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徹底調査!薬剤師の平均年収比較

他職種と比較して年収が高いと言われる薬剤師ですが、年収は薬剤師自身のキャリアや会社の規模などによっても異なります。とはいえ、社内や知人の薬剤師に年収を聞くのはなかなかハードルが高いもの。同僚の薬剤師や職場の管理薬剤師、上司の年収が一体どれくらいなのか、ご存知の方は少ないのではないでしょうか。
転職をしたら今よりもどれくらい給料が上がるのか、または今の会社で何年くらいキャリアを積めば、いくらの年収を得ることができるのか――。薬剤師としてのキャリアを考えるうえで、年収はとても大切な指標です。
そこで今回『薬キャリ 職場ナビ』では、薬剤師の年収に関する調査を実施しました。男女別、年齢別・企業規模別などさまざまな角度から薬剤師の平均年収をチェックしていきましょう。

薬剤師の平均年収の推移

薬剤師の平均年収推移

薬剤師の平均年収は2010年以降、一時的な減少をはさみつつもゆるやかに上昇。2019年度は561.6万円と近年で最も高い金額になりました。10年前の2010年518.1万円と比べると、43.5万円も平均年収は上がっています。
しかし、2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、経営が厳しくなる薬局・病院・ドラッグストアが増えるなど、薬剤師業界を取り巻く状況は大きく変わりました。今後、近年の流れのまま平均年収が上がるかは不透明な状況です。

男女別に見る薬剤師の平均年収

薬剤師と全業種 平均年収比較

薬剤師の平均年収は全職種平均より高く、男女間の年収差も比較的少ない

薬剤師の平均年収は男性薬剤師が約600.6万円、女性薬剤師が約535.7万円。男女ともに全職種の平均年収[男性480.6万円、女性372.6万円]を大きく上回っています。薬剤師の年収の特徴は、男女での年収差が比較的小さいこと。全職種の平均年収では男女で108万円の差がありますが、薬剤師の平均年収では約65万円の差にとどまっています。その理由としては、薬剤師が「資格がなければ就けない職業」であり、かつ薬剤師業界は「女性が約6割、男性が約4割」と女性が多いことが上げられます。

女性中心の業界のため、「出産や子育てとの両立」「復職のしやすさ」など、女性が働きやすい職場環境が整っている企業が多く、また他業種に比べて管理職に就く女性も多い特徴があります。そのため、全職種の平均に比べて女性薬剤師の平均年収が高くなっています。

男女年齢別に見る薬剤師の平均年収

ライフスタイルの変化が、薬剤師の年収増減に影響

男性薬剤師平均年収

年齢 男性薬剤師
25~29歳 ¥4,963,900
30~34歳 ¥5,810,800
35~39歳 ¥6,536,100
40~44歳 ¥6,520,800
45~49歳 ¥7,041,800
50~54歳 ¥7,192,200
55~59歳 ¥7,299,400
60~64歳 ¥6,072,000
65~69歳 ¥5,446,100

男性薬剤師の年収は、年齢とともに増加していきます。特に40代前半までは、管理薬剤師や薬局長、エリアマネジャーなどキャリアアップを目指す人が多く、年収の上がり幅も大きいです。40代後半~50代後半にかけてはそれまでに比べて、上がり幅は緩やかになります。これはキャリアアップが頭打ちになってくるためと想定されます。そして、定年を迎える60代への突入を期に平均年収は下降します。

女性薬剤師平均年収

年齢 女性薬剤師
25~29歳 ¥4,641,300
30~34歳 ¥5,076,800
35~39歳 ¥5,423,200
40~44歳 ¥5,786,700
45~49歳 ¥6,014,800
50~54歳 ¥6,709,400
55~59歳 ¥6,191,400
60~64歳 ¥5,241,200
65~69歳 ¥6,004,400

