
出産や育児を控え、「産休・育休中のお金はどうなるの?」「復職後は仕事と育児を両立できる?」と不安を感じるプレママ薬剤師の方も多いのではないでしょうか。
薬剤師は比較的復職しやすい職種と言われますが、勤務先によって制度や働き方に差があるため、事前に知識を持っておくことが大切です。
特に産休・育休中は、給与の支給状況や公的給付金、社会保険料の扱いなどを理解しておくことで、経済的不安を大きく軽減できます。
この記事では、ママ薬剤師が知っておきたい産休・育休中のお金や制度、復職後に後悔しないためのポイントまで、わかりやすく解説します。
記事のポイント
・ママ薬剤師の産休・育休中は無給のところが一般的。
・産休・育休中の生活を支える公的給付金や公的扶助がある。
・産休・育休中の給付金への税金や社会保険料は免除になる。
ママ薬剤師が知っておきたい産休・育休のリアル

薬剤師は女性比率が高く、産休・育休制度を利用する人も多い職種です。
しかし実際には、「産休中の給与が出ないのに子どもの出費が増えて苦しい」「復職後の働き方で悩んだ」という声も少なくありません。
一方で、公的給付金や社会保険料免除制度をうまく活用すれば、産休・育休中の家計への影響を最低限に抑えることも可能です。
また、調剤薬局やドラッグストアでは、シフト制の職場も多く、復職後に希望の勤務時間が難しかったり、店舗異動が発生したりするケースもあります。
大切なのは、「産休や育休があるから休む」のではなく、制度のしくみを理解して、職場復帰後の働き方も考えたうえで計画的に産休・育休を取得することです。
ママ薬剤師の産休・育休中は無給?

産休・育休中、薬剤師としての給料はどういう扱いになるのでしょうか、確認してみましょう。
産休・育休中は無給の企業が多い
結論から言うと、産休・育休期間中は、職場からは給料が支払われず無給となることがほとんどです。
これは法律上、会社側に休業中の給与支払い義務がないためです。
一部の企業では独自の給付金制度を設けているところもありますが、基本的には働いていない期間は給料が出ないのがリアルな状況です。
自分の職場の就業規則や福利厚生制度は事前に確認しておきましょう。
産休・育休中の無給を補う公的給付金がある
給与が出ないと聞くと不安になるかもしれませんが、日本には出産・育児を支える公的給付制度があります。
代表的なのが、
・出産育児一時金
・出産手当金
・育児休業給付金
です。
これらを活用することで、産休・育休中も一定の収入を確保できます。健康保険・雇用保険に加入しているママ薬剤師であれば、比較的手厚い支援を受けられるでしょう。
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ママ薬剤師の産休・育休中の生活を支える公的給付金

産休・育休中にもらえる代表的な給付金は以下の4つです。それぞれの特徴と対象期間を把握しておきましょう。
【産休中】出産育児一時金
出産育児一時金は、健康保険から支給され、出産にかかる費用(分娩・入院費など)の負担を軽減するための制度です。
・支給額:
子ども1人につき50万円
・特徴:
「直接支払制度」を利用すれば、健康保険組合から病院へ直接お金が支払われるため、退院時の窓口での自己負担を大幅に減らすことができます。
【産休中】出産手当金
出産のために仕事を休み、給与が出ない期間の生活を支えるための手当金です。勤務先の健康保険に加入している方が対象となります。
・支給額:
支給開始日前12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額の、3分の2相当額
・特徴:
出産日(予定日)以前42日から、出産の翌日以後56日までの間で、仕事を休んだ日数分
【育休中】育児休業給付金
産後8週間(56日)が経過後、育児休業に入った期間に雇用保険から支給される給付金です。育休を取得すれば、男女を問わず受給することができます。
・支給額:
・育休開始から180日目まで:休業開始時の賃金日額の67%
・181日目以降:休業開始時賃金日額の50%
・特徴:
原則子どもが1歳になるまで(保育園に入れないなどの事情がある場合は最長2歳まで)受給可能です。
【育休中】出生後休業支援給付
2025年より新設された手当で、夫婦ともに、子どもの出生後一定期間内に、育休(または産後パパ育休)を14日以上取得した場合に支給されます。
休業開始時賃金日額の13%相当額が最大28日間支給されます。
【育休中】出生時育児休業給付金(産後パパ育休時の給付金)
近年新設された「産後パパ育休(出生時育児休業)」を取得した際に、雇用保険から支給される給付金です。
パパが子どもの出生後8週間以内に最大4週間(28日)の育休を取得した場合に、休業開始時賃金日額の 67% が支給されます。
子どもに対する公的扶助ももれなくチェック

