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進む薬局のICT化と、今後の薬剤師に求められる役割

2015年に厚生労働省が策定した「患者のための薬局ビジョン」では、「ICTを活用した服薬情報の一元的・継続的把握」や「医療機関をはじめとする関係機関との連携」が掲げられ、服薬情報のデジタル管理が進みました。そして、2020年にはオンライン服薬指導が解禁。新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛の影響もあり、急速な広がりを見せています。 ここでは、近年の薬局・薬剤師を取り巻くICT化の現状と、それに伴う薬剤師の役割の変化を解説します。

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目次

デジタル管理からAIによる調剤支援へ

電子薬歴はすでに主流に。さらなる調剤業務の電子化が進む

厚生労働省の「かかりつけ薬剤師・薬局に関する調査報告書」によれば、2017年11月~2018年2月の集計で電子薬歴の普及率は70.9%。現在はさらに普及が進んでいることが予想され、現在の薬局は電子薬歴による管理が主流といって間違いないでしょう。

電子薬歴にはさまざまなメリットがありますが、主なメリットは次の通りです。

  • 薬歴記載の時間短縮
  • 患者情報の共有が容易
  • データベースを使った処方監査が可能

なかでも、「データベースを使った処方監査」は薬剤師の調剤過誤を減らすという点で、薬剤師の業務改善に大きく貢献しました。GS1バーコードを利用してレセコンに入力した処方と照合するシステムは、さまざまな企業で導入されています。
さらに近年は、一包化された薬の名称と数量をそれぞれ自動的に判定する「一包化監査支援システム」も開発されています。
こうした技術革新により、薬剤師は目視監査の負担が軽くなり、より患者対応に集中できるようになりました。

AIによる調剤業務支援も開始

薬局業界において、AIの学習機能を活用する企業も出てきました。
2019年12月、グループ全体で1,000店舗を超える薬局を展開するクラフト株式会社と、日本アイ・ビー・エム株式会社は「薬剤師支援AIソリューション(AIPS:AI Personal Support)」の運用を開始しました。
このシステムは同社の薬剤師が行った「処方鑑査、疑義照会、服薬指導」などの業務を蓄積し、膨大な調剤データ、疑義照会や服薬指導の記録をAI技術のパターン学習で解析します。その結果、「許容の範囲であって間違いではないが、全国的に見ると珍しい処方」にアラートを出したり、処方される薬と薬剤師の熟練度に合わせて、服薬指導の際に気をつけるポイントが表示されたりするとのことです。
今後、こうしたAIの学習機能を搭載したシステムがさらに広がっていくことが考えられます。

オンライン服薬指導の広がり

オンライン診療との連携がポイント

株式会社メドレーの「Pharms」とMICIN(マイシン)の「curonお薬サポート」など、オンライン診療システムの提供実績がある企業が存在感を示しています。
オンライン服薬指導は医療機関から届く電子処方箋を受け取って進めるため、オンライン診療を行う医療機関側のシステムとの連携が導入のキーポイントとなっているようです。

独自のオンライン服薬指導システムを開発する企業も

新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛を受けて、オンライン服薬指導のニーズは急速に拡大しています。そんななか、独自のオンライン服薬指導システムを開発する調剤薬局も出てきました。
日本調剤グループは2020年9月、「日本調剤オンライン薬局サービス」の運用をスタート。
自社開発の調剤システムと情報連携させることで、患者の登録作業を簡便化。24時間いつでも予約できることを強みとしています。

「日本調剤 オンライン薬局サービス」を自社開発 ~当社全国の薬局(*1)でオンライン服薬指導システムの運用開始~

これからの薬局薬剤師に必要な資質・スキル

これまで紹介してきたように、薬局では薬剤師の業務を支援するさまざまな医療機器・システムが開発されていますが、その多くは「薬剤師の対人業務を充実させる」ことを目的としています。
つまり、今後の薬局薬剤師はこれまで以上に対人業務に精通することが求められているのです。具体的には「かかりつけ薬剤師」としての活躍が期待されていると言えるでしょう。
かかりつけ薬剤師になるためには、3年以上の調剤薬局勤務経験、研修認定薬剤師の取得などいくつかの要件があります。
まだ要件を満たしていない人は早めに、実績を職場に移ることをおすすめします。
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