
出産後の復職を考えるママ薬剤師にとっての大きな問題が「子どもをどこに預けるか」です。保育施設選びは復職後の働きやすさを大きく左右します。
この記事では、保育施設の種類や選び方、保活・幼活のポイントについてわかりやすく解説します。
記事のポイント
・保育施設には保育園、幼稚園、認定こども園、地域型保育事業があり、それぞれ特徴が違う。
・施設を選ぶ際には、親の負担や子どもの環境を考える。
・保活や幼活は早めの情報収集が成功のカギ。
【ママ薬剤師の悩み】子どもを預ける保育施設の種類は?

子どもの預け先には保育園のほかにいくつかの種類がありますが、実は保育施設としての役割や利用できる条件に違いがあります。まずは各施設の特徴をきちんと把握しておきましょう。
保育園(保育所)
こども家庭庁が管轄する施設で、親が働いているなどの理由で「家庭で保育ができない」場合に、親に代わって子どもを保育する施設です。
シフト勤務やフルタイムで働くママ薬剤師にとって、最も心強い味方となる施設といえるでしょう。
保育園には、国や自治体が定める基準をクリアした認可保育園と、基準を満たしていない認可外保育園があります。
また、自治体が運営する公立保育園と、社会福祉法人や企業などが運営する私立保育園があります。
公立保育園は保育内容が比較的標準化されている一方、私立保育園は英語やリトミックなど独自の教育・保育プログラムを取り入れている園が多いのが特徴です。
・対象年齢:
0歳〜小学校就学前まで
・預かり時間:
原則8時間〜11時間(施設によっては早朝・夜間の延長保育あり)
・利用条件:
両親が働いている、病気であるなど「保育の必要性の認定」が必要
・特徴:
給食が原則毎日提供され、夏休みや冬休みなどの長期休暇も基本的には通常通り開園しています。
幼稚園
文部科学省が管轄する「学校」としての位置づけの施設で、幼児期の教育を行う施設です。
習い事をさせたかったり、お受験対策を考えていたりするママ薬剤師に選ばれています。
・対象年齢:
満3歳〜小学校就学前まで
・預かり時間:
1日4時間程度(一般的には朝9時ごろ〜14時ごろまで)
・利用条件:
親の就労状況に関わらず、すべての3歳以上の幼児が利用可能
・特徴:
教育カリキュラム(英語、音楽、お受験対策など)が充実している園が多いです。働くママの増加に合わせて、最近では「預かり保育(延長保育)」を実施する幼稚園が増えています。
認定こども園
幼稚園と保育園の両方の良さを併せ持った施設です。幼保連携型、幼稚園型、保育園型といったタイプがあり、預かり時間や保育内容に違いがあります。子どもの年齢や保護者の就業状況に応じた認定区分が設けられています。こども家庭庁が管轄しています。
・対象年齢:
0歳〜小学校就学前まで
・預かり時間:
原則4時間〜11時間(施設によって異なる)
・利用条件:
親が働いていても、働いていなくても利用可能
・特徴:
給食が原則毎日提供されます。夏休みなどの長期休暇の扱いは、施設によって異なります。
地域型保育事業(小規模保育事業、家庭的保育事業、事業所内保育事業、居宅訪問型保育事業)
地域の多様なニーズに応えるために設置された、少人数で保育をする認可保育事業です。対象は0〜2歳児で、認可保育園に入れない場合の受け皿となっています。こども家庭庁が管轄しています。
2歳児クラスで卒園となりますが、3歳以降もスムーズに次の預け先が見つかるよう、認可保育園や認定こども園といった連携施設が設定されています。
・対象年齢:
0歳〜2歳児まで(3歳になる年度の末日まで)
・預かり時間:
原則8時間〜11時間(施設により延長保育あり。保育園と同等)
・利用条件:
保育園と同様に「保育の必要性の認定」が必要
・特徴:
少人数制ならではの手厚くアットホームな保育を受けられます。先生と密にコミュニケーションが取れるため安心感があります。
地域型保育事業には次の4つの種類があります。
・小規模保育事業:
6人〜19人の少人数を対象に、マンションの1室などを利用して、認可保育園に近い環境で保育する施設です。
・家庭的保育事業:
研修を受けた「家庭的保育者」の自宅などで、5人以下の少人数を家庭的な雰囲気でお世話します。
・事業所内保育事業:
企業の従業員の子どもを対象とした託児スペースですが、地域の子ども(地域枠)も一緒に受け入れる施設です。
・居宅訪問型保育事業:
障害や病気がある、または近くに保育施設がないなどの理由で通園が難しい場合に、保育者が自宅を訪問して1対1で保育します。
また、地域型保育事業のなかでも、特に施設数が多い「小規模保育事業」には、運営基準の違いによってA型・B型というタイプがあります。
・A型:保育士資格を持つ職員が中心で、認可保育園に近い基準で運営される。
・B型:保育士資格者は半数以上配置という基準で、地域のニーズに応じて設置されやすい。
現在の状況別 お金と制度解説
ママ薬剤師が保育施設を選ぶポイント

