復帰が怖い…ブランクありのママ薬剤師向け・復職ポイントを解説
妊娠・出産を終え少し生活が落ち着くと、仕事復帰を検討するママ薬剤師も多いと思います。
とはいえ、「子育てと仕事を両立できるか」「ブランク期間があるが業務についていけるか」など、いざブランクから復職しようと思うと不安になるものです。
この記事では、ブランクのあるママ薬剤師が不安を解消してムリなく復職するためのポイントを紹介します。エムスリーキャリアの薬剤師転職専門のコンサルタントが教えるアドバイスもぜひ参考にしてください。
- 薬剤師はブランクがあっても復職しやすく、1〜3年くらいのブランクであれば問題なく復帰できる。
- 子育てに理解があり、子育て支援の制度が整っている職場を選ぶ。
- ブランク前のやり方にこだわらず、新しい仕事に前向きに取り組むことが大切。
ママ薬剤師はブランクがあっても復職できるのか
薬剤師は、以下の2点から鑑みても、ブランクがある女性でも復職しやすい職種です。
- 薬剤師は業務独占資格
- 国家資格のなかでも特別で資格を有する者でなければ携わることを禁じられている業務を担う薬剤師。薬剤師免許の取得には薬学部を卒業し、国家試験を取得する必要があるので、一般的な職種に比べ人材確保は難しいため復職がしやすい職業です。
- 薬剤師業界は女性割合が高い
- 薬剤師の男女比は4:6、その特性から薬剤師の就業先である企業では他業界に比べて、妊娠・出産や子育てでキャリアにブランクができた場合でも復職しやすい環境を整えている企業が多い傾向があります。
ブランクから復職するママ薬剤師の不安とその解消法
ここからは多くのママ薬剤師がブランクから復帰する際に感じる不安や悩みとそれらを解消するためのポイントを解説していきます。
- ブランクによって選考が不利にならないか
- 前述の通り、薬剤師業界は女性割合が高い業界であり、前提として出産や子育てによるブランクに対しても寛容です。
1~3年程度のブランクであればまず問題なく復帰することができるでしょう。
3年以上のブランクがある場合でも、業務のやり方や医薬品、診療報酬の知識を早期にキャッチアップする意欲があるならば、ブランク期間だけを見て選考を落とされるようなことはありません。
- 子育てに理解のある職場か
- 子育てと薬剤師の仕事を両立する上で一番心配なのは、子どもの体調不良などで急な早退や休みをとらなくてはならないことです。
特に、保育園や幼稚園に入りたてのころは体調を崩すことが多く、思うように出勤できないケースも。ブランクからの復職の際はそういった急な事態にも対応可能な職場を探しましょう。
また、自身と同じようにブランクがあって復職したママ薬剤師や、子育て経験のある薬剤師が働いている職場であれば、子育てと仕事の両立への理解を得やすいです。
急な欠勤や早退など、困ったときはお互いさまと思い助け合えるため、肩身が狭い思いをすることなく、復職後も働きやすいでしょう。
- 子育てに関する支援制度があるか
- 薬剤師としてブランクから復職するにあたり、時短勤務などの子育てに関する支援制度の使用を検討する人も多いと思います。
ブ制度の使用を希望する場合は、詳細まで確認しておきましょう。たとえば、時短勤務制度であれば、具体的な勤務時間はもちろん、子どもが何歳まで適用可能かまで確認が必要です。また、子どもが急に体調を崩した際に使える「看病休暇」を設けている企業もあるので広く情報収集しましょう。
これらの支援制度の使用実績を調べることも重要です。
なかには制度が用意されていても、これまで使用者ゼロという企業もあります。
- 医薬品の知識や業務のカンを取り戻すサポート体制があるか
- ブランクがあり復帰する薬剤師向けに研修等を用意している企業もあります。
医療を取り巻く情報は日々更新されるので常に勉強が必要ですが、復職前に自身ですべて補完するのは困難です。
研修やOJT、eラーニングなどでブランクのある薬剤師に向けたサポートがある場合はぜひ活用しましょう。
ブランクの有無を考慮せず採用された場合、即戦力であることを求められ、カンを取り戻す前に「仕事が遅い」とレッテルを貼られてしまうことも。
こうした事態を防ぐためにも、ブランクがあることを考慮して対応してくれる企業かどうかを確認しましょう。
