
出産後の職場復帰を考える病院薬剤師にとって、「保活」は避けて通れない大切なステップです。特に病院勤務は早番・遅番や当直、土曜勤務などがある場合もあり、一般的な会社員とは異なる視点で保育園を選ぶ必要があります。
また、「病院薬剤師は保育園の選考で有利なの?」「院内保育園と認可保育園はどちらがいいの?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
この記事では、病院薬剤師のママが知っておきたい保活の基本から、保育園選びのポイント、院内保育園の特徴まで詳しく解説します。
記事のポイント
・病院薬剤師というだけでは保育園入園の加点はないが、フルタイム、夜勤があるなどは反映される。
・病院内の保育園が使えることがあるのは病院薬剤師のメリット。
・途中での転園も考えながら、働き方に合った保育園を選ぼう。
【ママ薬剤師がまず知りたい】保活の基本

「保活」とは、子どもを保育園に入れるために行う一連の活動のことです。まずは保活の全体像を押さえましょう。
保育園の種類
保育園には、大きく分けて「認可保育園」と「認可外保育園」があります。
・認可保育園:
国が定めた基準を満たした園です。自治体が点数制で選考を行い、保育料は世帯収入に応じて決まります。
・認可外保育園:
自治体の認可を受けていない園で、それぞれ独自の基準で運営されています。入園に際しては、先着順や面接による選考となります。「院内保育園」も、多くはこの認可外に分類されます。
病院薬剤師の場合は、認可保育園だけでなく院内保育園も選択肢になるため、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。
保活はいつから始める?
保活は、できれば妊娠中から情報収集を始めるのがおすすめです。
特に4月入園を希望する場合、多くの自治体では前年秋ごろから申し込みが始まります。見学のスケジュールなどもあるため、早めの準備が重要です。
育休終了後の復職時期が決まっている場合は、逆算してスケジュールを立てましょう。
途中入園は空き枠が少なくなる傾向があるため、希望する時期に入園できない可能性も考慮しておく必要があります。
病院薬剤師は保育園の選考で有利?
認可保育園の選考は、保護者の就労状況などを数値化した「点数」の高い順に決まります。「病院薬剤師だから」のように職種だけで加点されることは基本的にはありません。
しかし、「フルタイム勤務」「シフト制で勤務時間が長い」「夜勤や当直がある」「土日祝の勤務がある」といった勤務実態がある場合、自治体によっては「就労環境の厳しさ」として基本点数が高く設定されたり、調整指数で加点されたりすることがあります。
その意味では、一般的な事務職のパート勤務などに比べると、選考で有利になる傾向があると言えます。
ただ、選考基準は自治体ごとに異なるため、居住地の制度を事前に確認しておきましょう。
参考記事:現在の状況別 お金と制度解説 「育休復帰前~復帰後」篇
病院薬剤師が保育園選びで確認したいポイント

病院薬剤師のなかにはシフト制で働いている人も多くいます。保育園を選ぶ際には、以下の点を確認しましょう。
勤務時間と保育園の開園時間が合うか
病院薬剤師は勤務時間が不規則になりがちです。
育児中は「日勤のみ」「遅番なし」といったシフトの配慮をしてもらえるケースもありますが、それらも含めて実際の勤務スケジュールと園の開園時間が合うかを確認しておくことが大切です。
送迎の時間に余裕がない計画だと、毎日の負担が大きくなります。
延長保育や土曜保育があるか
病院のなかには、土曜勤務や残業があるところもあります。
そのような病院で働いているママ薬剤師にとって、延長保育や土曜保育の有無は重要な確認ポイントです。
また、現在は利用予定がなくても、復職後に勤務体制が変わる可能性があります。将来的な働き方も見据えて選ぶと安心です。
自宅・職場からの通いやすさ
保育園は毎日忙しいなかで通う場所です。
自宅から近い保育園を選ぶことが一般的ですが、職場の近くにある保育園のほうが送迎しやすい場合もあります。
特に子どもが急な発熱をした場合、職場からすぐ迎えに行けるかどうかは大きなポイントです。
実際の通勤ルートや、他の家族の送迎の有無などを考えながら検討するとよいでしょう。
参考記事:現在の状況別 お金と制度解説
【病院薬剤師は有利?】院内保育園とは

