ログイン 会員登録

  1. 薬キャリ 職場ナビ
  2. 経営者インタビュー
  3. たんぽぽ薬局株式会社 椙山執行役員
たんぽぽ薬局株式会社 椙山執行役員

今、薬局に求められる役割を真摯に果たす

「選ばれる薬局づくり」「在宅医療の拡大」というビジョンのもと、たんぽぽ薬局が描く企業成長の青写真とは

薬局間の競争激化と在宅医療ニーズの拡大によって調剤薬局の役割も変化

――はじめに、今後の調剤薬局業界の市場予測を教えてください。

椙山 正秀(すぎやま まさひで)
たんぽぽ薬局株式会社
執行役員 企画管理部部長 薬剤師

今後の業界変化として重要と捉えている点は主に二つあります。一つは医薬分業の進展による薬局間の競争激化。もう一つは地域包括ケアシステムの推進による在宅医療ニーズの高まりです。
一つ目の薬局間の競争激化についてですが、薬局の処方箋枚数の伸びは年々鈍化しており、近年中に、医薬分業率は完全分業とされる70%に到達するでしょう。それにより、病院が院内処方から院外処方へ移行したことで生まれる処方箋の受け皿として、門前薬局を出店するケースは減少していくと考えています。一方で、ドラッグストアやコンビニエンスストアなど小売店への併設や駅ナカ立地など、薬局の出店スタイルは多様化しています。これまでの門前薬局は、隣の薬局にどう勝つかが業績を左右する大きなファクターでしたが、今や至るところに競争相手がいるという時代に突入しているのです。
さらに、医薬分業の進展とともに医薬分業に対する患者さまの理解も深まっています。以前は、病院で処方箋を受け取ったら、その門前の薬局で薬を受け取るものだ、と思い込んでいた方も少なくありませんでしたが、全国どの薬局でも調剤サービスを受けられることが徐々に認知されてきました。したがって、今後は「患者さまに選ばれる薬局」こそが生き残っていける薬局と言っても過言ではないのです。 もう一つは、在宅医療ニーズの高まりです。2025年には75歳以上の人口が、全人口の4分の1を占める超高齢化の時代に突入します。それに伴い、地域包括ケアシステムの重要性がますます高まっていくでしょう。
厚生労働省が発表したデータによると、2012年と2025年を比べた人口動態では、介護サービスを受ける人口は451万人(うち在宅サービスを必要とする患者は320万人)から658万人(同463万人)に増加すると予測されています。つまり、医療業界が「医療」から「介護」、「入院」から「在宅」へと移行するのに伴い、薬局の役割もまた変化しなければなりません。調剤薬局が成長するためには在宅医療への取り組みが重要になると確信しています。

変化の渦中にある薬局業界で、たんぽぽ薬局がめざす方向性とは

――「薬局間の競争激化」「在宅医療ニーズの高まり」という市場動向を踏まえ、御社が掲げるビジョンについて教えてください。また、そのビジョンを実現するための戦略についてもお願いします。

