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業界研究 ~ドラッグストア編~

ドラッグストア業界について「業界概要」「業界展望」「職種と業務」「働き方とキャリアパス」についてご紹介します。

市場規模7 兆円、店舗数2 万店を突破し、高成長が続く

日本チェーンドラッグストア協会によると、2018年度の市場規模(推定値)は7兆2744億円でした。2011~2015年度は前年比101%程度とほぼ横ばいでしたが、2016年度以降は105%を超える伸び率が続いています。
2018年度の企業数は7社マイナスの409社、一方で店舗数は694店舗プラスの2万228店舗に拡大しました。大手企業による中小規模ドラッグストアのM&A拡大により、2004年以降、法人数の減少と店舗数の増加が続いています。コンビニエンスストアやインターネット販売など他業態の医薬品販売参入によって顧客獲得競争が激化するなか、ドラッグストアは差別化のため「調剤併設型ドラッグストア」 を増加させています。 それに伴い、薬剤師の需要は今後さらに高まっていく見込みです。

ドラッグストア総店舗数

ラッグストア総店舗数

業界展望:「2025 年、10 兆円産業化」に向けて業界規模が拡大

ドラッグストア業界は「2025年、10兆円産業化」をめざし、セルフメディケーションを推進しています。これからのドラッグストア薬剤師には、薬学的知識を生かし、地域住民の健康づくりをサポートする役割が求められています。

街の健康ハブステーション

超高齢社会に突入するなか、ドラッグストアが地域住民からの健康に関するあらゆる相談の窓口となり、最適な情報、商品を提供する街の健康プラットフォーム*となることを目指しています。日本チェーンドラッグストア協会が基準を設け、健康サポート機能の充実したドラッグストアを「健康サポートドラッグ」に認定するなど、業界を上げた取り組みとなっています。*プラットフォーム:基盤となる環境

かかりつけ薬剤師・薬局

調剤薬局併設のドラッグストアは増加傾向にあり、かかりつけ薬局・薬剤師を目指すドラッグストア企業も少なくありません。OTC 医薬品やサプリメントなどを扱うドラッグストアならではの強みを生かした健康サポートがポイントとなりそうです。

ドラッグストア スマート化宣言

「ドラッグストア スマート化宣言」とは、2025 年までにドラッグストアの取扱商品を電子タグで管理するという取り組みのこと。
この取り組みを通じて、「単純作業から解放による業務効率化とサービスの質の向上」「電子タグから得られたデータを用いた新たな価値の創造」を目指します。

ドラッグストア薬剤師の業務

主な業務

  • 調剤/服薬指導
  • 訪問服薬指導
  • 薬歴管理
  • OTC 医薬品販売
  • 健康相談
  • 検体検査
  • レジ打ち
  • 商品の棚出し

ドラッグストアでの業務は、OTC 医薬品の販売以外にもレジ打ちや商品の棚出しなど、小売店の販売員としての業務も少なくありません。薬剤師としての職能を生かすのは主にOTC 医薬品販売の場面。服薬中の薬やサプリメント、健康食品との飲み合わせをチェックしながら、お客に適切な薬を提案します。調剤薬局を併設している場合は、調剤や服薬指導、薬歴管理、在宅医療といった業務も加わります。
また、店頭でのお客の自己採血による検体検査では、検査結果をもとに健康相談や生活指導なども行います。

ドラッグストア薬剤師の働き方とキャリアパス

働き方は「OTC 医薬品のみ」もしくは「調剤薬局併設」によって異なります。また、キャリアパスは「特定の地域のみで店舗展開をしているドラッグストア」と「全国展開のドラッグストア」によって異なります。

働き方

ドラッグストアは薬局に比べると営業時間が長いため、夜間や深夜の勤務も多いです。ただし「調剤薬局併設」の場合、薬剤師の勤務時間は調剤薬局の開局時間のみというケースも。また、どちらのタイプでも転勤や勤務時間制限の有無など、多様な就労パターンを用意する企業が多いです。

キャリアパス

「特定の地域のみで店舗展開をしているドラッグストア」でも「全国展開のドラッグストア」でも、「勤務薬剤師」から「管理薬剤師」を経て「店長」や「エリアマネジャー」へとステップアップしていく過程は同じ。「全国展開のドラッグストア」の場合は、「人事」や「採用」「商品管理」といった本社業務へのキャリアパスが開けている場合が多いです。また、ステップアップごとに研修やセミナーを実施するなど、人材育成に力を入れる企業も増えています。

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【参考文献】
厚生労働省「ドラッグストア業界の現状及び業界を巡る環境の変化について」、日本チェーンドラッグストア協会「日本のドラッグストア実態調査 2017年度版」