年々増え続ける日本の医療費は2014年8月の時点で8500億円に達し、11年連続で過去最高を更新した。
医療費抑制の施策として今注目を集めているのが「セルフメディケーション」だが、広い意味では「リフィル処方箋」もその一つといえるだろう。

「リフィル処方箋」は7月11日の薬キャリ通信でも触れた通り、アメリカ、フランス、イギリス、オーストラリアではすでに導入されている制度だ。導入から20年もの歴史があるアメリカでは、新規処方箋とリフィル処方箋の割合は半分だという。もちろん一度の診療でその後無限にリフィルが可能というわけではなく、抗不安薬には回数制限を設けている他、麻薬には適用されない。

一方、日本にもこれと似た制度として、処方箋に記載された日数、使用量の範囲で分割を行う「分割調剤」が存在する。しかし、これは副作用発現の可能性や医薬品の保管に問題がある場合に、投与日数を分割する仕組みであり、処方箋の反復利用ではない。「リフィル処方箋」とは似て非なるものだ。
そこで「リフィル処方箋」のメリットとデメリットについて整理してみた。

<メリット>
・患者が病院に行く手間と時間を節約できる
・医療費の節約(さらに患者にとっては再診療費が不要になる)
・経過観察や服薬指導といった、患者の対応に時間を使える

<デメリット>
・経過観察を怠ると、患者の状態悪化に気付けない可能性がある
・医薬品の転売に悪用される可能性がある

「リフィル処方箋」を導入する場合、薬剤師は定期的に薬を受け取りに来る患者に対して、きちんと状態を観察する必要がある。そのためには、調剤の自動化、テクニシャンの活用など、薬剤師の「作業」軽減のための施策も同時に考えなければいけない。したがって、これまで薬剤師の仕事だと言われてきたものが大きく変化するだろう。
日本の医療制度を守るためにも、医療費の削減は必須。そのための対策を早急に練る必要がある。

薬キャリ編集部A.S

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