現在、弊社は総合病院の門前をメインに115の調剤薬局を展開しています。その立場から先ほどの市場動向を踏まえてわれわれが描くビジョンは、ずばり「選ばれる薬局づくり」と「在宅医療の拡大」です。
まず、薬局間の競争が激しくなる中で「患者さまに選ばれる薬局」となるべく、以下三つのポイントを強化していく考えです。
一つ目は「専門性」。総合病院門前は多様な症例の処方箋を扱うことに加えて、高度医療に伴う処方箋を扱う機会があり、薬剤師が専門性を高めていくのに適した環境といえます。さらに「服薬指導」や「重篤副作用対応」「ハイリスク薬」などについて学ぶ自社の研修センターでの講習、そして入社後6~10ヵ月間のOJT制度と合わせて、知識と実務ともにレベルの高い薬剤師を育成しています。
二つ目は「安全性」です。調剤過誤防止システムや電子薬歴の導入といったシステムに投資することで、人の手による作業を減らし、業務の効率化と安全性の向上を整備しています。そのうえで、各薬局の平均人数は薬剤師で5人、医療事務で3人と、十分なリソースを配置しているのが弊社の特徴。店に必ず医療事務を配置することで、薬剤師は調剤や服薬指導などの専門業務に集中できますし、複数の薬剤師によるチェック体制を整えて安全性をより高めているのです。
そして三つ目が「ホスピタリティ」です。まず、全店の接遇を管理する接遇専門のリーダーを設置しています。この接遇リーダーがエリアリーダーとMS(医療事務)リーダーに指導を行なうことで、薬剤師、医療事務ともホスピタリティを向上させています。さらに、一人ひとりの患者さまに十分な接遇を行なえるよう、1店舗に薬剤師、医療事務を複数人配置しており、この複数人体制が前述の「安全性」にもつながっています。
また、弊社の特徴として、薬剤師だけでなく医療事務も大半を正社員として採用していることが挙げられ、長期的なスキルアップによりホスピタリティの向上を実現しています。
これらの施策により、門前薬局のなかで勝ち残る薬局となってまいります。

―― 在宅医療の拡大については、どのような戦略をお考えですか。

地域包括ケアシステムの推進に伴う在宅医療ニーズの増加に対し、薬局に求められる役割を果たしていく考えです。その際、総合病院の門前薬局を主力とする弊社ならではの強みを活かしたいと思っています。
総合病院門前ならではの強みとは、複数の診療科からの同時処方や高度医療に対する理解、それらに対応する幅広い医薬品知識を薬剤師が持っていることです。今後、病院と同様に在宅でも、複数科目の診察や高度医療を受けられるようになった場合、この薬剤師の実務経験が在宅の現場で役に立つと確信しています。
今はまだ、医師も自分たちも在宅を本格的にはじめたばかりで、双方の役割を探りながら経験値を高めている段階。すでに現場では、バイタルサインの測定をはじめフィジカルアセスメントを取り入れていますが、さまざまな方針や事情を持つ医師や施設の意向を汲みながら、「薬剤師にできることは何か」を模索し、薬剤師が貢献できる範囲でその役割を拡大していきたいと考えています。
現在、在宅医療を提供している店舗は全体の半数程度で、サービス提供先は居宅よりも施設が多数を占めています。引き続き、自社の営業部隊が提携先の施設を開拓する他、親会社のトーカイとも情報を共有しながら施設を中心としたサービス提供先を増やしていく予定です。

――在宅医療の進展に伴い、出店エリアも従来の門前から変わるのでしょうか。出店計画について教えてください。

薬局市場については、前述の通り、医薬分業による新規出店の余地がなくなると予測しています。しかし、弊社がドミナント展開する東海エリアはまだ分業率が低いため、しばらくはこれまでと同じように門前を中心に出店を続ける計画です。在宅医療は拡大させますが、従来通り、薬局内の処方箋調剤を経営の柱にするつもりなので、総合病院の門前の中でも一番手で一等地を選ぶという方針にのっとって進めるつもりです。
ただし、在宅業務の性質上、無菌調剤室などの設備や、訪問用車両の駐車スペースなど門前型とは異なる機能が必要ですので、地域ごとに在宅専門店を作ることも視野に入れています。

