、その後はとんとん拍子で内定。ご相談いただいた当初は心身ともに疲れ切っていたご様子だった鈴木さまが、転職時には晴れやかな表情をされていて、私としても非常に充実感を得ることができました。
いまでは、新規店舗の管理薬剤師として、処方せん増加や人員体制の構築など、店舗を軌道に乗せる取り組みを実践されているとのことです。
今回の鈴木さまのように、面接時に聞いていた働き方とかけ離れた就業環境でご無理を重ねている薬剤師さまは、残念ながら少なくありません。
どうか不満を抱えたまま働き続けず、薬剤師として希望通りの条件で働ける職場への転職をご一考ください。皆さまの希望が叶う転職先は必ずあります。
また、こうした「転職前に聞いていた話と違う」といった事態を防ぐうえでも、信頼できる薬剤師専門の転職エージェントを選んでいただくことは非常に重要です。
薬剤師専門の転職エージェントをご利用していれば、転職前に労働条件の徹底した確認を行うことはもちろん、万一、働き方が条件と異なる時でも薬局との交渉をお引き受けできます。利用はすべて無料ですし、もしもに備えて転職エージェントを上手に使っていただければ幸いです。
私どもユニヴは、転職活動に臨まれる経緯・背景から将来の展望まで、薬剤師さまに直接面会しておうかがいいたします。そのうえで、薬剤師として叶えたいキャリアビジョンはもちろん、薬剤師さまお一人おひとりのライフプランにしっかりと寄り添うことが私どものモットーです。
薬剤師さまが本当にご安心・ご納得いただける転職活動をサポートさせていただきますので、少しでも職場にお悩みをおもちの薬剤師さまは是非一度、ユニヴにご相談くださいませ。