厚生労働省が薬局と患者へ「残薬」について行った調査をご存じでしょうか。『13年度の薬局の機能に係る実態調査』によると、薬剤師に「患者に残薬確認をした結果、残薬を有する患者はどのくらいいるか?」という質問に対して、9割以上の薬剤師が「頻繁にいる」(17.1%)「ときどきいる」(73.2%)と回答。一方、患者に対して残薬の有無を聞くと「大量に余ったことがある」(4.7%)「余ったことがある」(50.9%)と、半分の患者が医薬品を余らせていることが分かりました。

このように、残薬の多さについては以前から国も課題にしているのですが、NHK総合『クローズアップ現代』に続き、NHK総合『くらし☆解説』でも残薬に関する特集が組まれました。

そもそも残薬解消は、医療費の削減に加え、患者判断の服薬停止や飲み合わせによる健康被害を抑えることも目的の一つ。中には、「薬が多くてどれを飲めばいいのか分からないから、服薬しない」という患者もおり、症状が改善されないために医師が新たな薬を処方するという悪循環が起きているそうです。

■なぜ残薬が発生するのか
厚生労働省によると、残薬が発生する主な要因は「飲み忘れ67.6%」「新たな薬を処方21.5%」「飲むのを辞めた21.5%」。これらは医師の処方する薬が多すぎることと、薬の管理が患者任せになっていることが原因と村田英明解説員は話します。

たとえば、慢性疾患の場合、数ヵ月分の薬が処方されることがありますが、医師たちは他の医療機関で処方されている薬剤を確認することはほとんどなく、医療機関同士の連携が不十分という現状。そこで、薬局が中心となって患者の薬を管理する「かかりつけ薬局の機能の徹底」と「医師と薬局との連携」が重要となります。

■残薬削減は薬剤師、医師の意識にかかっている
薬の処方権限を持たない薬剤師が、医師に疑義照会を行うのは大変勇気がいることです。残薬の削減には医師の意識改革が重要だと村田氏は力説しました。

さらに、残薬問題の解消は、患者の治療改善にもつながると村田氏。薬の管理を患者任せにしている状況を速やかに改善し、医師と薬剤師の関係を構築し直すことが残薬問題の改善策と締めくくりました。

薬局での服薬指導時に「お家にお薬残っていませんか」とひと言確認するだけでもいいのです。「薬剤師として何ができるか」を考えてみましょう。

薬キャリ編集部A.K.

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