保育施設選びでは、施設の評判だけでなく、自分の働き方との相性を考えることが大切です。
自宅や職場からの近さ
保育施設選びで最も重要なのが立地です。送迎に時間がかかると毎日の負担が大きくなります。
ママ自身の通勤手段や勤務時間を考えて送迎しやすい場所を選ぶと、復職後の生活がスムーズになります。
また、子どもが体調不良になった際のお迎えのしやすさや病院へのアクセスも考慮に入れておきましょう。
子どもに身につけさせたいもの
薬剤師として知的な専門職に就いているママの中には、子どもの早期教育や習い事に興味を持つ方も少なくありません。
幼稚園や認定こども園には、専門の講師がスポーツやピアノ、習字などを教えてくれる「課外教室」が併設されているところも多くあります。
このような施設を選べば、平日仕事で忙しくて習い事に連れていけなくても、子どもにいろいろな経験をさせることができます。
親の負担
仕事で忙しいママ薬剤師にとっては、園での行事の多さや保護者会の役員の負担もチェックしておきたいポイントです。
保育園は働く保護者を前提としているため、保護者の負担が過度に重くなることはありません。一方、幼稚園の場合は、季節ごとに保護者と一緒に行う行事があったり、役員の負担が大きかったりするところもあります。毎日お弁当が必要な幼稚園だと、大変に感じてしまうかもしれません。
かかる費用
認可保育園の0〜2歳児クラスの保育料は世帯年収によって決まります。高年収の薬剤師で夫婦共にフルタイム勤務の場合、保育料が高くなるケースもあります。保育料は自治体によって違いがあるので、事前に自治体のホームページで確認しておきましょう。
認可外保育園や地域型保育事業の0〜2歳児クラス保育料は施設ごとに異なり、認可保育園のように自治体が一律で決定するわけではありません。利用を検討する際は、月額保育料だけでなく、延長保育料や給食費などの追加費用も確認しておくことが大切です。
一方、3歳〜5歳クラスについては、2019年から「幼児教育・保育の無償化」がスタートし、原則として幼稚園・保育園の利用料が無料となりました。
しかし、すべてが無料になるわけではないので注意が必要です。たとえば、入園代、制服代、通園バス代、英語や音楽などの特別カリキュラム代などは別途費用が必要になります。
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【ママ薬剤師必見】保活のポイント

