2014年6月31日、東京都は都内の待機児童数(4月1日時点)が2年連続の増加となり、過去最多の8672人となったことを発表した。共働き世帯が12年度には53.8%(07年度は46.1%)になるなどその比率が急速に高まる中で、子どもの預け先が決まらず職場復帰ができない女性の数が増えているようだ。

政府もこの状況を解決すべく、15年4月から「子ども・子育て新支援制度」を新たに導入し、消費税を10%に引き上げることで生まれる財源から7000億円を投じる予定だ。これにより待機児童など子育てをめぐる課題の解決が期待されている。
こうした女性の職場復帰問題は、医療業界では”潜在”従事者として数字に顕著に表れている。
※ここでの「潜在」は、資格を有していながらその職業に就いていない人を指す。

■潜在薬剤師
02年の厚労省「薬剤師需給の予測について」の資料をもとに直近の薬剤師数から算出すると、約9万人の潜在薬剤師(=届け出がない薬剤師)がいると推計される。
また、02年調査データによると、”潜在薬剤師”の大半を高齢者が占めている一方で、20~30代の女性潜在薬剤師が20%~40%弱存在しており、出産や育児をきっかけに退職をしたまま復帰していない女性が多く存在しているのがうかがえる(現状は推計2.2万人)

潜在医療従事者については、薬剤師だけでなく看護職員や医師の世界でも課題となっている。

■潜在看護職員
11年度のデータから約77万人の潜在看護職員がいると推計される。ナースセンターの潜在看護職員に関する調査では、職場復帰をしない理由としては、子育てに関する悩みのほか、「夜勤の負担が大きい」「Žƒ‘Žƒ‘責任の重さ・医療事故への不安」が上位に挙げられた。
13年の厚労省「看護職員確保対策について」の資料によると、「看護師等免許保持者について一定の情報の届出制度を創設し、離職者の把握を徹底」「ナースセンターが、離職後も一定の『つながり』を確保し、ライフサイクルを通じて、適切なタイミングで復職研修等必要な支援を実施」などと対応策が記載されている。特に95%程が女性といわれる看護職員においては対策が国レベルで着実に進んでいるようだ。

■潜在医師
医師国家試験で女性合格者が3分の1を占めるなど、女性の業界進出が拡大する一方で、女性医師の職場復帰が課題となっている。そんな中、院内保育の設置以外にも、東京女子医科大学の「地域住民や学生の保護者らが医師らの子どもを保育園や幼稚園に送迎する『ファミリーサポート』制度」をはじめとするユニークな施策も採られており、各地で少しずつ対策が講じられている。(日経新聞「女性医師、職場に戻ってきて 復帰支援の動き広がる 」

少子高齢化が進行する中、医療従事者をいかに確保するか。
その答えの一つとして、女性の職場復帰の環境をいち早く整えることが業界を問わず重要な鍵となっている。

薬キャリ編集部K.S.

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