日本調剤株式会社
従業員を含めたすべての人の「生きる」に向き合う
取締役・上席執行役員
藤本 佳久
(ふじもと よしひさ)
(ふじもと よしひさ)
取締役・上席執行役員
藤本 佳久(ふじもと よしひさ)
調剤薬局業界をけん引するリーディングカンパニーのひとつである日本調剤株式会社。知らない薬学生はいないと言っても過言ではないほど有名な同社ですが、2022年にグループ理念が新しくなったことはご存じでしょうか。新しいグループ理念に込められた思いや、これからの調剤薬局事業の展望について取締役・上席執行役員の藤本佳久氏にお話をうかがいました。
これからの薬局業界を生き残るには、立地ではなく”人”
Q.
御社は2022年に、新しく日本調剤グループ共通のグループ理念を制定されました
日本調剤は1980年の創業以来、「真の医薬分業の実現」を理念として掲げてきました。44年の時を経て、北海道の1店舗から始まった当社も今では全国47都道府県に店舗をもち、全国の患者さまに質の高い医療を提供しています。医療をとりまく環境が変化する中で、日本調剤はジェネリック医薬品を主とした医薬品製造販売事業、医療従事者派遣・紹介事業、情報提供・コンサルティング事業と多角化を遂げてきたのです。
多角化した日本調剤グループの果たすべき責任を、時代の変化に合わせて定義しなおすために、このたび新しいグループ理念「すべての人の”生きる”に向き合う」を制定しました。「すべての人」とは患者さまはもちろん、あらゆる医療従事者、そして従業員を含んでいます。すべての人の人生に深く長く関わり、不可欠な存在でありたいという思いを込めました。このグループ理念ができるまでに、およそ2年の歳月がかかっています。従業員全員が共感できるものをつくるべく、社内外に調査を重ねました。
多角化した日本調剤グループの果たすべき責任を、時代の変化に合わせて定義しなおすために、このたび新しいグループ理念「すべての人の”生きる”に向き合う」を制定しました。「すべての人」とは患者さまはもちろん、あらゆる医療従事者、そして従業員を含んでいます。すべての人の人生に深く長く関わり、不可欠な存在でありたいという思いを込めました。このグループ理念ができるまでに、およそ2年の歳月がかかっています。従業員全員が共感できるものをつくるべく、社内外に調査を重ねました。
Q.
こうした理念を体現するために、どんな取り組みをされていますか
ひとつは新人事制度です。2024年4月から、理念を体現し日本調剤の薬剤師としてふさわしい人材を適切に評価するために「5つの基本姿勢」という項目を設けました。具体的には、「1.コンプライアンスを徹底する。2.相手を思いやる。3.知見を深め、視野を広げる。4.自ら考え、行動する。5.新しい発想を、共に創る。」の5つです。
日本調剤として目指す理想の状態は患者さまから「人で選ばれる会社になる」ことです。これからの薬局業界を生き残るには、立地ではなく人が重視されていくことは間違いないでしょう。患者さまに「この薬剤師さんにお願いしたい」と選ばれる薬剤師を増やしたい。そのための教育制度や職場環境を整えるのが、会社としての責任だと考えております。
日本調剤として目指す理想の状態は患者さまから「人で選ばれる会社になる」ことです。これからの薬局業界を生き残るには、立地ではなく人が重視されていくことは間違いないでしょう。患者さまに「この薬剤師さんにお願いしたい」と選ばれる薬剤師を増やしたい。そのための教育制度や職場環境を整えるのが、会社としての責任だと考えております。
在宅医療、医療DX、スペシャリティ医薬品の3本柱で時代をけん引する
Q.
今後の事業戦略における注力分野を教えてください
大きく3点をピックアップすると、「在宅医療」「医療DX化」「スペシャリティ医薬品」です。
まずは「在宅医療」についてお話しします。高齢化の進展や患者さまニーズの変化に伴って自宅で最期を迎える人が増え、また、医療技術の進歩により以前は生きられなかった人が医療的ケアのもと生きられる時代になってきました。だからこそ慢性期の在宅医療だけでなく、緩和ケア・小児領域など、難易度は高いものの重要度も高い在宅医療に積極的に取り組んでいます。日本調剤は2009年の黎明期から在宅医療に従事しており、今では全国に「在宅支援センター」を設置しています。センターには大型調剤機器を導入し、一包化調剤をはじめとするさまざまな調剤業務の効率化と安全性の向上を図っています。今後はさらに在宅支援センターを増設していく予定です。
次に「医療DX化」についても、日本調剤は業界の先頭を走っています。2014年にサービスを開始した「電子お薬手帳プラス」、2020年にはオンライン服薬指導システム「NiCOMS」を自社開発しました。今後普及が進むであろうマイナンバーカードを健康保険証として利用する「オンライン資格確認」の運用もスタートしています。オンライン資格確認の運用には、厚生労働大臣が視察に訪れており、時代を先取りした取り組みを続けている証ともいえるでしょう。
最後に「スペシャリティ医薬品」については、高度薬学管理機能を担える薬剤師の育成にいっそう力を入れていきます。
近年、抗がん剤や希少疾病薬、バイオ医薬品などいわゆる「スペシャリティ医薬品」の展開が増えています。しかしこれらは非常に高額な薬で、在庫管理を含め取り扱いの難易度が高く、どこの薬局でも簡単に取り扱えるものではありません。こうした役割を担うには一定の企業体力が必要であり、期待に応えることは日本調剤の社会的意義だと考えています。
そして、これらの医薬品を取り扱うには薬剤師の専門性が不可欠です。日本調剤では、いわゆる認定・専門薬剤師の資格取得のための病院実務研修の制度があり、症例集めにも最適な環境が整っています。また、"教育の日本調剤"の名に恥じない自慢のeラーニングシステムをもっています。これらの支援制度を利用して、専門性の高い薬剤師を育成していきたいですね。