育休後に職場復帰しようとすると、保育園の激戦区では定員がいっぱいで入れないことがあります。そのようなときに頼りになるのが勤務先である病院が運営する「院内保育園」の存在です。
院内保育園とは
院内保育園とは、病院の敷地内、またはすぐ近くに設置され、その病院で働く医師、看護師、薬剤師などの医療従事者の子どもを預かる保育施設です。
病院勤務者の働き方に合わせて運営されていることが最大の特徴です。
院内保育園の開園時間は施設によって異なりますが、一般的には7時前後から18~20時ごろまで利用できることが多く、夜間保育や24時間保育に対応している病院もあります。
利用できる時間は職員の勤務時間に合わせて設定されていることが多いため、事前に利用条件を確認しておきましょう。
また、基本の保育時間は一律で決まっているわけではなく、「親の勤務開始の◯分前〜勤務終了の◯分後まで」と個別に指定されるケースが多いです。
そのため、仕事が終わったら速やかにお迎えに行くのが原則となります。
入園できる条件
基本的には「その病院の職員であること」が条件となっています。フルタイムやパートといった雇用形態は問われないことが一般的です。
ただ、保育園の定員によっては、医師や看護師の子どもが優先で、薬剤師は対象外ということもあるので事前に確認しましょう。
地域の認可保育園のような自治体による厳しい選考がないため、定員に空きさえあれば、復職のタイミングに合わせてほぼ確実に入れるのは安心だといえます。
院内保育園の利用料金
院内保育園は病院が福利厚生の一環として運営・補助しているため、一般的な認可外保育園に比べて利用料金がリーズナブルに設定されていることが多いです。
院内保育園の利用料金は病院ごとに異なりますが、月額1万円~3万円程度に設定されていることが一般的です。
また、1日単位や時間単位のスポット利用が可能な園もあります。
そのような園であれば、普段は地域の認可保育園に通わせ、日曜出勤の日だけ、あるいは自分の当直の日(夜間保育)だけ、スポットで院内保育園に預けるという使い方が可能です。
参考記事:ママ薬剤師が産休・育休でもらえるお金を自動計算!産休・育休のポイントも
病児保育・病後児保育はどうなっているか
病院が母体であるため、病児・病後児保育室を併設している園もあります。子どもが熱を出しても、併設のクリニックや小児科と連携してそのまま預かってもらえる環境は、働くママにとって安心感が大きいといえます。
ただし、利用条件や受け入れ人数には制限があるため、事前に詳細を確認しておきましょう。
【注意】勤務時間外に預けられないことも
院内保育園はあくまで「親の勤務中」に預けるための施設です。
そのため、「シフトが入っていない時間や、休日には預けられない」というルールを設けている園が少なくありません。
休日に保護者の予定があるからといって子どもを預けることは難しい場合があります。また、毎日決まった時間に通うわけではないので、子どもの生活リズムが一定しない点にも注意が必要です。
【病院薬剤師必見】院内保育園と一般の保育園のどちらがいい

院内保育園と一般の保育園、どちらにも長所と短所があります。自分のライフスタイルやキャリアプランに合わせて選びましょう。
自分にとってのメリット・デメリットを冷静に判断する
院内保育園には、職場に近いことや医療従事者の勤務時間に対応しやすいというメリットがあります。
一方で、利用時間に関するきまりが厳しく、生活リズムを整えたり、休みの日でも遊べるお友達を作ったりするのが難しい場合もあります。
一般の認可保育園は毎日安定して通うことができ、1年を通して年齢に応じたカリキュラムが充実しています。また、地域の友達ができやすく、卒園後の小学校生活にもつながりやすいというメリットもあります。
どちらが優れているというわけではないので、自分の勤務形態や子どもの年齢、家庭の状況に合っているかが重要です。
途中で転園するという選択肢も
保育園選びは一度決めたら終わりではありません。
たとえば、子どもが小さいうちは院内保育園を利用し、その後認可保育園へ転園する家庭もあります。
また、入園激戦区では、育休復帰を優先して最初は院内保育園に入園、そこで実績を作って点数を加算し、希望に合う認可保育園へ転園するケースも珍しくありません。
最初から完璧な選択を目指すよりも、状況に応じて見直す柔軟さを持つことが大切です。
病院薬剤師らしい働き方を見据えて保活を進めよう

病院薬剤師の保活では、保育園の入りやすさだけでなく、勤務時間との相性や送迎の負担、急な呼び出しへの対応なども考慮する必要があります。
特に病院勤務ならではの選択肢である院内保育園は、復職をスムーズに進めるための有力な候補となります。一方で、利用条件や預かり時間には制限が設けられている場合もあるため、認可保育園との違いを理解したうえで比較検討することが重要です。
保活は情報収集が早いほど有利になります。復職後の働き方や家族の協力体制も踏まえながら、自分たちに合った保育環境を選び、安心して病院薬剤師としてのキャリアを続けていきましょう。



