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薬剤師がコロナ禍でも転職を成功させるために必要なポイント

近年、薬局薬剤師数の増加率が処方箋受付枚数の増加率を上回るなど、薬剤師の需要は徐々に充足傾向になり、薬剤師の転職市場は企業優位な”買い手市場化”が進んでいました。その買い手市場化は、2020年の新型コロナウイルス感染拡大の影響で一気に加速。受診控えによる患者数・処方箋枚数の減少により薬剤師の需要が下がり、薬剤師の転職難易度が急上昇しました。コロナ禍で転職のハードルが高くなったいま、転職を成功させるためには何に気をつければいいのでしょうか。 エムスリーキャリアのベテランコンサルタントに、コロナ禍における転職市場の変化、転職を成功させるポイントについて聞きました。

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Q1.新型コロナウイルス感染拡大後、転職難易度が高くなった理由を教えてください

転職難易度が高くなった大きな理由は、処方箋枚数の減少とそれに伴う薬局の収益悪化です。 新型コロナウイルス感染拡大により、感染の懸念から医療機関へ受診する人が大きく減りました。薬局の収益は処方箋受付枚数による調剤報酬が大きな割合を占めているため、受診控えは薬局の経営にダイレクトに打撃を与えたのです。処方箋枚数が減少したことで、配置する薬剤師を減らしたり中途採用を控えたりする薬局が増えたため、求人数が減り転職のハードルが高くなったのです。

Q2.雇用形態によって転職難易度に差はあるのでしょうか

すべての雇用形態で求人が減っているため転職難易度は上がっていますが、なかでも厳しいのは派遣薬剤師でしょう。
これまで東京都や大阪府といった都市部では、人員不足や欠員が出た際、正社員を獲得できるまで派遣薬剤師を雇って店舗運営を維持する薬局・ドラッグストアが多くありました。 しかし、患者数が減って人員にゆとりができた企業が多くなり、特に在籍している薬剤師数が多い大手チェーンを中心に派遣薬剤師の需要が急速に下がりました。同様に、正社員薬剤師だけで運営できる店舗が増えたため、パート薬剤師の求人数も減ってきていますね。
派遣・パートの薬剤師が転職できないというわけではありませんが、これまでよりも年収・時給が控えめだったり、土日の出勤が求められたりと、企業側の条件が厳しくなっています。

正社員についても派遣・パートに比べれば求人の数は多いですが、採用ハードルが高くなっていることは変わりません。

Q3.転職市場の厳しい状況がわかりました。では、転職を成功させるためのポイントについて教えてください。

これまで薬剤師の転職市場は、薬剤師優位な「売り手市場」と言われてきました。そのため、「履歴書は適当でも書類選考は通過できる」「薬剤師の希望条件をどこまで企業が受け入れられるかが焦点」といった古い価値観を持ち続けている人が少なくありません(詳しくは、「2021年の薬剤師転職市場はどうなる?新型コロナウイルスが中途採用に与えた影響は?」をご覧ください)。
まず、こうした「資格をもっていれば転職できる」という甘い考えを捨てることが転職成功の第一歩です。

Q4.たしかに薬剤師は一般職に比べて、履歴書や職務経歴書の作成に注力している人が少ない印象があります。作成のポイントを教えてください。

履歴書や職務経歴書で強調して伝えたいポイントは、国が求める薬剤師像に沿ったキャリアを積んでいる、もしくは積む意欲があることです。国が求める薬剤師像とは「対人業務ができる薬剤師」です。具体的には、かかりつけ薬剤師としてのスキル・経験や在宅医療経験がポイントですね。かかりつけ薬剤師としての勤務歴があるならば、併せて一月当たりのかかりつけ患者数を明記すると良いでしょう。特に一月当たり20~30人のかかりつけ患者をもっている薬剤師は、かかりつけ業務に精通している薬剤師として評価が高くなる印象です。在宅医療については、介護施設だけでなく患者宅訪問の経験があることや、在宅医の診療同行や多職種連携会議への参加経験を評価する企業が多いです。
かかりつけ業務や在宅医療の経験がない場合は、志望動機などで「積極的に経験を積んでいくという意欲がある」ことを示す必要があります。また、研修認定薬剤師の単位取得を進めているなど、かかりつけ薬剤師になるための準備を進めていることをアピールしても良いでしょう。

Q5.面接のポイントを教えてください

色んなポイントがありますが、特に大切な点を挙げるならば「薬剤師として企業にどのような貢献ができるか」を説明できることですね。薬剤師に限らず医療人全体に言えることですが、「医療は仁術。お金儲けのことを考えるのはけしからん」という考えの人が少なくありません。
もちろん、患者さんを第一に考えること自体は薬剤師として欠かせない非常に大切な姿勢です。とはいえ、新型コロナウイルス感染拡大の影響で経営が悪化している店舗が多い昨今、経営的な視点がゼロというのは問題です。
経営のことしか考えないのではなく、経営のことも考えられる人材であることを面接官にアピールしましょう。たとえば、「毎月新規のかかりつけ患者を獲得していた」「新店立ち上げの経験がある」「在庫管理を工夫して廃棄薬を減らした」などのエピソードがあると高評価につながりやすいです。

Q6.最後に、今後の転職市場の展望を教えてください

新型コロナウイルス感染拡大が沈静化すれば、求人数や待遇がコロナ前の水準に戻ると考えるのは危険でしょう。
なぜなら、コロナ前から薬剤師の転職市場は徐々に”買い手市場”化していたからです。コロナはあくまで買い手市場化を前倒しにした要因と考えるべきでしょう。
同様に、「じっと我慢していれば、また好条件求人が出るようになる」と考えて転職活動を引き延ばす考えも危険です。特に調剤薬局やドラッグストアでは大手企業を中心に、新卒薬剤師を強化する企業が増えており、中途薬剤師の採用を抑える動きが見られます。
中途採用の好条件求人は、今後いっそう競争率が高くなっていくと考えられます。
そのため、良い求人を見つけたときに様子をみていると、他の薬剤師が先に内定を獲得して募集が締め切られてしまう恐れが高くなっているのです。転職先の吟味は大切ですが、安易に決断を先延ばしするのは危険なことを覚えておいていただきたいですね。

まとめ

コロナ禍における薬剤師の転職成功のポイントをまとめましょう。

  • 売り手市場だった時代の価値観は捨てる
  • 国が求める薬剤師像に沿ったスキル・キャリアをアピール(もしくは意欲を示す)
  • 薬剤師としてどのように企業貢献できるかを明確にする

薬剤師業界は、新型コロナウイルス感染拡大による影響で、売り手市場から買い手市場への転換が一気に進みました。そのため、「転職市場が変わったと言われても、何に気をつければいいのかわからない」という薬剤師の方が少なくないはずです。
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