女性薬剤師は、男性薬剤師比べて20代後半から40代後半までの年収の上がり方が緩やかです。これは、結婚や出産といったライフイベントによって一定の女性薬剤師が離職や休職、もしくは時短勤務などの切り替えによって年収が下がることが原因です。 子どもの成長とともに家庭から薬剤師業務へと時間の使い方がシフトし始めるため、子育てが一段落する50代前半になると平均年収が上がります。
その後、定年の60代に向けて年収は下がりますが、65歳以上で平均年収が上がることから、定年を過ぎても精力的に働く女性薬剤師が多いと言えるかもしれません。

薬剤師の年齢別の平均賞与額

年齢別 平均賞与額

年齢 平均賞与
25~29歳 ¥747,300
30~34歳 ¥998,200
35~39歳 ¥1,013,400
40~44歳 ¥1,090,600
45~49歳 ¥1,257,450
50~54歳 ¥1,047,550
55~59歳 ¥1,414,200
60~64歳 ¥883,950
65~69歳 ¥563,650

年齢別の平均賞与額についても見てみましょう。賞与は基本給の上昇に比例して上がり、役職に就くと大きく上がる企業もあります。薬剤師の平均賞与額は、新卒で入職した薬剤師の経験年数が10年を超え始める35~39歳で100万円を超えます。その後、55~59歳で141.4万円とピークを迎えます。定年とする企業の多い60歳を超えると賞与額は100万円以下に下がります。

経験年数別に見る薬剤師の平均年収

経験年数別 平均年収

薬剤師としての経験年数は年収に比例する

次に、薬剤師業務の経験年数が年収に与える影響を見ていきましょう。
薬剤師業務の経験年数と年収は比例して伸びています。この経験年数は、転職時の年収にも大きく影響します。例えば、年代は同じでも経験年数が異なる場合、薬剤師業務の経験年数が短い薬剤師よりも長い薬剤師の方が一般的に年収は高くなります。なぜなら、「経験年数≒薬剤師業務のスキルの成熟度」と捉えられるからです。
薬キャリエージェントのコンサルタントによると、特に年収への影響が大きいのは経験3年~5年。経験3年でひと通りの薬剤師業務ができるスキルを、経験5年で管理薬剤師などマネジメント業務も担えるスキルを備えている、と考えられる傾向があるようです。

企業規模別の薬剤師の平均年収

規模別 平均年収 平均年齢
全体 ¥5681300 39.5
10~99人 ¥6233350 43.7
100~999人 ¥5575800 41.0
1000人以上 ¥5407700 35.6

※企業規模の目安
従業員数10~99人は、3店舗~10数店舗を展開する中小規模調剤薬局・ドラッグストア
従業員数100~999人は、中規模~全国チェーン展開する調剤薬局・ドラッグストア
従業員数1000人以上は、全国チェーン展開する調剤薬局・ドラッグストア

平均年収が最も高いのは、中小規模の調剤薬局・ドラッグストア

企業規模別では、平均年収はどう変わるのでしょうか。
平均年収が最も高いのは、企業規模10~99人の中小規模の調剤薬局・ドラッグストアで、623.3万円。対して、平均年収が最も低いのは企業規模1000人以上の全国チェーンの調剤薬局・ドラッグストアで540.8万円でした。

この平均年収の差は、主に採用方法の違いによるものです。全国にチェーン展開するような企業は、毎年多くの新卒薬剤師を採用します。新卒薬剤師の年収は、スキル・キャリアがある中途採用の薬剤師と比較すると当然低くなります。その後も、急激に年収が跳ね上がるケースは稀で、基本的には規定の昇給率に沿って緩やかに上ります。そのため、業界内では低めの年収で獲得した薬剤師が一定数在籍している大手チェーンは、平均年収が低くなるのです。

一方、中小規模の企業は即戦力になる中途薬剤師の採用が中心のため、新卒に比べて入社時から年収は高くなります。また、企業によっては新卒薬剤師を採用しないことも珍しくないため、中小規模の企業のほうが平均年齢も平均年収も高くなる傾向があるのです。

