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小論文の書き方

本項では、小論文の定義から書き方までをご紹介します。
試験直前になってから小論文対策を行っても書く力は十分につきません。
事前にしっかりと対策を行ったうえで、選考に臨むようにしましょう。

小論文と作文の違い

よく、「小論文と作文の違いってなに?」と言う声を聞きますが、小論文と作文は全く異なるものです。
小論文とは与えられたテーマに対し、自分の意見を論理的に主張する文章のこと。
一方、作文は自身の体験を基に感じたことを書く文章です。
傾向として、病院や公務員の就職試験では小論文が出題されることが多いようです。

小論文 作文
内容 テーマに対する自分の意見を論理的に主張する 自身の体験を基に感じたことを書く
出題テーマ 時事問題志望先の業界に関するテーマが多い 「学生時代に打ち込んだこと」「自分の長所」など自分自身に関することを問うテーマが多い
評価ポイント 論理性・説得力・客観性他 感受性・表現力 他

就職試験における小論文の位置づけ

小論文の対策を始める前に、就職試験で出題される小論文の位置付けを理解しておくことが重要です。
何のために小論文が出題されるか?それは、病院・企業と応募者の考え方や素質がマッチしているかどうかの判断のためです。
したがって、その意図に沿った回答を書く必要があります。

間違ったイメージに注意!採用担当者の判断要素とは

就職試験における小論文で、採用担当者は何を見ているのでしょうか。

「今までにない新しい発見が生まれる意見」
「小説家のような素晴らしい文章」
「他の人にない独創的な考え」

上記のようなイメージを持つ人がいますが、これらは全く必要ではありません。
採用担当者は小論文の内容に、以下が反映されているかを見ています。

一般的な判断要素

◆わかり易く相手に伝える力

  • 主張の明確さ
  • 論旨の一貫性

◆社会人に必要な正確さ

  • 誤字脱字のない正確な記載

◆社会人としての適性

  • 業界への関心
  • 向上心
  • 説得力
  • 客観性

これらに加えて、各企業や各病院の求める人材像と合致しているかという点も見ています。
例えば、某病院の場合は「コミュニケーションスキル」や「仕事の正確さ」が挙げられます。

一例

ではここで、病院や公務員試験において、合否の判断材料として見られる項目を挙げておきます。

  • 医療業界への関心・考え方
  • 薬剤師業務に対しての考え方
  • 仕事に対する正確性
  • コミュニケーション力
  • 責任感
  • 時間管理力   etc

小論文の基本構成

小論文の文章構成や字数配分は以下を参考にすると良いでしょう。
なお、書く力は短時間で身に付くものではありません。事前に仮テーマを立て、書く練習をしましょう。
書いたあとは、大学の先生や友人など、第三者に一度読んでもらってください。
自分の主張が正しく伝わっているのかという観点で意見をもらうと良いでしょう。

試験当日の時間配分(60分の場合)

◆構成を練る:15分

  1. テーマに対して、主張したい内容をいくつか箇条書きで書き出す(内容)
  2. 主張した内容それぞれの裏付けとなる体験・知識・例などを書き出す(裏付け)
  3. 一番書きたい内容を選ぶ
  4. 序論・本論・結論のそれぞれの要約文を書いてみて、論旨が通っているか確認する
  5. 論旨が通っていない場合は、①内容・②裏付けのいずれかの変更を検討する

◆書く:40分

◆推敲する:5分

読み直して、誤字脱字・全体の流れをチェック!

文章を書くうえでのテクニック

最後に、小論文を書く際のテクニックを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

ポイント
抽象的な表現は具体的に!

現在、日本は少子高齢化が進み、医療分野においてさまざまな問題がある。

現在、日本は少子高齢化が進み、医療分野においては医療費の高騰、医療従事者の不足などの問題がある。
1文章1内容」を意識する

病院薬剤師は医師と一緒に治療計画を立てていくことが必要であるため、薬の知識だけでなく疾患についての知識やコミュニケーション力が必要だ。

病院薬剤師は医師と一緒に治療計画を立てていくことが必要である。そのため、薬の知識だけでなく疾患についての知識やコミュニケーション力が必要だ。
」「である」調で統一する

薬剤師は病院、薬局、ドラッグストア、それぞれの職場において求められる役割がある。病院の場合、患者様のQOLの向上を目的とした「チーム医療の一員」としての活躍が期待されています。

薬剤師は病院、薬局、ドラッグストア、それぞれの職場において求められる役割がある。病院の場合、患者様のQOLの向上を目的とした「チーム医療の一員」としての活躍が期待されている。
同じ言葉を使いすぎない。

救急・急性期医療に関わる場合、重要なことは救急・急性期医療において繁用される薬剤の知識の獲得である。

救急・急性期医療に関わる場合、重要なことは患者様へ繁用される薬剤の知識の獲得である。

【参考文献】
前田 進(2010)『見てわかる小論文 短時間 攻略法』法学書院、喜治 賢次(2015)『2017年度版サクセス!小論文&作文』新星出版社、新星出版社編集部(2015)『2017年度版 受かる小論文・作文模範文例』新星出版社