以前、薬キャリ通信では現地レポートとして「アメリカと日本の薬局の違い」を紹介したが、先日、タイを訪れる機会があったため、今回はタイの薬局についてレポートしたいと思う。

タイといえば、2014年8月31日から9月4日にバンコクで開催された第74回国際薬剤師・薬学国際会議(74th FIP World Congress of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences 2014)が、みなさんの記憶に新しいのではないだろうか。「今、医薬品、薬剤師がうまく利用できれば、明日のよりよいアウトカムにつながる(Access to medicines and pharmacists today, better outcomes tomorrow)」というテーマのもと、世界中の薬剤師が「健康へのアクセスの確保、医薬品、介護など」について意見を交わした。

レジ横に設置されていたaccu-chek

タイでは医薬分業が進んでおらず、ほとんどが院内薬局。また、処方箋なしでも薬局で高血圧や糖尿病の医薬品を購入できるのが特徴だ。今回、筆者が訪れたのはバンコク都バーンラック区にあるサラデーン駅(สถานีศาลาแดง)周辺。街の至るところにドラッグストアがあり、特に14年12月に米国ドラッグストアチェーンの最大手「ウォールグリーン」が完全買収したスイスの同業大手「アライアンス・ブーツ」の店舗が多く見られた。

そこでアライアンス・ブーツの店舗に入ると、一人の患者が薬剤師と話をしていた。その女性は足首に貼ったシップ薬を指し、「これと同じものがほしい」という。すると薬剤師は問診票を患者に手渡し、彼女に記入を依頼。その問診票をもとに、薬剤師はシップ薬を販売していた。これは日本では見られない光景だろう。前述の通り、タイでは処方箋なしでも医薬品を購入できるなど、「患者と薬剤師の距離」は日本のそれより近いのではないかと感じた。
また、アライアンス・ブーツではレジ前に必ず「Counselling and Prescription Area」としてaccu-chekがディズプレイされており、局内で糖尿病検査ができることを分かりやすく示していた。

一方、日本のドラッグストアも出店している。バンコクでよく目にしたのが、日本でドラッグストアと調剤薬局を1300店以上展開する株式会社ツルハホールディングスだ。同社は12年にタイに初出店し、15年4月時点では23店を展開。空港や駅、大型ショッピングモールなどタイ人のみならず、日本人も多く訪れる立地での出店が目立っていた。なお、同社は「世界に2万店を出店」を長期ビジョンに掲げている。今後の展開にも注目したい。

薬キャリ編集部A.K.

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