変化を続ける業界で成長するために、たんぽぽ薬局が求める薬剤師の資質とは

――御社の掲げるビジョンを実現するために求める薬剤師とは、どのようなスキル、マインドが必要でしょうか。

「選ばれる薬局づくり」に必要な「専門性」「安全性」「ホスピタリティ」の強化、そして「在宅医療の拡大」のための戦略を踏まえ、「向学心」「医療人としてのマインド」「社会性」を備えた薬剤師を求めています。 まず、「向学心」についてですが、そもそも薬剤師は、生涯を通じて勉強しなければならない職業です。なぜならば、調剤や服薬指導には医薬品に関する豊富な知識が不可欠であり、特に総合病院門前では新薬の処方も多いため、最新の情報を常に身につけていく必要があるからです。また、在宅医療に関しては薬局・薬剤師の役割を模索している段階のため、バイタルサイン測定のような薬剤師が使う新たな技術を見つけなければならない。ですから、学ぶことが仕事へのモチベーションになる人を求めています。
次に、「医療人としてのマインド」ですが、疾患を抱える患者さまに対して「どうしたら苦痛から解放できるか」と思考する医療人マインドは、薬剤師にとって不可欠です。営業中は、接遇教育やマニュアルで規定しきれない想定外の事態が多く、「何が患者さまにとってベストか」を薬剤師自身が考えなければなりません。とりわけ在宅医療は店頭よりもそうした事態が起こりやすいので、このマインドがいっそう問われる現場だと認識しています。
最後に、「社会性」については薬剤師に限ったことではないのですが、「選ばれる薬局」や「在宅推進」を掲げる弊社の戦略においては、決して軽視できないポイントです。門前薬局では疑義照会など医師との関わりが多く、在宅医療では医師や看護師、ケアマネジャーなど多職種が関係するため、コミュニケーション能力が重要なのです。

――「向学心」「医療人としてのマインド」「社会性」を備えた薬剤師を育成する体制は整っているのでしょうか。

はい。研修制度は新卒、中途に関わらず内容を充実させています。新入社員に対しては入社後2ヵ月間の本社研修と店舗実務実習を行います。一方、中途社員に対しては、研修センターと本社で5日間に渡る研修を実施。ともに服薬指導から重篤ハイリスク薬の取り扱い、ホスピタリティなど多岐に渡る内容を学びます。また、入社後はOJTトレーナーによるマンツーマン指導を新卒で10ヵ月間、中途で6ヵ月間行なっており、調剤未経験でも不安なく働ける環境をつくっています。
他にも、役職ごとに「薬局長研修」や「エリアマネジャー研修」なども設け、人材管理のスキルアップを目的とした研修も用意しています。

――社員がスキルアップ、キャリアアップするためのサポート体制を整えているのですね。ところで、女性が6割を占めている薬剤師業界では、女性が結婚や出産後もいかに仕事を続けるかが課題となっていますが、女性社員に対する支援制度について教えてください。

弊社は社員の8割が女性なので、出産や育児によって女性がキャリアを中断しなくてもいいようにサポート体制を構築しており、彼女たちが長く働ける環境を提供しています。たとえば、育児休業は法定期間よりも1年長い2年間に設定していますし、復帰後も、小学校1年生年度末までの子どもを持つ社員は、15分単位で最大2.5時間まで時短勤務が可能。さらに、小学校3年生年度末まで取得できる看護休暇や、病児保育の補助金制度など、仕事と家庭のバランスを取りながら働ける制度を整えています。このような取り組みがきちんと運用されていることが認められ、2007年以来、4回連続で「次世代認定マーク(愛称:くるみん)」を取得しました。
なお、2004年に産休育休を取得した社員は6人でしたが、制度の充実に伴い、2013年には49人にまで増加。産休・育休取得後の職場復帰率は100%を維持しています。

――御社が成長するうえで、薬剤師の質の高さを重要視されていることが分かりました。

高齢化によって医療ニーズが高まる中、たんぽぽ薬局は薬局内の処方箋調剤と、在宅医療の2本柱での成長を見据えています。そこで企業成長の要となるのが「在宅もできる薬剤師」。そして、在宅医療に携わるには、先ほどお伝えした「向学心」「医療人としてのマインド」「社会性」を持ち合わせていることが、重要だと考えています。ですから、そのための育成制度を充実させ、安心してキャリアを積める環境をつくり、薬剤師をバックアップしていく方針です。薬剤師の成長と活躍こそが、企業成長の基盤であると考えています。

おすすめ記事

人気記事ランキング

ピックアップ記事

薬剤師 の求人をお探しならコンサルタントにご相談ください

求人をお探しならコンサルタントにご相談ください
薬学生のための就活情報サイト 薬キャリ1st powered by m3.com