保育園への入りやすさは地域によって違いがあります。早めに準備していくことを心がけましょう。
妊娠中から情報収集を始める
人気の保育園は倍率が高く、出産後に慌てて調べ始めると間に合わないことがあります。
子どもが産まれてからは余裕がなくなるので、妊娠中から自治体のホームページや保育園情報を確認しておくと安心です。
見学は複数園行う
自宅との距離などから候補の保育園が絞り込めたら、子どもを連れて見学に行ってみましょう。
実際に見学すると、保育士の雰囲気や子どもたちの様子、安全対策などについて確認できます。子どもが保育園で生活する様子も想像できるでしょう。
候補となる保育園が複数ある場合は、それぞれを見学することで、園ごとの特徴もわかり、どこを第一希望にするかを判断しやすくなります。
点数制度を確認する
認可保育園の選考は、家庭の状況を数値化した「点数(基準指数+調整指数)」の高さで決まります。
・基準指数(基本点):
勤務時間によって点数が決まります。
・調整指数(加減点):
「きょうだいが同じ園に在籍している」「育休明けの復帰である」といった場合に加点されます。
パートタイムの場合、フルタイムの申請者に比べて点数が低くなってしまうため、激戦区では不利になることがあります。住んでいる地域の保育園の入園状況を確認して、対策を考えておきましょう。
復職時期を逆算する
保育園に入りやすいのは4月で、地域によっては秋〜冬の入園が難しい場合があります。
地域の保育園の状況を調べ、育休終了時期と入りやすさを考えて入園申し込みの計画を立てましょう。
年度途中での入園が厳しそうな場合は、募集人数の多い4月入園に合わせて育休期間を調整することも選択肢になります。
地域型保育事業施設も選択肢に入れる
もし認可保育園に落ちてしまった場合は、地域型保育事業施設への入園を検討しましょう。
地域型保育事業施設は認可保育園よりは入りやすい傾向にあります。
地域型保育事業施設に預けて実績(受託実績)を作ることで、その後の認可保育園への転園時に加点される自治体もあります。
【ママ薬剤師必見】幼活のポイント

幼稚園を検討している場合は、保活とは異なる準備が必要です。
園の教育方針を確認する
幼稚園は園によって教育内容に違いがあります。英語や音楽などの教育に力を入れている園もあれば、自由遊びを重視する園もあります。幼稚園の方針が我が家が求めるものと合っているか確認しましょう。
預かり保育や給食の有無を確認する
薬剤師として働き続けるなら、預かり保育は重要なポイントです。
幼稚園の基本的な預かり時間は14時ごろまでですが、多くの園が実施している「預かり保育」を利用すれば、17時や18時まで子どもを預かってもらえます。夏休みや冬休みのような長期休暇中も預かり保育があるかもチェックしておきましょう。
また、忙しいママ薬剤師にとって、お弁当が必要となると毎日の負担が大きくなります。最近は給食の幼稚園も増えています。給食を毎日実施、週に何日かはお弁当持参など園によって違いがあるので、候補としている幼稚園の状況を確認しておきましょう。
行事や保護者負担を確認する
幼稚園は保育園に比べ、平日に行事があったり、保護者会の活動があったりして、保護者が平日に園に出向く機会が多い傾向があります。無理なく仕事と両立できるかどうかをきちんと検討しておきましょう。
3歳から預けたい場合、満3歳児入園の有無
幼稚園は通常、3歳になった翌年の4月からの入園ですが、子どもが3歳の誕生日を迎えた翌月から入園できる「満3歳児入園」を実施している園があります。この制度を利用すれば、4月を待たずに年度の途中からでも幼稚園に預けることが可能です。
ただ、実施の有無や募集人数は園によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
【ママ薬剤師へ】子どもと自分に合った保育施設を選ぼう

保育園、幼稚園といった保育施設にはそれぞれ異なる特徴があります。
大切なのは、自分たち家族の生活に合った施設を選ぶことです。復職後に無理なく働き続けるためには、送迎のしやすさや保育時間、病気の際の対応のしやすさなどが重要な判断材料になります。
また、保活や幼活は情報収集の早さが成功のカギです。妊娠中や育休中から自治体の制度や施設情報を確認し、見学にも積極的に参加しましょう。
子どもが安心して過ごせること、そしてママ薬剤師自身が無理なく働けること。その両方を実現できる保育施設を選び、安心してママ薬剤師生活をスタートしてくださいね。



