
就職活動と国家試験を終えて、新しい職場に入職。さあこれから仕事を覚えて頑張ろうというタイミングで妊娠が発覚した。うれしいことだけれど、「まだ仕事を覚えている最中なのに、職場に迷惑をかけてしまう…」「入社したばかりなのに産休を取れるの?」と不安になるでしょう。
しかし、これからまだまだキャリアは続きます。
入社1年未満でも、産休や育休を無事に取得し、ママ薬剤師として仕事を続けることはできるのでしょうか。
この記事では、産休・育休の取得条件や入社1年以内で取る際の注意点、そして円滑に働き続けるポイントを解説します。
入社1年未満で妊娠がわかった薬剤師の心配

新しい職場に入職して、まだ仕事を覚えているタイミングで妊娠が発覚すると、戸惑いや心配でいっぱいになってしまうでしょう。
まず、どのようなことが心配事になりそうか、みてみましょう。
入社したばかりで産休・育休を取れる?
新人として働き始めて間もないときに妊娠がわかると、「そもそも自分は産休や育休を取ることができるのだろうか」ということが心配になるでしょう。
新人薬剤師として日々の仕事を覚えるのに精一杯で、就業規則は読んだこともないという人が大多数です。
また、産休や育休についてもまだまだ先のことだと考えていたでしょう。
「勤続年数が短いから対象外かもしれない」「最悪の場合、退職を迫られるのではないか」とネガティブなシナリオを想像してしまいがちです。また、同期や先輩にも気軽に相談できることではありません。
「入社したばかりなのに申し訳ない…」という罪悪感
新人として仕事を教えてもらう日々のなかでで妊娠すると、「採用してもらったばかりなのにどうしよう」「周囲に迷惑をかけてしまう」と申し訳なさでいっぱいになってしまうでしょう。
日々の業務が忙しく、人手不足の職場も多いため、自分が休むことで同僚の負担が増えることがあるかもしれません。
そのような申し訳なさから、職場への報告を躊躇してしまったり、周囲からの視線が気になって精神的に思い詰めてられてしまったりすることになります。
【ママ薬剤師になるために】入社1年未満だと産休は取得できない?

では、実際に産休や育休は入社いつから取れるのでしょうか。まず、産休について解説します。
入社して1年以内でも産休は取れる
結論から言うと、入社して1年未満であっても、産休(産前産後休業)は必ず取得できます。
新卒1年目であっても、転職したばかりであっても関係ありません。
産前・産後休業は労働基準法で定められており、勤続年数は条件になっていません。
産休が取れる条件を確認
では、産休の内容や、産休が取れる条件について詳しくみていきましょう。
産休は労働基準法で定められたすべての労働者の権利です。
雇用形態(正社員・パート・契約社員・派遣)や、勤務期間の長さを問わず、出産予定のある女性であれば誰でも取得可能です。
一言で「産休」と言いますが、産休には次の2種類があります。
| 産前休業 | 出産予定日の6週間前(多胎妊娠は14週間前)から 本人が会社に請求することで取得できます。 本人が希望すれば、出産直前まで働くことも可能です。 |
| 産後休業 | 出産翌日から8週間 産後休業の期間は、原則として就業させてはならないと法律で決まっています。 (ただし産後6週を過ぎた後、本人が希望し、医師が認めた業務であれば復帰可能です) |
産休・育休とは?期間・給付金額の自動計算と知るべきポイント
産休を取ったあと解雇されることはある?
労働基準法第19条により、産前産後休業の期間、およびその後30日間の解雇は固く禁止されています。
また、男女雇用機会均等法でも、妊娠や出産、産休の取得を理由とする解雇や減給、降格などの不利益な取扱いは違法と定められています。
このように、出産ならびに産休は法律によって守られているので、安心して出産に臨んでください。
【ママ薬剤師になるために】入社1年未満だと育休は取得できない?

続いて、育休についてみていきます。育休も産休と同じように取ることができるのでしょうか。
原則として入社1年未満でも育休は取れる
育休については育児・介護休業法によって条件が定められています。
以前は「勤続1年以上」が育休の条件なっていたこともありましたが、法律の改正によりそのような制限はなくなりました。
現在は原則として入社1年未満でも育休取得が可能になっています。
育休を取る条件とは
育休取得には、基本的に次の条件があります。
・原則として1歳に満たない子を養育する男女の労働者(日々雇用を除く)
また、パートやアルバイトなどで労働契約の期間を定めて雇用されている人は、申出時点で次の要件を満たすことが必要です。
・子が1歳6か月に達する日までに、労働契約の終了が明らかでないこと
もし雇用契約が1歳6か月より前に終わる場合は、育休が取れないということになります。
入社して1年未満だと育休が取れないことも
産休と違って育休に関しては、入社して1年未満だと育休が取れないケースもあります。会社が労使協定を結んでいる場合、入社1年未満の社員を育休対象外にできるのです。
つまり、
- 法律上は原則取得可能
- ただし職場ルールによって例外がある
ということになります。
実際には労使協定を結んでいる会社も多いので、妊娠判明後はまず就業規則を確認しましょう。
関連記事育休復帰前~復帰後」篇
【ママ薬剤師のピンチ?】入社1年未満だと育休は取得できないケース