以上のように、ブランクのあるママ薬剤師が働きやすい復職先を見つけるには、とにかく情報収集が重要です。
とはいえ、自分一人で調べたり、求人を一件ずつ問い合わせたりするのには限界があります。また、採用担当者には直接聞きにくいことも多いもの。
そんなときは、薬剤師専門のコンサルタントに任せて、気になることをしっかりと調べてもらいましょう。
【業種別】ブランクのあるママ薬剤師の復職におすすめの職場
薬剤師はブランクがあっても復職しやすい職種ですが、業種によって働きやすさは異なります。
それぞれブランクのある薬剤師にとってどのような特徴があるのか見ていきましょう。
- 調剤薬局
- 調剤薬局は、ブランクのあるママ薬剤師にとって最も復職しやすい職場です。
ブランクのある薬剤師を受け入れる調剤薬局は常にあるため、他の業種に比べてご自身に合った復職先を選びやすいといえます。
総合病院門前や面薬局など出店形式はさまざまですが、立地よりも「余裕をもった薬剤師配置」「本部などに突発休に対応するヘルプ要員がいる」などの職場環境が整っているかに注目するといいでしょう。
そのほか、より家庭重視で働きたいという方は処方箋の枚数が多すぎず、忙しすぎない調剤薬局を選ぶというのも一手です。
ただし、こうした忙しすぎず働きやすい薬局は離職率が低くなかなか求人が出ないため、通勤圏内に該当する求人があるかコンサルタントに探してもらうことをおすすめします。
- 病院
- 病院への復職を考える場合、医療機能によってブランクのあるママ薬剤師へのおすすめ度は変わります。
一般的に、回復期や慢性期病院は「子育てと仕事の両立」という点で考えると、両立がしやすい復職先と言えるでしょう。
病院によっては、パート薬剤師の役割は「入院患者の調剤のみ」で定時退社が容易という職場もあります。
そのため、病院への復帰を希望するブランクのあるママ薬剤師には、回復期・慢性期病院をおすすめします。
一方、高度急性期病院や大学病院など高度医療を提供している病院の場合、病棟や手術室へ配属される可能性があり、基本的には当直を免れることもできません。
よほどブランク前に豊富な経験があり、勤務時間の融通が聞く方でない限りは避けたほうが無難でしょう。
- ドラッグストア
- ドラッグストアは、大手を中心に研修制度が充実しており、調剤併設型の店舗であれば、医療用医薬品とOTC医薬品の両方を取り扱うことができます。ブランク期間に失った知識をいち早く取り戻したい、ブランク前よりも知識を蓄えたいという方に向いています。
注意したいのは、ドラッグストアは調剤薬局、病院と比べて営業時間が長く、土日も営業している店舗が多いことです。自分の希望通りの勤務日・勤務時間が叶う職場かどうか、必ず事前に確認することをおすすめします。
ブランクのあるママ薬剤師が内定を得るためのポイント
復職しやすい薬剤師業界とはいえ、「ブランクがある」「子育てを重視したい」ことは受け入れる企業にとって歓迎すべき事情ではありません。
転職時には自身の希望を通す代わりに、復職先にどんな貢献ができるのかを面接でしっかりとアピールする必要があります。
- 優先順位を明確にする
- 「子育てと仕事の両立」は決して簡単ではないため、「週3日しか働けない」「土日は必ず休みたい」「15時には退勤したい」など、希望は際限なく湧いてくることでしょう。
しかし、採用担当者に「休みなどの権利ばかり主張する人だな…」と思われてしまうと、内定を得ることは難しくなってしまいます。
ほとんどの事業所はブランク中のママ薬剤師といえども、「助け合いの精神」をもっている薬剤師を採用したいもの。
たとえば、「特定の曜日だったら残業ができる」「月1~2回ならば土曜日に勤務できる」など、子育てに支障がない範囲で職場に貢献できるという意思を示すことが大切です。
あらかじめ自分にとって「絶対に譲れない条件」と「できれば叶えたい条件」を明確に区別し、優先順位をつけたうえで復職の面接に臨みましょう。
- ブランク前の職場のやり方やこだわりは捨てる
- なかには、ブランク後に復職した職場で以前の働き方に固執してしまう人がいます。
