
はじめまして。薬剤師として働きながら、5歳の娘・ことねを育てている、つむぐです。
今日から、薬キャリママで連載を書かせていただくことになりました。
「つむぐ」という名前には、薬剤師として働く毎日と、子育ての日々を、一つひとつ大切に紡いでいきたいという想いを込めました。
そして、娘の名前は「ことね」。
日々の何気ない一言や笑い声が、私の毎日にやさしい音色を添えてくれる存在であってほしい――そんな願いから名付けました。
この連載では、そんな“つむぐ”と“ことね”の何気ない日常を綴っていきたいと思っています。
妊娠をきっかけに、仕事一筋だった私の生活が、一変した

私はもともと、仕事一筋の病院薬剤師でした。
緩和ケアに携わり、「身体だけでなく、心にも寄り添いたい」という思いで、毎日夢中になって働いていました。
このままずっと、病院薬剤師として働いていく。
当時の私は、それ以外の未来をほとんど想像していませんでした。
ところが、妊娠をきっかけに生活は大きく変わります。
つわりがひどく、妊娠中には約2か月の入院生活を送りました。
ほとんど何も食べられず、ひどいときには1日に20回以上も吐いてしまう日々。仕事どころか、その日を生き延びることだけで必死でした。
さらに出産間近には、恥骨結合離解というトラブルに見舞われ、歩くことも、立つことも、寝返りを打つことさえままならない状態になりました。
産後もしばらく自力で歩くことができず、介護ベッドを借り、車椅子で退院しました。
それまで当たり前のようにできていた「働く」ということが、突然、自分から遠く離れていったように感じました。
ようやく身体が回復してきた頃、今度は娘に「自己免疫性好中球減少症」という病気が見つかりました。
感染症に注意しながら生活する必要があり、保育園に預けることは難しい状況に。
「これから、私はどう働けばいい?」
仕事が大好きだったからこそ、思うように働けないことへの焦りもありました。
これまで積み上げてきた経験を、このまま途切れさせたくない。
でも、子どもとの時間も大切にしたい。
「母親になる前と同じように働く」ことだけが、キャリアを続けるということなのだろうか。
妊娠・出産、そして子育てを通して、私は初めて、自分のキャリアを立ち止まって見つめ直すようになりました。
医療ライターという仕事との出会い
そんな中で出会ったのが、医療ライターという仕事です。
薬剤師として学んできた知識や、患者さんと向き合ってきた経験を、文章という形で届ける仕事。
在宅でも挑戦できる働き方は、当時の私にとって大きな希望でした。
そして現在は、薬局で薬剤師として働きながら、医療ライターとしても仕事をしています。
以前とはまったく違う形だけれど、私なりのキャリアを少しずつ積み重ねています。
子育ての日々も、私のキャリアになっていた
医療ライターとして仕事を始めて、気づいたことがあります。
私の文章を支えていたのは、薬剤師としての経験だけではありませんでした。
娘との毎日の中で感じた戸惑い、喜び、失敗、そして小さな成長。
「どうしたら、この子に伝わるだろう」
「この子は、どうしてこう感じるんだろう」
そんなことを考え続けてきた日々が、いつの間にか、人に寄り添う文章を書く力にもつながっていました。
一度は「止まってしまった」と思っていた時間も、何も積み上げていなかったわけではなかったのかもしれません。
だからこそ私は、この連載で親子の日常を書いていきます。
特別な成功談ではなく、笑った日も、落ち込んだ日も、そのまま。
薬剤師として働く私だからこそ見えること。
母親になった私だからこそ気づけたこと。
そして、ときどき思いもよらないことをして、私を笑わせてくれることねとの日々。
そんな一つひとつを、ここで紡いでいきたいと思っています。
私たち親子の日常が、同じように育児とキャリアの間で揺れる誰かの「大丈夫」につながったら嬉しいです。
これから、つむぐとことねの日々を、どうぞよろしくお願いいたします。


