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医療費削減のために政府が推進するジェネリック医薬品の普及策。「2018年3月末までに数量シェア60%以上」という目標が掲げられ、14年度の調剤報酬改定では、保険薬局の調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の見直しが行われました。そうした流れを受け、ジェネリック医薬品の提案に力を入れはじめた調剤薬局やドラッグストアも多いのではないでしょうか。
そこで薬キャリ編集部では、大手調剤薬局とドラッグストアチェーン4社のジェネリック医薬品に関する取り組みと今後の展望をアンケート調査。ジェネリック医薬品の普及における業界の課題を探ります。

各社のジェネリック医薬品に関する取り組み

■株式会社アイセイ薬局
マンツーマン薬局の特性を活かして医師との連携体制を構築

弊社はマンツーマン薬局が多いので、ジェネリック医薬品の普及には処方せんを出す医師の理解も重要と考え、ジェネリック医薬品に関して、医師と薬局で積極的に情報交換しています。また、患者さまに対しては、自社制作の冊子と薬剤師からの説明を通じて、ジェネリック医薬品普及の意義や患者さまにとってのメリットを伝えています。

今後も、社内研修や医薬品メーカーとの勉強会を開催するなど、薬剤師の知識向上を図りながら、全社をあげてジェネリック医薬品普及の取り組みを強化するつもりです。

■日本調剤株式会社
ローコストハイクオリティな医療の実現へ。年間120億円以上の医療費削減に貢献

弊社は現時点でシェア70%以上を達成しており、2013年度は薬剤費を123億円削減することができました。この高いシェア率の背景には、薬剤師がジェネリック医薬品普及に取り組みやすい環境整備があります。例えば、各店舗に500品目以上のジェネリック医薬品の在庫を確保する他、患者さまへの説明方法などを収集した接客マニュアル「ジェネリック推奨事例集」を社内で共有するなど、ハードとソフトの両面から取り組んでいます。

また、TVCMやポスター、リーフレットなどを用いて患者さまのジェネリック医薬品への理解を促進。これからも引き続き、ジェネリック医薬品の普及を通じてローコストハイクオリティな医療の実現に努めていきます。

■株式会社ファーコス
患者さまのメリットだけでなく、医療制度についても説明

店頭にはジェネリック医薬品相談を訴求するのぼりを設置。さらに、店内にはジェネリック医薬品の相談窓口を開設する他、ポスターを掲示するなど、至るところでジェネリック医薬品をPRしています。
また、患者さまには自己負担金軽減の話だけでなく、ジェネリック医薬品の普及がいかに国民皆保険制度を維持するために大切かについて詳しくお話しし、きちんと納得したうえでジェネリック医薬品を使っていただけるように取り組んでいます。

今後は医療機関の医師と連携を強化し、患者さまへのジェネリック医薬品の推奨を続けていく考えです。

■株式会社ユタカファーマシー
これからはジェネリック医薬品に否定的な人へのアプローチが重要

自社制作のジェネリック医薬品関連ポスターを店内に掲示。客層の幅広いドラッグストアならではの特性を活かして、羅患者だけでなく一般客にも分かりやすくPRしています。また、お出ししたジェネリック医薬品に回収や変更が多いと、ジェネリック医薬品そのものへの信頼を失う可能性があるため、取り扱いメーカーは「安定供給」を基準に選んでいます。

現在のシェア率は53.9%で、さらに数値を上げるためには、これまでジェネリック医薬品に否定的な考えを持っていた患者さまへのアプローチが重要と考えています。そのために、エビデンスを用いながらも分かりやすい言葉で説明し、患者さまの理解を深めていくつもりです。

ジェネリック医薬品浸透の鍵は薬剤師が握っている

厚生労働省の調査によると『患者がジェネリック医薬品に変更したきっかけ』は、「医師からの説明」が8.5%なのに対し、「薬剤師からの説明」は66.1%の結果。薬剤師の取り組みが、ジェネリック医薬品の浸透に貢献していることが明らかとなった。それが後押しとなり、ジェネリック医薬品のシェア率は2014年12月の時点で50%まで達している。当初の目標も十分射程圏内に入ったといえるだろう。

一方で、医療費は上がり続けており、金額ベースで見ると、現段階ではジェネリック医薬品が医療費削減に貢献しているとはまだ言いがたい。そんな中、専門家コラムに連載している漆畑氏はコラム(ジェネリック医薬品の今と未来を考える 第2回)で、次のように述べている。

健康保険制度や医療制度の歴史などが異なるため、日本と諸外国のジェネリック医薬品のシェア状況を数字だけで比較するのは難しいが、アメリカでは後発医薬品は既に90%に達している。日本の社会保障費や医療費の厳しい状況を考えれば、いずれこの数値を目標とせざるを得ない時期が来るだろう。

60%という目標値の達成に満足せず、シェア率をさらに伸ばすための、継続的な努力が必要なのかもしれない。

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