そして、それはブランク前に充実した働き方をしていた人ほど、過去を引きずってしまいがちです。
しかし、ブランク前にどんな華やかな経歴があったとしても、復職先では新人です。
せまい調剤室で勤務時間の大半を過ごす薬剤師には、円滑な人間関係を保つための「謙虚さ」や「協調性」が求められます。
高圧的な態度では、いくら経験やスキルをもっていても歓迎されません。
面接ではブランク前のやり方にこだわらず、新しい職場に合わせる姿勢を持ちましょう。
面接では薬剤師としてこれからどうなりたいのかを伝える
ブランクのあるママ薬剤師は、目の前の復職に集中するあまり、「これから、どんな薬剤師になりたいのか」を言語化できない人が多い傾向があります。面接に臨む前に、ライフプランを踏まえたうえで薬剤師としてどう成長していきたいのかを振り返ってみてください。望んでいないのに、印象を良くしようと「将来、正社員に戻りキャリアアップを目指す」などと言う必要はありません。「子どもが中学生になるまで勤務時間の増減は考えられないが、その後は少しずつ仕事のウエイトを増やしたい」など、正直に考えを伝えて企業側と認識の齟齬が生まれないようにすることが大切です。うまく言語化できないという方は、コンサルタントがお手伝いしますのでお気軽にお問い合わせください。
ブランクのあるママ薬剤師に必要な準備
めでたく内定を獲得し、復職先が決定したら、職場でより働きやすい環境を作るため、以下のことを行いましょう。
- 採用医薬品集をもらえるか相談しよう
- ブランクがあるママ薬剤師にとって、医薬品の知識を増やすことはとても大切なこと。
しかし、子育ての合間の限られた時間の中、やみくもに知識を詰め込むのは非効率です。そこで、復職先が決まって入社日まで期間がある場合は、配属される店舗の採用医薬品集をもらえるか相談してみましょう。
店舗でよく処方する医薬品を把握しておくことで、ブランクを終えていざ復職したあとに「この薬ってなんだっけ…」と知識の抜け漏れに焦る心配がなくなります。
なお、企業によって品目集は社内規定で非公開としているケースもあります。
- 採研修認定薬剤師の単位を取ろう
- 余裕があるならば、研修認定薬剤師の単位を取ることもおすすめです。
研修認定薬剤師の単位は、日本薬剤師研修センターが認可したeラーニングや学会、セミナーの受講によって獲得できます
eラーニングやセミナーでは基礎的な内容から薬剤師業界で注目されているトピックまで情報収集できるため、業務のカンを早く取り戻す手助けになるでしょう。
一部の学会やセミナーを除き自宅のパソコンやスマートフォンから受講できるので、移動の負担がない点も魅力です。
また、研修認定薬剤師は「かかりつけ薬剤師」になるための要件のひとつでもあります。かかりつけ薬剤師の要件を満たすことで薬剤師としての市場価値が高くなるため、多くの転職先が見つかります。
子どもが大きくなったらフルタイムのパート社員や正社員に復帰したいとお考えでしたら、研修認定薬剤師の資格取得を目指すことはメリットしかないでしょう。
薬剤師の仕事に前向きな姿勢を示すことが大事
今回、内定獲得後の事前準備として紹介したポイントは、面接時にアピールできるポイントでもあります。なぜなら、採用担当者にとってブランクのあるママ薬剤師を採用するとき、少なからず「子育て重視で仕事には消極的なのではないか」「復職してもすぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を抱いているからです。仕事に対して前向きな姿勢を見せることで、「薬剤師としての熱意がある人だ」ということを採用担当者にしっかりと伝えましょう。
まとめ
ブランク後に復帰するときは、仕事についていけるのか、育児や家事との両立は大丈夫か、誰でも不安に感じるものです。しかし、薬剤師には同じ道を通ってきたママ薬剤師がたくさんいます。職場での受け入れ態勢も整っています。多くの事例を見てきた薬剤師転職コンサルタントの支援を受けることもできます。
薬剤師はブランクにも「強い」資格です。この記事のアドバイスを参考に、自分らしい一歩を踏み出してくださいね。
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