まずは「在宅医療」についてお話しします。高齢化の進展や患者さまニーズの変化に伴って自宅で最期を迎える人が増え、また、医療技術の進歩により以前は生きられなかった人が医療的ケアのもと生きられる時代になってきました。だからこそ慢性期の在宅医療だけでなく、緩和ケア・小児領域など、難易度は高いものの重要度も高い在宅医療に積極的に取り組んでいます。日本調剤は2009年の黎明期から在宅医療に従事しており、今では全国に「在宅支援センター」を設置しています。センターには大型調剤機器を導入し、一包化調剤をはじめとするさまざまな調剤業務の効率化と安全性の向上を図っています。今後はさらに在宅支援センターを増設していく予定です。
次に「医療DX化」についても、日本調剤は業界の先頭を走っています。2014年にサービスを開始した「電子お薬手帳プラス」、2020年にはオンライン服薬指導システム「NiCOMS」を自社開発しました。今後普及が進むであろうマイナンバーカードを健康保険証として利用する「オンライン資格確認」の運用もスタートしています。オンライン資格確認の運用には、厚生労働大臣が視察に訪れており、時代を先取りした取り組みを続けている証ともいえるでしょう。
最後に「スペシャリティ医薬品」については、高度薬学管理機能を担える薬剤師の育成にいっそう力を入れていきます。
近年、抗がん剤や希少疾病薬、バイオ医薬品などいわゆる「スペシャリティ医薬品」の展開が増えています。しかしこれらは非常に高額な薬で、在庫管理を含め取り扱いの難易度が高く、どこの薬局でも簡単に取り扱えるものではありません。こうした役割を担うには一定の企業体力が必要であり、期待に応えることは日本調剤の社会的意義だと考えています。
そして、これらの医薬品を取り扱うには薬剤師の専門性が不可欠です。日本調剤では、いわゆる認定・専門薬剤師の資格取得のための病院実務研修の制度があり、症例集めにも最適な環境が整っています。また、"教育の日本調剤"の名に恥じない自慢のeラーニングシステムをもっています。これらの支援制度を利用して、専門性の高い薬剤師を育成していきたいですね。
Q.
入社する薬学生にどんな活躍を期待しますか
日本調剤は多くの事業部があり、サービスも多様化しています。だからこそ、多様な人材を受け入れたいという思いがあります。大事なのはチャレンジ精神をもっていること。日本調剤は創業以来、新しいことへの挑戦を繰り返して徐々に大きくなってきました。薬局内の事業はもちろん、薬局業界の枠組みを超えても構いません。自発的に行動し、新しい何かにチャレンジしたいという方を歓迎します。
とはいえ、新卒の入社時点でキャリアデザインが固まっている必要はありません。年月をかけて自ら学び、考えていっていただければ良いのです。新卒の薬剤師の皆さんに最も期待しているのは、第一に「笑顔で、職場を明るくする」ことです。
明るく笑顔で患者さまや先輩社員と接していただければ、十分に職場への貢献になることを忘れないでください。従業員の皆さんがイキイキと働いていないと、それだけで重苦しい職場になってしまいます。難しく考えすぎず日々を前向きに過ごしてもらいたいですね。そして、それが実現できる職場環境をめざして、これからも従業員や患者さまをはじめ、すべての人の「生きる」に向き合っていきます。
とはいえ、新卒の入社時点でキャリアデザインが固まっている必要はありません。年月をかけて自ら学び、考えていっていただければ良いのです。新卒の薬剤師の皆さんに最も期待しているのは、第一に「笑顔で、職場を明るくする」ことです。
明るく笑顔で患者さまや先輩社員と接していただければ、十分に職場への貢献になることを忘れないでください。従業員の皆さんがイキイキと働いていないと、それだけで重苦しい職場になってしまいます。難しく考えすぎず日々を前向きに過ごしてもらいたいですね。そして、それが実現できる職場環境をめざして、これからも従業員や患者さまをはじめ、すべての人の「生きる」に向き合っていきます。
就活アドバイザーからひと言
薬剤師としても社会人としても、多角的にキャリアアップできる環境
日本調剤は言わずと知れた、調剤薬局業界のリーディングカンパニーのひとつです。薬剤師一人ひとりが専門性を高めることを重視しており、がんをはじめとした認定・専門資格の取得を目指す強化チームを設置して、社員の学びを会社が支援している点が特徴です。
また、時間の関係上、インタビューではおうかがいすることができませんでしたが、日本調剤の社員のまま病院で1~2年間勤務する「社外ジョブチャレンジ制度」も、同社の人気制度の1つです。病院での学びを通し、スキルを高め、経験を積めることから多くの社員に活用されています。
加えて、薬剤師の枠を超えた多様なキャリアパスが開かれていることも魅力のひとつです。キャリア志向や希望に合わせて事業本部やグループ内の他事業部への異動が可能であり、薬剤師としての専門性や経験を生かしつつ、業界の枠組みを超えてキャリアを伸ばしていくチャンスがあります。
また、時間の関係上、インタビューではおうかがいすることができませんでしたが、日本調剤の社員のまま病院で1~2年間勤務する「社外ジョブチャレンジ制度」も、同社の人気制度の1つです。病院での学びを通し、スキルを高め、経験を積めることから多くの社員に活用されています。
加えて、薬剤師の枠を超えた多様なキャリアパスが開かれていることも魅力のひとつです。キャリア志向や希望に合わせて事業本部やグループ内の他事業部への異動が可能であり、薬剤師としての専門性や経験を生かしつつ、業界の枠組みを超えてキャリアを伸ばしていくチャンスがあります。