ここで、入社1年未満だと育休を取得できない条件について整理します。
正社員の場合
正社員であっても、勤務先が育休に関して「入社1年未満の労働者を除外する」という労使協定を締結している場合は、入社1年未満での育休取得はできません。
パートや契約社員(有期雇用)の場合
パートや契約社員などの有期雇用で働いている場合、先ほど解説したように、まず子どもが1歳6カ月になって以降も契約が続いていることが条件となります。ただ、この条件をクリアしても、正社員と同様に労使協定による「入社1年未満の除外」が適用される場合があります。
【ママ薬剤師必見】入社後いつから産休・育休がスムーズに取れる?

産休は誰でも法律で定められた条件で休むことができます。
一方で、育休の場合、もし職場の労使協定により育休が取れなければ、産後休業(産後8週間)が明けたタイミングで、一度仕事に復帰する必要があります。
その後、入社後1年を迎えた時点から育休を取ることができます。
産後のまだ身体も生活も厳しい時期に復帰し、子どもがある程度大きくなってから育休に入るというのは不自然な感じがあるかもしれませんが、規則に従うとこのような流れとなります。
入社1年未満で育休が取れない場合はどうなる?

ここからは、入社1年未満で育休が取れない場合、実際にはどう動けばいいかをみていきましょう。
産休から復帰後いつから育休が取れる?
産休明けに一度復帰し、入社から通算して1年が経過した時点で、育休の取得要件(入社1年以上)を満たすことになります。
そのため、その1年が経過したタイミングから改めて育休を申請・取得することが可能です。
入社1年未満で産休〜育休の間に空白がある場合の扱いは職場による
このように、産休が明けてから入社1年を迎えるまでの空白の期間がある場合、その期間の扱い方は職場や本人の希望によって異なります。
| 有給休暇や無休の休暇でつなぐ | 有休が残っていればそれを使い、あとは無給で休んで通算1年を待ちます。 |
| 一時的に復帰する | 保育園に入れたり家族の協力を得たりして職場復帰し、育休開始までは勤務します。その間はパパが育休を取るケースもあります。 |
| 会社の特例措置 | 労使協定に関わらず、会社の温情や経営判断として「特例」で育休取得を認めてもらえるケースもあります。 |
どのような対応が可能かについて、職場と相談しながら決めていきましょう。
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入社1年未満で産休・育休を取得するママ薬剤師が長く活躍するためのポイント

産休や育休は働く女性の権利ではありますが、実際に取得して復帰後も気持ちよく働くには、一緒に働く人への気配りが大切になります。
早めの相談と誠実な報告を徹底する
妊娠がわかったら、体調や安定期との兼ね合いも考えながら、できるだけ早く上司へ相談しましょう。入社して間もないと言い出しにくいと感じるでしょうが、仕事をするうえでは、ネガティブなことほど早く報告することが大切です。
特に薬剤師はシフト制の職場も多いため、報告が遅くなったり急に体調を崩したりすると、職場側でも人員調整などの対応が難しくなります。早めに相談することで、これからの見通しも立てることができますし、体調にも配慮してもらえます。
教わる姿勢と感謝を示す
入社してからの1年間は、お給料をもらいながら仕事の流れを学んでいる段階ともいえます。
だからこそ、日ごろから謙虚に教えてもらう姿勢を示し、配慮してもらっていることへの感謝を伝えることが大切です。
妊娠中や産休前後は、急な体調不良や業務調整で周囲にフォローしてもらう場面も増えます。
普段から丁寧なコミュニケーションを心がけ、「ありがとうございます」をしっかり伝えることが、復職後の働きやすい人間関係につながっていきます。
新人薬剤師として学び続ける
産休に入るまでは、限られた時間の中でも真摯に業務を覚え、目の前の仕事に誠実に取り組みましょう。
そして、休業中も無理のない範囲で勉強を続けたり、業界情報をチェックしたりすることが大切です。
薬剤師業界は、診療報酬改定や新薬情報など変化が多く、現場を離れると不安を感じることもあるでしょう。
少しずつでも自分の知識をアップデートしていくことで、復職時の不安を減らし、自信を持ってキャリアを続けやすくなります。
制度を知ってママ薬剤師としてのキャリアを始めよう

入社1年未満での妊娠は、戸惑いや不安が大きいでしょう。
しかし、産休は働くすべての女性の権利であり、育休も条件を満たせば取得することができます。
この記事を参考に、職場の就業規則も確認しながら、職場と誠実に話し合っていきましょう。
薬剤師としての仕事人生はまだまだこの先長く続きます。
職場としっかり対話を重ねることで、ママ薬剤師としてのキャリアの第一歩を安心して踏み出してくださいね。