また、中小規模の企業の平均年収が高くなるもう一つの理由が、入社時の年収交渉のしやすさです。中小規模の場合、採用担当者と経営者の距離が近いため、中途薬剤師が転職する際に年収交渉をしやすいのです。
とはいえ、中小規模の企業は、キャリアパスの選択肢が少ない、昇給制度が整っていないという場合も少なくありません。

クリアな昇給や評価制度を求める薬剤師は、全国チェーンの企業が最適でしょう。エリアマネジャーや薬局長などキャリアパスも豊富なため、実力次第で中小規模の企業を超える年収を得ることも可能です。
年収アップのためには、自身がどのような働き方をしたいのか、キャリアプランを明確にして職場を選ぶことが重要です。もし「キャリアプランがはっきりしない」と悩んでいる場合は、コンサルタントに相談するのも一つの手です。

店舗数別に見る管理薬剤師と一般薬剤師の年収

管理薬剤師の平均年収 一般薬剤師の平均年収 年収差
全体平均 ¥7,518,472 ¥4,738,925 ¥2,779,547
1店舗 ¥8,250,804 ¥4,449,514 ¥3,801,290
2~5店舗 ¥8,053,307 ¥4,721,781 ¥3,331,526
6~19店舗 ¥7,338,326 ¥4,580,168 ¥2,758,158
20店舗以上 ¥6,802,625 ¥4,891,469 ¥1,911,156

管理薬剤師の年収は高いが、企業規模によってバラつきも

最後に、管理薬剤師と薬剤師の平均年収を比較してみます。
管理薬剤師の年収は約751.8万円、一般薬剤師の年収は約473.9万円と、管理薬剤師の年収が大きく上回っています。なお、「1店舗」の管理薬剤師の年収が最も高額になっているのは、いわゆる個人経営の「パパママ薬局」が多いためと考えられます。

「1店舗」ならびに「2~5店舗」といった中小規模の企業では、管理薬剤師の年収が一般薬剤師に比べて300万円以上も上回っています。一方、「20店舗以上」での管理薬剤師と一般薬剤師の年収差は191.1万円。店舗数が多い企業では、管理薬剤師の手当や昇給額が抑え目になるようです。
よって、管理職へのキャリアアップや年収アップを目指すならば、大手ではなく中小規模の企業も視野に入れる必要があるでしょう。
企業ごとに管理薬剤師の手当・昇給額は大きく異なるため、転職コンサルタントなどを利用し、しっかり情報収集をしてください。

転職には、薬剤師としての10年後・20年後を見据えた決断が大切。その指標の一つとして、様々なパターンの平均年収を把握しておこう!

今回は、さまざまな項目に分けて薬剤師の年収を調査しました。
年齢別や企業規模別、役職別の平均年収が分かれば、今後どのような働き方をすればどのくらいの給与がもらえるのか、想像しやすくなると思います。

例えば、「10年、20年と長く働いて年収アップしたい」という薬剤師ならば、キャリアパスや昇給制度が整っている全国チェーンの薬局やドラッグストアを選ぶとよいでしょうし、「将来独立したいから、40歳まではいろいろな薬局で勉強したい」という薬剤師ならば、転職時の年収交渉をしやすい中小規模のチェーンで3年~5年ずつ経験を積み、キャリアップ&年収アップを図るのもよいでしょう。また、「子どもの学費を補てんできるようにバリバリ働きたい」というママ薬剤師なら、女性管理職が多い企業を選ぶのもおすすめです。

このように、働き方によっても年収は大きく変わります。初任給/転職時の提示年収だけに目を奪われず、10年後・20年後の薬剤師としての姿を想像して決断する事が重要です。
職場ナビでは、薬剤師としてキャリアアップしたい人、今よりもいい条件で働きたい人など、さまざまな薬剤師の転職をお手伝いしています。
また、今後どんな働き方をしたらよいのかわからないという薬剤師の方も、ぜひ一度お気軽にお問合せください。
専任のコンサルタントがあなたの希望する働き方や職場をご紹介します。

< 参考資料 >
令和元年賃金構造基本統計調査「年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」「職種・性、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」
第22回医療経済実態調査(医療機関等調査)

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