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薬学生インターンシップ体験談 薬局編

就職前に企業で就業体験ができるインターンシップ。
志望企業のインターンシップに参加してイメージとギャップがないか確認したり、情報収集が足りていなかった業種のことを深く知れたり、インターンシップをうまく活用することで就職活動の成功はぐっと近づきます。
ここでは、実際にインターンシップに参加した先輩の体験談をヒアリングしました。先輩たちがインターンシップに参加した理由や活用法を参考に、自分のインターンシップ先を選んでみてください。

  • プロフィール
  • H大学 5年生
  • 鈴木武司さん(仮名)
  • 志望業界:調剤薬局
  • 11:00~12:00本社でガイダンス、企業説明
  • 13:30~14:50漢方専門薬局の店舗見学、カウンセリング見学
  • 14:50~15:00質疑応答、解散

インターンシップに参加しようと思った理由
実務実習の内容と被らない経験を積みたい

調剤薬局志望だった私は、幸い実務実習先に恵まれ、実習中に調剤業務・服薬指導・在宅医療について満足できるだけの経験を積めました。
とはいえ、実務実習で学べる内容が薬剤師に関わる業務のすべてではありません。研究室の先輩に「色んな業種を知ることで、志望業種が本当に自分に合っているか自信がもてる」とアドバイスされたこともあり、実務実習で経験できなかった内容のインターンシップ先を探そうと考えました。

インターンシップ先の企業を選んだ理由
患者一人当たり1時間のカウンセリングに興味

このような考えで参加した就活イベントで出会ったのが漢方専門薬局のインターンシップでした。 最初は「実務実習で生薬に触れる機会はなかったな」と興味本位で説明を聞きました。しかし、説明が進むなかで「コミュニケーション」を特に重視している薬局であること、実際に患者さん一人当たり1時間以上のカウンセリング時間を設けていることなどを知り、「どんなコミュニケーションをとっているのか見学してみたい」と参加を決意しました。

インターンシップの内容
実務に生かせるコミュニケーションのノウハウを学ぶ

漢方薬局のカウンセリングは、実習で見たどのカウンセリングよりも丁寧で穏やかな対応でした。薬剤師は、疾患についてはもちろん、身の上話や子育ての悩みなど「なんでも話せる存在」として患者さんから信頼されていました。

質疑応答の際には、コミュニケーションのテクニックについて具体的に教えていただけたことも有意義でした。
「『はい』『いいえ』で答えられない質問をして、患者さんの言葉を引き出す」「わかりやすく相づちを打って、しっかり話を聞いていることを態度に示すこと」など、会話のなかで意識すべきことが理解できました。

業界・インターンシップ先への志望度の変化
インターンシップ先とキャリアプランのミスマッチに気づく

調剤薬局業界への志望度はより高まりました。
インターンシップで教わった「患者さんに寄り添ったカウンセリング」は、そのまま現場で生かせる技術であり、スキルを習得して「患者さんから信頼される薬剤師」になった自分の姿をよりクリアにイメージできるようになりました。

一方で、就職先として考えると漢方薬局は自分とマッチしていないこともわかりました。
私の目標は、幅広い薬学知識をもって、がんなど重症患者の在宅医療にも対応できる薬剤師になることです。しかし、インターンシップ先は漢方薬のみで西洋薬を取り扱っていないため、最新の医薬品に関する知識に疎くなる不安がありました。そのため、漢方薬局からキャリアをスタートすることは自分の理想ではないと考えました。

後輩に伝えたいこと
何のためにインターンシップに参加するのか軸を決める

私は「実務実習で経験できなかった業務・業種に触れる」という趣旨でインターンシップ先を探しました。
実際に漢方薬局という一般的な調剤薬局とは毛色が違う職場を知れたこと、患者さんとのコミュニケーションのノウハウを学べたことは貴重な体験でした。

インターンシップ先の選び方は自由ですが、「何のためにインターンシップに参加するのか」の軸を決めることをおすすめします。
私の周りには「友だちと一緒に参加すること」を最優先に、興味のないインターンシップに参加している人もいました。インターンシップは少なくとも1日、長いものでは1週間以上拘束されます。友だち付き合いを否定するわけではありませんが、それだけの時間を費やすならば、しっかり就職活動に役立てたほうが有意義ではないでしょうか。
インターンシップを生かして、皆さんが就職活動を成功できることを祈っています。

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