北海道砂川市にある「いわた書店」が提供するとあるサービスが話題になっています。そのサービスとは、店主の岩田徹氏が「あなたにおすすめの」1万円分の書籍を選別し、宅配するサービス「1万円選書」。岩田氏はお客からのアンケートを元に、その人が「きっと喜ぶであろう」書籍を選んでいます。評判を聞きつけて予約客が殺到し、2015年1月3日の受付開始からわずか1週間で500人もの応募があったそう。ちなみに、予約者650人に達した現在は受付を停止中です。
北海道砂川市は、人口わずか1万8000人の町。いわた書店のホームページには岩田氏の言葉が以下のように綴られています。

本の問屋=取次店同士が仕掛けた出店戦争は累々たる廃業店の山を築き、結局は町の本屋さんを滅ぼしつつあります。一番困ったのは地方のお客さまです。車を持たず、公共交通機関に頼らざるを得ないお客さまにとって、町の本屋さんが無くなると いうのは大変な事なのです。田舎の小さな店にだって、自分が本と読者を繋ぐ最前線で生きているという矜持があります。そんな訳で、本好きな隣町の新聞販売店さんと協力して本の宅配を始めました。学校や病院にも出かけて行きます。小さな店こそ素晴らしい、本を必要とする人がいる限り本屋の生きる道はあるはずだと思っているのです。

「商品を必要としている人のもとに商品を届けたい」という思いは、医療の現場でも共通するのではないでしょうか。「薬を必要としている人のもとに必要な薬を届ける」とは、在宅医療での薬剤師の役割にも同じことが言えるはず。そして、北海道の田舎町にある小さな書店がこれほど有名になったのは、単に「本を届ける」のではなく、”あなたにおすすめの”本を届ける、というお客の立場に立ったサービスがあったからです。
在宅医療が推進されていますが、「会社の方針で言われたからやる」ではなく「患者が何を必要としているのか」という点に立ち返り、「薬剤師として提供できるサービス」を模索することが重要であり、その患者主体のサービスが生き残る薬局の条件になるのだと思うのです。

薬キャリ編集部Y.K.

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