親の休業に対する手当だけでなく、生まれてきた子ども自身を対象とした公的扶助もあります。こちらも忘れずにチェックしておきましょう。
児童手当
高校生年代まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の子どもを養育している方に支給される手当です。
以前あった所得制限は撤廃されたので、高年収の薬剤師であっても受給することができます。
・支給額(月額)
・3歳未満:15,000円
・3歳以上高校生年代:10,000円(第3子以降は30,000円)
子ども医療費助成制度
子どもが健康保険証を使って病院を受診したり、薬局でお薬をもらったりした際の自己負担分を、自治体が全額または一部助成してくれる制度です。
自治体ごとに内容は異なりますが、近年高校まで医療費無料にするなど、力を入れる自治体も増えています。お住まいの自治体の内容について確認しておきましょう。
ママ薬剤師の産休・育休中の税金・社会保険はどうなる?

給与収入が減るなかで、税金や社会保険料の出費がそのまま残ると負担は大きいですよね。しかし、ここでも手厚いサポートが用意されています。
出産・育児関連の給付金は非課税
先ほど紹介した「出産手当金」や「育児休業給付金」は、所得税法上非課税所得として扱われます。
税金がかからないため、額面がそのまま手元に残ります。
また、これらの給付金は翌年の住民税の算定基準となる所得にも含まれないため、翌年の住民税負担を大きく抑えることができます。
産休・育休中の社会保険料は免除
産休・育休中は、健康保険料や厚生年金保険料が免除されます。
免除されている期間中も、健康保険は通常通り利用でき、将来もらえる年金の受給額が減ることもありません。
社会保険料は毎月の負担額が大きいため、これは地味ですが大きなメリットだといえます。
ママ薬剤師が復職後に後悔しないための「休み方」

このように、産休・育休中も経済的にはさまざまなサポートが用意されています。ここからは、産休や育休を薬剤師としてのキャリアにもプラスにするポイントを解説します。
知識のブラッシュアップ
薬剤師の現場は、新薬の登場や調剤報酬改定など、情報のアップデートが非常に早いです。
子育てのためとはいえ、産休・育休の期間をまったくブランクにしてしまうと、「復帰後に仕事がスムーズにできるだろうか…」と不安につながってしまいます。
育休中は育児で忙しく、体力的な負担も大きい時期ですが、折をみて医療ニュースサイトを定期的にチェックしたり、e-ラーニングを活用して薬剤師としての知識をブラッシュアップしたりしておきましょう。
少しずつでも勉強を続けることが、スムーズに育休から復職することにつながります。
上手な保育園探しとキャリアプランの見直し
産休・育休からの復職を成功させる最大の鍵は、「保活(保育園探し)」と「働き方の見直し」です。
復職の際に、多くのママ薬剤師が直面するのが保育園探しの問題です。
特に薬剤師は、一般的な事務職とは異なり、シフト勤務の人も多く、土日勤務や遅番がある方もいるでしょう。
そのため、単に家から近い保育園を候補にするだけではなく、延長保育の有無や土日保育への対応、送迎しやすい立地かどうかなども含めて、勤務スタイルとの相性を考えながら保育園を選ぶことが大切です。
また、出産や育児を経験すると、仕事に対する価値観が変化する方も少なくありません。
以前はキャリアアップを重視していた方が、子どもとの時間を優先したいと感じるようになったり、逆に「長く働き続けられる環境を整えたい」と考えるようになったりすることもあります。
産休・育休の時間は、今後の働き方を見直す良い機会にもなります。
家庭と両立しながらキャリアアップを目指すのか、子どもとの時間を重視してパート勤務へ切り替えるのかなど、自分や家族の状況に合った働き方を改めて考える人も多いでしょう。
育児と仕事を無理なく両立するためには、以前と同じ働き方に戻ることだけにこだわらず、今の自分に合ったキャリアを柔軟に考えていく視点も大切です。
【ママ薬剤師デビューのために】上手に制度を活用してお金の不安を減らそう

初めての出産や育児は、誰しも手探りで不安なものです。
加えて仕事を休むことで無給となり、お金についても心配になるかもしれません。
しかし、今回ご紹介したように、国や自治体にはママ薬剤師の生活を支えるたくさんの給付金や免除制度が用意されています。
産休や育休に関する給付金や社会保険の免除をフルに活用すれば、休業中のお金の不安は最小限に抑えることができます。制度をきちんと理解して、お金の心配をなくしたうえで、子どもとの貴重な時間を大切に過ごしましょう。
また、産休・育休は「キャリアが止まる期間」ではなく、今後の働き方を見直す貴重な機会でもあります。
自分と家族に合った働き方を考えながら、無理のない形でママ薬剤師としての新しいキャリアを築いていきましょう。



