
「保育園時代は仕事と育児を何とか両立できていたのに、小学校に入学すると大変になった」という声は少なくありません。このような状況は「小1の壁」と呼ばれ、多くの働くママが直面する課題です。
薬剤師は比較的働き方を選びやすい職種といわれますが、やはり小1の壁は悩みの種となっています。
この記事では、小1の壁が起こる理由や、ママ薬剤師がその壁をスムーズに乗り越えるための対策を紹介します。
記事のポイント
・「小1の壁」は、保育園と小学校の時間の違いや、勉強のフォローなどの保護者負担が増えることで生まれる。
・学童保育や習い事、家族の協力などで対応していく。
・子どもの成長とともに乗り越えられる壁なので、上手に対応しよう。
【ママ薬剤師が気になる】小1の壁とは?

「小1の壁」とは、子どもが保育園を卒園して小学校へ入学するタイミングで、仕事と子育ての両立が急に難しくなることを指します。
保育園は働く親をバックアップするための施設です。そのため、朝から夕方まで子どもを預かってもらえ、延長保育も用意されていました。保育園側が働く保護者に寄り添ってくれていました。
一方、小学校はすべての子どもを対象にして、教育のために運営されています。
1日のカリキュラムは学年に応じた学習内容に従って組まれているので、下校時間は早くなります。学期の区切りには長期休暇もあります。また、保護者への対応も原則として平日昼間となっています。
このような小学校に働きながら対応するためには、保護者の側からさまざまな工夫が必要になるのです。
小1の壁が起こるのはなぜ?

小1の壁が起こるのはなぜか、詳しくみていきましょう。
保育園と小学校の時間が違う
小学校は保育園よりも登校時間は遅く、下校時間は非常に早くなります。
| 保育園 | 小学校 | |
| 登校・登園時間 | 7:00〜7:30ごろ | 8:00〜8:30ごろ |
| 下校・降園時間 | 16:00〜18:00ごろ(一部延長保育あり) | 14:30〜15:30ごろ |
| 学童の終了時間 | – | 18:00ごろ(一部延長あり) |
特に1年生は、時間割の関係で、早い時間に授業が終わる日も多くなっています。入学直後や給食開始前はさらに短時間で、午前中で帰宅となります。
保育園では保護者の勤務時間に合わせて18〜19時ごろまで預かってもらえましたが、小学校では下校時間後の過ごし方を新たに考えなければなりません。
小学校には子ども自身が通う
保育園は保護者が送り迎えをしていましたが、小学校は子どもが自分で登下校します。
保育園では送り迎えの負担はありましたが、早い時間でも確実に保育園に預けることができました。
しかし、小学校には子ども自身が歩いて通うことになります。親の勤務時間によっては、子どもが家を出る前に親が出勤しなければならない家庭もあります。
親の出勤時間が遅くなるよう調整する、子どもに鍵を持たせて、自分で鍵をかけて登校させるといった対応方法も考えなければなりません。
また、登下校中の事故や不審者、ゲリラ豪雨などの心配もあります。
鍵を持たせる、交通ルールを教える、防犯対策をするなど、入学前に準備すべきことも増えます。
関連記事ママ薬剤師の平均時給は高い?パート・派遣の相場時給と「年収の壁」を徹底解説
小学校には長期休暇がある
小学校に入ると、保育園にはなかった「夏休み」「冬休み」「春休み」といった長期休暇があります。
この長期休暇をどのようにすごすかを考えなければなりません。
学童保育を利用していても、お弁当が必要だったり、開所時間が小学校とは異なったりすることがあります。
学校行事やPTA活動がある
授業参観、懇談会、個人面談、運動会、遠足など、小学校では平日に行われる行事が増えます。
また、PTA活動や登校時の旗当番などがあり、仕事との調整が必要になることもあります。
年間行事予定を確認して、有給休暇を取ったり、シフトを調節する必要があります。
時短勤務が難しくなる
育児・介護休業法では、短時間勤務制度は原則として子どもが3歳になるまでが対象です。その後は「努力義務」となり、子どもが何歳まで時短勤務ができるかは勤務先によって異なります。
厚生労働省の調査によると、令和4年度の育児のための所定労働時間の短縮措置等の制度がある事業所の割合は 77.5%で、最長利用可能期間は以下のようになっています。
| 3歳未満 | 29.5% |
| 3歳~小学校就学前の一定の年齢 | 4.7% |
| 小学校就学の始期に達するまで | 15.3% |
| 小学校入学~小学校3年生(または9歳) | 5.1% |
| 小学校4年生~小学校卒業(または12歳) | 5.0% |
| 小学校卒業以降まで | 17.8% |
参考:「育児・介護休業制度等に関する事項」/厚生労働省「令和4年度雇用均等基本調査」
時短制度がなかったり、小学校就学前に終わったりする事業所は約38%となっています。
このように、小学校で時短勤務ができない場合、フルタイム勤務と小学校生活が重なることでより負担が大きくなります。
宿題などのフォローが必要
小学校に入ると本格的な勉強が始まり、毎日宿題も出ます。
ただ、小学1年生は、宿題や翌日の持ち物の準備を一人で完璧にこなすことは難しいものです。
連絡帳をチェックして、音読を聞く、宿題を確認するなど、保護者がサポートしなければならないことが多くあります。
また、子どもと学校生活のことや友達との間にあった出来事を話す時間も大切です。
特に入学直後は子どもも新しい環境で緊張が続いているので、丁寧なフォローが大切になります。
関連記事【ママ薬剤師必見!】子育てと仕事を両立させる働き方のポイントを解説
ママ薬剤師が小1の壁を乗り越えるための対策

ここからは、ママ薬剤師がスムーズに小1の壁を乗り越えるための方法について考えます。
学童保育を利用する
学校が終わったあとの子どもの居場所として最も一般的なのが学童保育です。
学校の近くで放課後に安全に過ごせる場所が確保できるため、多くの共働き家庭が利用しています。
ただし、学童にも定員があり、希望者が多い場合は入れないことがあります。小学1年生は優先されるため、原則として入れないということはありませんが、学童保育の状況について情報収集をしておくと安心です。
民間の学童保育を利用する
預かり時間を延ばしたい場合や、習い事も一緒にさせたい場合は、民間学童も選択肢になります。
夜20:00や21:00までの延長預かり、夕食の提供、送迎サービス、英語、プログラミング、ピアノといった習い事との連携など、施設ごとに特色があります。
費用は公立の学童より高くなりますが、勤務時間との兼ね合いや、習い事も一緒にさせられることにメリットを感じる保護者に選ばれています。
習い事を利用する
学童にスポーツクラブや英会話、ピアノなどの習い事を組み合わせる方法もあります。
子どもが習い事をできることに加えて、放課後の居場所を確保できるメリットがあります。
最近では、学童にお迎えに来てくれて、レッスン後に自宅近くまで送ってくれるスイミングスクールなどが増えています。このような教室を選ぶと、親の負担も軽減できます。
祖父母のサポートを受ける
祖父母が近くに住んでいる場合は、無理のない範囲で協力をお願いするのも一つの方法です。
急な発熱や学級閉鎖など、予想外の出来事が起きたときにも心強い存在になります。
ただ、祖父母の負担が大きくならないよう、感謝の気持ちを伝えながら役割分担を決めておくことが大切です。
子どもを信頼して任せていくことを増やす
小学生になると、自分でできることが少しずつ増えていきます。
鍵の管理や翌日の準備、短時間の留守番など、年齢に応じて少しずつ任せていくことで、自立心も育ちます。
子どもの「自分でできた!」という達成感を育てながら、成長をサポートしていきましょう。
保護者の間で情報共有する
同じ学年の保護者とのつながりは、小学校生活で大きな支えになります。
学校からのお知らせや行事の情報、学童の様子など、保護者同士で共有できる情報は多くあります。
また、子ども同士が一緒に登下校したり遊んだりする機会が増えるため、日ごろからコミュニケーションを取っておくと安心です。
働き方を変える
どうしても現在の勤務形態では両立が難しい場合は、働き方そのものを見直すことも選択肢となります。
たとえば、子どもが小学校低学年の間はパート勤務へ変更する、土日休みの職場へ転職するといった方法があります。
薬剤師免許は強い資格なので、たとえパートに変わったとしても高時給で働くことができます。子どもが小学生のうちは時間的に負担の軽いパートや派遣で働き、子どもの成長に合わせて正社員に復帰するといった働き方も薬剤師ならば可能です。
せっかく取得した資格を活かして、自分や家族に合った働き方を探してみましょう。
関連記事ブランク期間8年というママ薬剤師も…復職事例や復帰したママ薬剤師の声
【ママ薬剤師へ】準備をして上手に小1の壁を乗り越えよう

「小1の壁」は、多くの共働き家庭が経験する大きなポイントです。
しかし、学童保育や民間サービスを活用したり、家族や周囲と協力体制を整えたりすることで、負担を減らすことができます。
また、最初は頼りなく見えた子どもも成長していきます。「小1の壁」も期間限定のもので、いつかは乗り越えていけるものです。
小学校入学は、子どもにとって新しいスタートであると同時に、親の生活リズムも変わるタイミングです。入学前から情報収集して準備しておくことで、上手に壁を乗り越えていきましょう。



